テーマは「人財の躍動化」。変革を続けるModis VSNがアルムナイネットワークで描く構想とは

コンサルティング力と技術力を備えたエンジニアによる問題解決サービス「バリューチェーン・イノベーター(VI)」を提供する株式会社VSN(2020年より事業ブランド名をModis VSNへ変更)が、2021年4月にアルムナイネットワークを立ち上げました。

持続可能な企業を目指す取り組みの一つとしてスタートした、過去に VSNに在籍していた方専用のアルムナイネットワーク。同社の中期経営計画のテーマでもある「人財の躍動化」につながるという本取り組み。同社はどのような構想を描いているのでしょうか。

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※こちらは過去にVSNへ在籍していた方専用のネットワークです

株式会社VSN
イノベーション&キャリア開発本部 本部長 前田 拓宏さん(写真左)
イノベーション&キャリア開発本部 未来創造グループ 玉川 博之さん(写真中央)
イノベーション&キャリア開発本部 未来創造グループ 大倉 佳祐さん(写真右)

アルムナイと新たなビジネスを生み出したい

——アルムナイネットワークを立ち上げた理由について教えてください。

前田:話が上がったのは2018年です。当時はちょうどイノベーション&キャリア開発本部の中に「未来創造グループ」という新しい部署ができたころでした。

——未来創造グループとはどのような部署ですか

前田:我々は技術者派遣というビジネスモデルで、人財を派遣するだけではなく、顧客の課題を一緒に解決していくというコンセプトで事業を行っています。昨年こそ新型コロナウイルスの影響も多少受けましたが、順調に事業成長することができています。

VUCA(※)と呼ばれる現代において、この先も持続可能な企業であり続けるためには、我々の強みを生かし、さらに新たなビジネス機会を創り出す必要があると考えており、その役割を担うのが未来創造グループです。

※Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の4つのキーワードの頭文字からなる、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現する言葉

イノベーション&キャリア開発本部 本部長 前田 拓宏さん

前田:自社だけではアイデアに限界があります。新しい価値を生み出すためには外部の多様な人財や企業と協業することが重要です。アルムナイであれば当社への理解もありますし、一緒に新しいビジネスチャンスを生み出すこともできるのではと考えました。

玉川:未来創造グループは人事部とは別の部署として存在しています。当社が少し珍しいのは、アルムナイネットワークの導入を主導したのが人事ではないということです。

企画は未来創造グループで、実務は人事に協力してもらっています。だからこそビジネスにつなげるといった、人事視点以外のこともできているのかなと思っています。

辞めるのもその人の人生。でも、いつでも戻ってきてほしい

——これまで退職者とはどのような関係性だったのでしょう?

前田:10年以上前はまだ創業から間もない頃で、離職率も高い状況でした。その当時は、制度や仕組みが十分に整備されていなかったところもあったと思います。

一方、今では教育制度や体制も充実し、離職率も改善しています。これまではアルムナイの皆さんと定期的に接点を持っていたわけではありませんでしたが、退職後も良い関係性が続いている方も多くいますし、実際にカムバック制度で再入社する人もいます。

——企業の体質を変え、離職率を改善し、カムバック採用もできるようになり……という土台があって、アルムナイとの関係構築に取り組むことになったのですね。

前田:そうですね。ネットワークをつくるのであれば、会社に対してポジティブな気持ちをもって参加してほしいと思っています。

——離職率が低い場合、辞める人が少数だからこそ、辞めてしまうことへのショックも大きそうですね。

前田:もちろん、会社としては長く社内で活躍してもらうことを期待していますが、その一方で退職された方は「卒業生」であり「同窓生」であると考えています。退職後、他の企業や業界で新たな経験を積み、再び当社に戻って活躍する方もいますし、実際に現在の事業部長のうち2人はカムバックした人ですね。

また、当社は新卒採用が多いので、平均年齢が30歳と若い人が多いです。そうなると、親心みたいなものが芽生えるというか(笑)

他の会社を知らないからこそ、わからないことも多いですし、外に出ることで気付くこともあります。人生100年時代といわれる現在、退職するという選択も一つのチャレンジです。その上で、いつでも戻ってきていいよというスタンスでいたいと思っています。

社内調整のコツは「可能性」と「実務」の話を分けること

——実際にスタートするまでに約2年強。なぜこれほど時間がかかったのでしょう?

