横浜銀行が初のアルムナイイベントを開催!アルムナイが感じた銀行の変化とネットワークへの期待とは

株式会社横浜銀行(以下、横浜銀行)は、2022年度より中期経営計画の中で長期的にめざす姿として「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を掲げ、これまですすめてきた変革を加速し、成果を具現化させていくことで着実な成長を実現させるとともに、将来に向けて強靭な経営基盤の構築をはかる取り組みを進めてきました。その中の重点戦略の一つとして掲げる「人財ポートフォリオ改革・エンゲージメント向上」において、2023年2月にアルムナイネットワークの運営を開始しました。

その横浜銀行グループアルムナイネットワーク初となる、アルムナイ交流イベントが2023年7月13日、はまぎんラーニングングセンターで開催されました。本記事では、第一部で行われた講演と、実際に参加したアルムナイの声をレポートします。

<第一部> 講演 〜ネットワーク設立の背景と、現在の横浜銀行の取り組み〜

まずは横浜銀行の人財部長 清川大輔さんより、アルムナイネットワークを設立した背景と、最近の横浜銀行の取り組みを紹介する講演が行われました。

1.1 アルムナイネットワーク設立の背景

従来は退職すると、退職者と企業との関係性との関係は途切れることが一般的でしたが、昨今は雇用の流動化や人的資本の考え方などから、退職者との関係性を見直し、関係構築を行っている企業が増えているといいます。

「退職して終わりではなく、退職後もアルムナイと関係を持ち続け、その中でお互い価値を生んでいくことを目指す企業が増えています。我々横浜銀行も、そうした考えのもと、アルムナイネットワークを構築しました」(清川さん)

同行にはこれまで、主にライフイベントを機に退職した方を対象とした「ジョブ・リターン制度」がありました。

「ただここ数年、20代・30代前半の方で、転職した後に『もう一度横浜銀行で働きたい』と戻ってくる方が少しずつ増えてきました。そうしたこともきっかけの一つとして、アルムナイネットワークの構築を検討し始めました」(清川さん)

同行がアルムナイネットワークの中で目指すのは、同行とアルムナイだけでなく、アルムナイ同士の接点もつくること。ネットワークを活発にするために、アルムナイからも意見をどんどん出してもらいたいと言います。その先に目指すのが、キャリアやビジネス機会の創造です。

「本日のようなイベントを開催し、アルムナイ同士で関係づくりができる場を提供します。そのほか、最新の経営情報を定期的に情報発信し、我々の取り組みを知っていただく機会をつくります。

横浜銀行グループの外に出てさまざまな経験をされた方は、中にいる人とはまた別の視点を持っています。そういった知識や経験を、再度入社して生かす選択肢を整えたり、中長期的には協業や社内のイノベーションにつなげたりできればと考えています。みなさんとの協業を通じて、地域活性化につなげていきたいと思っています」(清川さん)

1.2 現在の横浜銀行について(中期経営計画・人財戦略)

長期的に目指す姿として「地域に根ざし、ともに歩む存在として選ばれるソリューション・カンパニー」を掲げている横浜銀行。現在は中期経営計画の2年目で、次年度までに変革を加速し、成果を具現化するとしています。

「テーマとしてGrowth、Change、Sustainabilityの3つを掲げ、それぞれソリューションビジネスの深化・拡大や人財ポートフォリオの改革、持続可能な地域社会への貢献など重点戦略を定めています」(清川さん)

また、人的資本を重要な経営資本における価値創造の源泉、最重要資本の一つと位置付け、経営戦略と連動して人財戦略を策定。

戦略の基本テーマを以下の3つに設定しました。1つ目は成長意欲・挑戦意欲を大切にする『人づくり』、2つ目は多様な人財がいきいきと活躍できる『組織づくり』、3つ目は個々のWell-beingを起点にした『環境づくり』。

「最も重要な部分は『人づくり』です。人づくりについては、4つの施策を打ち出しており、ソリューションビジネスの担い手の拡大と質の向上、またデジタル部門、市場部門などの専門人財育成強化、加えて、若手中心に主体的に挑戦・成長する機会を提供すること、さらに、次世代の経営人財を計画的に育成することを掲げています」(清川さん)

組織づくりについては、新卒やキャリア採用を含めた戦略的な採用活動を重視するほか、経営ニーズと個々人のキャリアデザインニーズとの両立を最大限に追及した適材適所の人財配置、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)のさらなる推進、シニア人財のセカンドキャリア構築支援による活躍推進といった施策を打ち出しています。

