卒業生との新たな関係性を互いのパワーに――シグマクシス・グループがアルムナイネットワーク発足に込めた想いとは

2024年9月、シグマクシス・グループがアルムナイネットワークを立ち上げました。
11月には初のアルムナイ交流イベントも予定している同グループが、どのような想いでネットワークを立ち上げたのか、株式会社シグマクシス・ホールデイングス 取締役 内山その氏に伺いました。

※こちらは過去、シグマクシス・グループに在籍していた方専用のネットワークです

株式会社シグマクシス・ホールディングス 取締役
コミュニケーション&ケーパビリティ 管掌
内山 その 氏

設立から16年、卒業生のネットワークを新たなパワーに

ーまずはアルムナイネットワーク立ち上げの背景についてお聞かせください。

当社は2008年に創業し、17期目に入りました。立ち上げから上場を経てプライム市場へ、現在はグループで700名超の規模に成長し事業も多様化が進んでいます。それに応じて卒業生の数も多くなり、各所で活躍する人が増えてきました。

元々、横のつながりが強いフラット&ネットワーク型の組織なので、社員と卒業生との繋がりは個人レベルでは自然に育まれていました。しかし、人数が増えてくると個々の繋がりだけではネットワーク全体のパワーになりにくい。せっかく同じDNAを持つ「仲間」が世の中のあちこちで活躍しているのであれば、もっと積極的に繋がる意思を会社として表現したほうが、さらに面白い出会いや気づき、コラボレーションの価値も生まれるのでは?そんな想いから立ち上げを決めました。

ーネットワークの設立にあたって、周囲はどんな反応がありましたか。

「そろそろやろうよ」という声は、ここ数年社内外で出始めていましたので、各社の経営会議で発足を宣言した時には、全員「待ってました!」という感じでした。退職する社員から、「内山さん、シグマクシス・グループはアルムナイやらないんですか」と聞かれることもありました。それぞれが「繋がりたい」という意欲があるということが大事なので、タイミングもとてもよいのではないかなと思います。

在籍時に生まれる人間同士の関係性が卒業後も継続する文化

ーこれまでのアルムナイと会社との関係はどのようなものだったのでしょうか。

卒業生がふらっとオフィスに顔を出してくれることはごく普通にありますね。部活の練習試合に助っ人として現れることも。例えば私のところにも、自分が携わるベンチャーの紹介、VCファンドへの出資話、組織運営で悩んでいるから壁打ち相手になって欲しいというお願い、キャリアや人生の相談・・・卒業後のほうが積極的じゃないか、と笑ってしまう時もありますが、これは突然そうなるわけではないんですね。会社を卒業しても変わらない人間関係が、在籍時に自然と作られていたからだと思います。これは私だけではなく、会社のあちこちで繰り広げられている光景なので、とてもうれしく思います。

そのような背景のもとで、今回グループとして正式にアルムナイネットワークを立ち上げ、そのプラットフォームも作りました。会社と社員と卒業生、そして卒業生同士の窓が互いに常に開いているという状態にできると、情報の行き来も活発になり、間口も広がりハードルも下がって、お互いのネットワーキングの質も量も上がっていくのではないか、と期待しています。

ーそもそも人同士でつながり続けるというカルチャーや土壌は、どうやって育まれてきたのでしょうか。これはアルムナイにも大きく関係してくるのではと思うのですが。

シグマクシス・グループが掲げるパーパス”Create a Beautiful Tomorrow Together”は、当グループの事業活動やカルチャーの土台となっています。文字通り「美しい明日を共に創りましょう」と言っているわけですが、その根底には「自分と仲間の力を掛け合わせれば、可能性は無限大。組織を超えたコラボレーションで新たな価値、新たな社会を創ろう。」という想いがあります。そして、創るのは「明日」ではなくて「美しい明日」。夢と美意識をもって共に前進することがエネルギー源だということも大事にしています。ですから途中で外に出たとしても、このパーパスが体に染み込んでいることに気づく卒業生が多いようです。共有する想いが変わらないからなのか、所属は変わってもネットワーク上の存在としてお互いそこにいる、という感覚があります。これは会社にとっても社員にとっても、そして卒業生にとっても同じなのではと感じています。

当社の、「組織」ではなく「プロジェクト」で仕事をする、というスタイルも関係するかもしれません。「この人は何が得意なのか」「どういう物事の進め方をする人なのか」という互いのケイパビリティ(能力)を組み合わせたチームで価値を生み出すというのが前提です。組織がフラット&ネットワーク型で、仕事の上でもコラボレーションが軸なので、社員も「自分が何者か」を常に意識すると同時に、誰かとつながっていることを意識して仕事をするようになっているのでしょうね。そして何よりも、プロジェクトを通じて「目標に向かって一緒に進もう、一緒に高い山を乗り越えよう」と共に取り組む経験そのものが、仲間とのつながりを醸成しているのだと思います。