前田:システム導入のために社内承認を取るなど実施までに時間を要することが多く、限られたリソースで行っているため、半ば断念しかけていたのですが、人員体制を強化できたこともあり、再び取り組み始めたのが2020年です。

人とのつながりを増やすことがこれからの社会では大きな資産になると思っています。

玉川:私は2020年からアルムナイネットワークの担当になりましたが、アルムナイという言葉自体が社内でさほど浸透していなかったので、関係者へ説明し理解を得るのが大変でした。

あとは『Official-Alumni.com』のシステムを使うので、個人情報の取り扱いに関する社内調整に時間がかかりました。

VSNアルムナイネットワーク(モトV)登録ページ(こちらは過去にVSNへ在籍していた方専用のネットワークです)

——企業規模が大きくなればなるほど、社内調整への苦労も大きくなると各社の話を伺っていて感じます。取り組みを進めるにあたり、何かアドバイスがあればぜひいただきたいです。

玉川:実務や工数の話と、可能性の話を分けて考えるのはポイントだと思います。

アルムナイネットワークの“可能性”や“やりたいこと”に関する打ち合わせは盛り上がります。「面白い」「わくわくする」と言ってもらえることも多くありました。まずは「何をしたいか」という可能性の部分で多くの人を巻き込むといいと思います。

その上で、実務的な話にもっていきます。いきなり具体的な実務の話をしていたら、敬遠されて終わってしまっていただろうなと感じます。

——特に皆さんの反応が良かったのはどのような話ですか?

玉川:経営層や本部長は「つながりを生む」ことへの反応が良かったです。「そういうことをやっていかないといけない」という意識が高かったと感じました。また各部門も、自身の業務に直結する話はやはり反応が良かったです。

一方で人事全般を考えると、採用以外の部分でメリットを見出しづらいところもありました。ただ、アルムナイネットワークは人事の協力がなければできないことでもあります。アルムナイネットワークの構築を進める中で、人事としてどう関わってほしいのかを説明し、快く協力してもらえてありがたいです。

VSNとアルムナイの強みを掛け合わせれば、新しい価値を生み出せる

——これからアルムナイの皆さんとどのようなことをやっていきたいですか?

前田:ぜひ相互に新しいことをやっていきたいです。それこそデジタル人財と課題解決力という当社の強みと、アルムナイの皆さんの強みを掛け合わせて新しい価値を生み出せると面白いですよね。

一緒にサービスをつくるのはもちろん、VSNを利用してもらって、アルムナイの皆さんのビジネスが発展するといいと思っています。

玉川:私も、他の会社と組んで仕事をすることが多いのですが、他社の担当者の方の発言などから刺激を受けることがよくあります。特にアルムナイは共通のバックボーンを持っている人たちですし、協業することでイノベーションが起こるのではないかと、期待感があります。

大倉:気軽に相談ができる場になったらいいと思います。私は2年前に当社に転職しました。今でも前職とのつながりは強く、それこそ前職の上司が「いつでも戻ってこいよ」と連絡をくれることもあります。

特に新卒入社の同期は、同じ研修を受けて同時期に仕事に就いているので、技術的な情報交換はもちろん、同世代の社会人として悩みや不安を共有することができます。

未来創造グループは年上のメンバーが多く、正直なところ同世代の話はしにくいところもあります。それに、ここでこんなこと言っていいのかわからないですけど、仕事の愚痴を職場では言いにくいものです。角が立たないようにと考えることは誰でもあると思っています。

前田・玉川:(笑)

大倉:そういう意味では、新しい会社の悩みなんかも、アルムナイネットワークの中なら相談しやすいのではないかと思っています。 VSNでは得られない何かを求めて外に出たわけですが、そこで新たな悩みや壁にぶつかるというのは誰しも起こり得ることです。だからこそ話せる場があることが大切かなと思っています。

——社外の人に相談するからこそ、新しい視点が得られたり、思わぬ解決策が見つかったりすることもありそうですね。アルムナイネットワークで最初にどのようなことをやっていきたいですか?