環境づくりについては、従業員一人ひとりの幸福・健康をベースに、個々のWell-beingを起点にした活力ある企業風土の醸成、心身ともに健康で安心して働ける職場環境の整備を進めています。

「こうした人的資本への投資を強化し、経営戦略と連動した人財戦略に取り組むことで、ソリューション力を高めていきたいと考えています。また、指標としてエンゲージメントも重視し、会社の総合的魅力(従業員の意識調査)を毎年測っています。現状、総合的なスコアは3.29ですが、今後も高めていき、従業員の満足度、エンゲージメントを高め、経営目標達成を目指しています」(清川さん)

最後に、今後求める人財についてこう語りました。

「常に変革マインドを持ち、挑戦し続ける人財です。失敗してもいいから挑戦し続ける人財を求めると同時に、社内でもそうした人財をどんどん育成していきます」(清川さん)

<第二部> 交流会

続いては、食事をしながらの交流会。初めて会うアルムナイ同士であいさつをして情報交換したり、再会を懐かしんだりと、随所で話に華が咲く場面が見られました。

横浜銀行 取締役 勝田道文さん

イベント後のアンケートによると、9割を超える参加者が「満足」と答えました。アルムナイからはこんな感想が寄せられています。

最近の横浜銀行の取り組みや変わろうとするプロセスを知ることができたことで、アルムナイとして「もっともっといい会社になって、お客さまや従業員に支持される会社になってほしい!」と応援したい気持ちになりました。

アルムナイのそれぞれの健闘を知ることができ、改めて自分もがんばろうと、今一度気合が入りました。

イベント後アンケート回答より

行員・懐かしい仲間との再会や新たな人脈づくり、横浜銀行に関する情報が得られたことを評価するコメントが多くみられました。また今後、アルムナイと現役社員のパネルディスカッションや、アルムナイ発信の企画を期待する声も寄せられました。

参加したアルムナイの声

実際に参加されたアルムナイに、参加の理由や、今後アルムナイネットワークに期待することを伺いました。

アルムナイAさん

ーー交流会に参加しようと思った理由を教えてください。

一番の理由は、思い入れのある会社やそこで働いた仲間と再会できることですね。それから、今の横浜銀行がどんな取り組みをしているのか興味がありました。

一度退職した人に声をかけたり、交流会をしたりすることは考えられなかったので、この会自体に横浜銀行の大きな変化を感じました。

ーー実際に話を聞いてみて、どんな印象を受けましたか?

働いている人のマインドが大きく変化していると感じました。私がいた頃と違って、銀行も本当に努力して会社を変えていかないと、学生からも選ばれないし、キャリア採用もしづらいという状況を受けて、本気で取り組んでいるのだと思いました。

ーーアルムナイネットワークの中で、何かやってみたいことはありますか?

まずは他のアルムナイがビジネスをする上で悩んでいることがあれば、これまでの自分の経験を生かして相談にのりたいと考えています。そこから協業などにつなげていければいいなと思います。

アルムナイによるメッセージが寄せられたメッセージボード

アルムナイBさん

ーー交流会に参加された理由と、今後ネットワークに期待することを教えてください。

もともと、アルムナイネットワークにすごく興味がありました。時代の流れとして人財の流動化も進んでいて、新聞でも取り上げられていますし、私が退職した時も人事に「アルムナイネットワークは作らないのですか?」と聞いたこともあります。今回、お世話になった上司に声をかけてもらったことを機に、どんな交流になるのかなという好奇心で参加してみました。

アルムナイは各業界の第一線で働いている方が多いと思います。そういう方たちとざっくばらんに情報交換できる場になることを期待しています。

ーー転職された理由は何でしたか?

自分の力が外の世界でどれくらい通用するのかを試したかったことと、新しい世界を見てみたかったからです。

横浜銀行もすごく好きだったので迷いましたが、横浜銀行で当時求められていると感じたのが「愚直に目の前の仕事をやる人」でした。自身のありたい姿は「新しい世界を見て変革を起こせる人」だと感じていたので転職を決めました。

ーー戻られる可能性もあるのでしょうか?

私は戻る可能性はあると思っています。だからこそ、こういう情報交換の場があるのはありがたいです。

ーー今後ネットワークをどう役立てていきたいですか?

同窓会みたいな感じでもいいので、まずはネットワークの中でアルムナイ同士仲良くなりたいです。ゆくゆくは協業できたら面白いだろうなと思います。

アルムナイネットワークの設立から約半年。今回の交流イベントは、横浜銀行にとっても、アルムナイにとっても“新たな関係性”を築く大きな一歩となったのではないでしょうか。今後のアルムナイネットワークの大きな可能性を感じたイベントでした。