2024年4月12日、株式会社日本政策金融公庫(以下、日本公庫)中小企業事業本部が、初のアルムナイ交流会を開催しました。
日本公庫中小企業事業本部は同年1月、政策金融機関の中では先駆け的に本格的なアルムナイネットワークを設立。アルムナイからはネットワークができたことを喜ぶ声が多数寄せられ、現在は約60名のアルムナイが参加しています。今回のイベントには8名のアルムナイが参加。公庫への前向きな意見や今後の可能性へ期待する声が飛び交うイベントとなりました。
「フィードバックで社内を良くする」日本政策金融公庫 中小企業事業本部がアルムナイネットワークで目指すこととは
※過去、日本政策金融公庫 中小企業事業本部に在籍していた方専用のネットワークです
アルムナイネットワーク設立の背景や目的
まずはアルムナイ事務局を務める石垣さんより、アルムナイネットワーク設立の背景や目的について説明がありました。
アルムナイネットワークの設立の背景
「日本全体で企業の働き方や人材が多様化する中、日本公庫でもこれまで以上に働きやすい職場作りを行っていく必要性を感じていました。そうした中、同じ金融業界でも取り組みが始まっているアルムナイネットワークのことを知り、これまで関わりの少なかった現役世代の退職者との関係構築に取り組み、他社の動向や外からみた日本公庫の位置づけなどを知りたいと思い、2024年1月に日本公庫中小企業事業本部で取り組みを開始しました。
登録しているアルムナイは年齢層が幅広く、現在の職種もコンサルタント、税理士法人、公的機関や事業会社など、実にさまざま。職歴や年齢によらず、日本公庫とアルムナイ、またはアルムナイ同士がフラットに関わり、みなさんと一緒になって多様な可能性を生み出していきたいと考えています。」と語ります。
設立の目的
アルムナイネットワーク設立の目的は主に3つあります。
1つ目は、日本公庫からアルムナイへの情報発信。働きやすい職場を目指して日本公庫が取り組んでいる人事制度の変革についてや、セミナーの情報、キャリア形成に役立つ情報などを発信しています。
「退職後も、日本公庫に対してポジティブな思いを持ってもらいたい」という石垣さん。アルムナイにとって価値ある情報を届けていくと説明しました。
2つ目は、アルムナイから日本公庫へのフィードバック・情報発信。日本公庫の外に出たからこそわかる公庫の良さや、「こうしたらもっと良くなるのではないか」といった前向きな意見を聞かせてほしいと言います。
アルムナイの声を活かし、より働きやすい日本公庫にしていく。また、その変化を発信することで、さらに日本公庫に対してポジティブな思いを持ってもらうーーそんな好循環を目指しています。
3つ目は、アルムナイ同士の情報交換。現在、自身が取り組んでいることや、他のアルムナイに参考になるような情報を発信し合い、それぞれキャリアやビジネスの気づきを得られる場となることを目指しています。
「日本公庫出身だからこそ、わかり合える価値観や共感できる部分がたくさんあるはずです。意見交換や自身の活動のシェアはもちろん、アルムナイ同士の協業の相談などもOKなので、ぜひ自由に活用してみてください。」「最近では、アルムナイからのビジネスに関する情報発信を、日本公庫の全職員に共有することによって、企業間での連携を深めていくような実績も出てきました。」
前向きな声が寄せられたワークショップ
続いて、アルムナイ同士の自己紹介も兼ねてワークショップを実施。アルムナイに「現在活かせている公庫でのスキル・経験」「外から見た公庫の良い点・改善点」などを振り返ってもらい、共有してもらいました。
「現在活かせている公庫でのスキル・経験」については、公庫での経験がまさに現在の業務に直結していると回答するアルムナイが多数。アルムナイのAさんは「現在の仕事もお客様は中堅中小企業の社長です。公庫での経験があるからこそ、臆せずコミュニケーションを取ることができています」と言います。そのほか「社会人としての基礎スキル」「基本的な仕事への取り組み方」など基礎スキルが今でも役に立っているという声が寄せられました。