ーそのような環境を作るうえで、会社が意識していることはどんなことなのでしょう。

お客様やパートナーと共に価値創造するのは社員。会社がやるべきことは、企業理念を掲げて方向性とありたい姿を示すこと、そこに共感して向かっていく社員たちがモチベーションを高めながら成長できる環境を作ること、そして困ったときに助けること、だと考えています。繋がりを育むという意味では、「組織と組織」ではなく、コラボレーションを生み出す「人と人」のシナプスを生み出すという視点での環境づくりに力を入れています。

社員も卒業生も、「縁」があったからこその仲間

ー公式に設立するにあたって、アルムナイネットワークの参加に条件は何か定めるのでしょうか。

特に定めていません。新卒入社から経験者入社、他社からの出向者まで、過去に社員としての在籍がある方全員が対象です。実際、会社への想いやエンゲージメントレベルも人それぞれでしょうから、どのような人が、どんな想いでどれだけ登録してくれるか、とても興味を持ってみています。

ー会社に愛着を持って関係性を保って卒業する人のお話は伺いましたが、全員がそうではないと思います。会社との距離感があるアルムナイに対する想いはどのようなものがありますか?

おっしゃる通り、卒業の仕方は人それぞれ。プロフェッショナル・サービスなので、前向きな卒業もあれば、方向転換のための卒業もあります。私は原則、退職者全員との振り返りの時間を持っていますが、その中では、退職理由にかかわらず「〇〇さんにはお世話になった」「居心地はよかった」「新しい気づきや成長があった」など、ポジティブな想いを語ってくれる人が多いです。人間同士と同じで、会社と個人の関係もシンプルな類型化はできないんですよ。ふと振り返ったときに、あの時間は自分には意味があった、シグマクシス・グループにもう一度つながりたい、と思ってくれたらとても嬉しいですし、このアルムナイネットワーク発足をきっかけに、ご自身とシグマクシス・グループとの新しい関係性を再認識して頂けたらいいなと思っています。

社員も卒業生も、星の数ほど会社が存在するこの世の中で、「縁」があったからシグマクシス・グループで仲間になったと私は思うのです。だからこそ、お互いに関係性を進化させ続けることがとても大切で、そういう会社と個人の関係でありたいと思います。

11月にはオフラインイベントを開催

ー現役の社員の人にはこのネットワークのことをどう伝えていくのでしょうか。

社員と卒業生のつながりが強いので、アルムナイネットワークの立ち上げを全社員に告知し、各社員がつながっている卒業生経由でまずは拡散を図ります。じわじわと広がっていってくれることを期待しています。

これをきっかけに、社員にとっても人間関係を丁寧に紡いでいくことへの意識に繋がるといいなと思います。「何があっても繋がり続ける力」って結構踏ん張りが必要だと思いますが、その力が発揮されると、組織はもっと強くなれると思います。卒業生は「社外の人」ではなく、当グループの延長線上に広がるネットワーク。そのネットワークパワーをさらに高めていくために、会社としてできることも、まだまだあるかもしれないですね。そういう気づきも、この活動から得られるのではないかと期待しています。

ーアルムナイネットワークではどのような活動を予定していますか?

まずは2024年11月18日(月)にオフラインイベントを企画しています。コラボレーションを大事にする会社らしく、対面での再会だからこそ生まれる何かにも期待したいと思います。その後も、卒業生同士、そして卒業生と現役社員が交流できるイベントなどを企画していく予定です。

社員にとっても意味のあるネットワークにしたいです。単純に卒業生のリストを持っているだけではなく、相互からの働きかけで共にバリューアップできるような動きを作りたいですね。

様々なアイデアが自然に生まれるプラットフォームに

ーアルムナイネットワークをどんな場にしていきたいと思っていますか。

ややこしいルールは一切なしで行きたいと思っています。守って頂きたいのは、シグマクシス・グループの「12のValue」のみ。自律性を重視し、様々なアイデアやムーブメントが自然に生まれるようなプラットフォームづくりを目指しています。「こういうことをやりたいので場所を貸してくれませんか。手伝ってくれないですか」といったリクエストが事務局に来たら嬉しいですね。そこに社員も入って気軽に出入りできるような場にできたらいいなと思っています。

最後にアルムナイの方に向けて、メッセージをお願いします。

「やりたいことがあったら手を挙げて」「困りごとはお知らせください」という、当グループの変わらぬスタンスで運営します。社員向けプラットフォームを卒業生にも拡張、というシンプルなイメージでとらえて頂ければと思っています。いろいろ覗いて使ってみてください。みなさんそれぞれの環境でチャレンジをされているのだと思いますが、アルムナイネットワークの上では当社の理念を共有し、大事にしていきたい。ですから、シグマクシス・グループの企業理念をしっかり復習しておいてくださいね。

みなさんのご参加を心からお待ちしています。

※こちらは過去、シグマクシス・グループに在籍していた方専用のネットワークです