アルムナイのBさんは「傾聴力」を挙げました。
「今日久しぶりに日本公庫の現役社員・アルムナイと交流することができて、『話を聞いてあげるよ』という優しい雰囲気、フラットに聞いてくれるような感じが出ているなと感じました。そういう姿勢は今現役で働いている職員にもあるのではないかと思います。」
また数名のアルムナイから「公庫の“当たり前”はレベルが高い」という声が寄せられました。「公庫での経験があれば、外でふつうに仕事をしていても褒められることが多いです。」「公庫では『仕事が遅い』と言われていましたが、今は『とても仕事早いですね』と言われることが多い。」日本公庫中小企業本部のアルムナイは外に出ても評価が非常に高いことがわかります。
「外から見た公庫の良さ」については、多くのアルムナイが「人の良さ」を挙げました。「今でも一緒に働いた先輩と定期的に会い、つながりを持たせてもらっている」「キャリアはもちろん、プライベートのことも含めて相談にのってくれる」など、退職後も個人同士のつながりを大切にしてくれるという意見が多く見られました。
また「業務の尊さ」を挙げるアルムナイも。「日本公庫の仕事は、真に中小企業のため、日本経済のため、地域のために一生懸命、仕事ができました。日本公庫は尊い企業の一つだと感じます。」
一方で、改善点についても前向きな意見が寄せられました。アルムナイのCさんは「公庫の仕事のおもしろさを若手職員にもっと伝えるべき」と言います。「私は日本公庫が大好きでした。公庫にはワクワクする仕事が本当にたくさんある。それを若手社員にも理解してほしい」
アルムナイのDさんはコロナ禍での経験から「アルムナイと日本公庫が協力し合えるような働き方ができないか」と述べました。「私自身、行政の業務をしていることもあり、コロナ禍はとても忙しかった。同じ時期、中小企業を支援する窓口も忙しそうで、日本公庫も忙しいのではないかなと思いました。そういうときに何か協力できるような働き方があるといいなと考えています。副業なのか、現役職員のサポートなのか、具体的な形はイメージできていませんが、辞めた身としても前向きに日本公庫に関われたらと思っています。」
次回の開催に向けて
ワークショップが終わったあとは、食事と飲み物を楽しみながらフリートーク。名刺交換をしたり、現在の仕事についてより詳しく話し合ったりする姿が見られました。終了時刻になっても、まだまだ話し足りない様子。「また連絡します!」「今度食事に行きましょう」といった声が聞こえてきました。
イベント終了後、事務局の石垣さんに感想を聞きました。
「イベントが始まる前までは不安もありましたが、みなさんから日本公庫に対する思いや前向きな改善点を聞くことができました。今回お寄せいただいた意見をもとに、今後アルムナイと一緒にできることは何か、検討を進めていきたいと思います。
今後もこうしたイベントを開催したいと考えています。今回参加できなかった方も、次回はぜひお越しください。」
また、イベント後のアンケートでは、アルムナイから多くのあたたかなコメントが寄せられました。
・公庫とのつながりを作ることができました。
・久々で緊張していましたが、大変あたたかく迎えていただきました。
・活躍されるアルムナイの方々と交流できた。
・ぜひ続けていただきたいので、力になれることがあればお声がけください。
イベント参加者アンケートより
第1回目のアルムナイ交流会では、新たなつながりが生まれ、日本公庫への前向きな意見が多数寄せられました。コミュニティへの期待や「何か手伝えることがあればやりたい」という声も多く、日本公庫の特長である「人の良さ」が感じられました。今後どんな取り組みが生まれ、日本公庫はどう変化していくのか、引き続き注目です。
※過去、日本政策金融公庫 中小企業事業本部に在籍していた方専用のネットワークです