玉川:最初は「久しぶり」というところから始めて、きっかけの場をつくるのが第一歩と思っています。アルムナイ同士でも連絡を取らなくなった人はいると思います。そういった方たちの縁が復活していくと、ネットワークを立ち上げた意味が出てくると思います。

システム内での交流も行っていきますが、集まる場の企画もしたいです。コロナ禍なので状況次第ですが、何かしら顔が見えるかたちで、盛り上がるようなことをしていきます。

前田:決起大会とかやりたいですね。

玉川:その中で生まれたものに意味を見い出してもらえたらいいなと思いますし、そのための支援をしていきたいです。

大倉:私は、もし自分が前職のアルムナイネットワークに参加することを考えた時、過干渉されるのは敬遠したいと思います。なので、そこには注意したいです。

イノベーション&キャリア開発本部 未来創造グループ 大倉 佳祐さん

——アルムナイはいえ社外ですから、距離感には注意が必要ですよね。

大倉:そう思います。例えば、戻って来いと過剰にアプローチされたり、クチコミサイトに投稿したコメントに対して責められたりすることがないようにしないといけないと思います。運営側はしっかりと意識しないと、盛り上がらないし意味をなさなくなってしまうのかなと思います。

アルムナイネットワークが再びVSNに興味を持つきっかけになれば

——改めて、会社としてアルムナイとの関係構築に取り組む意義をどうお考えですか?

前田:今年出した新たな5カ年の中期経営計画のテーマは、「人財の躍動化」です。

労働生産人口が減少する中、人々がより生き生きと仕事をする社会をつくることができれば労働生産性は上がり、日本の力を強くしていけると考えています。そのキーとなるものが、限られた働く人々をいかに躍動させていくかだと思っています。

アルムナイとつながって新しいことに取り組むのも人財の躍動化の一つです。

我々が目指すことは、より良い社会をつくることです。デジタル人財と課題解決力は、これからの社会で一番必要とされるものです。そして、VSNはこの国の課題解決ができる組織でありたいと思っています。気心が知れたアルムナイの皆さんと意思疎通しながら、より良い社会をつくるべくビジネスを進めていきたいです。

玉川:アルムナイネットワークを進めていると、どこへ転職して、どういうポジションについているのか聞く機会が増えました。改めて、多様なOB/OGの方がいるなと感じています。新天地で活躍している方もたくさんいらっしゃるので、そんな方々とつながりを持てるのは、参加いただく方々にとっても、当社としてもプラスになると思います。

一方で、10年以上前に退職された方の中には、VSNに対して良い印象を持てない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、そこからずいぶん私たちは変化してきています。2011年から始めた課題解決サービス「バリューチェーン・イノベーター(VI)」は10年目を迎え、2012年にはアデコグループに加わり、2020年7月にはModisと統合し、ブランド名も『Modis VSN』に生まれ変わりました。

こういった変化を知っていただき、「VSNも変わろうとしている」「良い会社になった」と思ってもらえたら、アルムナイネットワークに取り組む意義があります。

そうした変化までには時間がかかるかもしれませんが、この取り組みを通じて、再び興味を持っていただけるきっかけになることを願っています。

VSNアルムナイへメッセージ

前田さん(写真左)、玉川さん(写真中央)、大倉さん(写真右)

大倉:外からVSNを見たことで、またVSNと交流したいと思ってくださった方、ぜひアルムナイネットワークをよろしくお願いします。

我々が属する未来創造グループは、特にアルムナイの皆さんと関わりやすい部署だと思います。新しいビジネスを一緒に考え、創出できればうれしいです。

玉川:皆さんにたくさん集まってもらって、盛り上がるのが一番です。堅く構えずに、まずは登録してもらえたらと思っています。その期待を裏切らないように我々も取り組みを考えていきます。

とはいえ、こちらから一方的に何かをするだけではなく、アルムナイの皆さんからも提案をしてもらえるような場にしたいとも思っています。ぜひ、やりたいことをどんどん教えてください。アルムナイの皆さんが何を求めているのかを理解し、より良いものにしていければと思います。

前田:アルムナイの皆さんには、まずは登録していただいて、ご自身の立ち位置で「このネットワークを使いこなしてやろう」くらいに思ってもらいたいですね。一方通行ではなく、双方向で良い関係を築いていけるのが理想です。

難しく考えずに「VSNで働いたことがある人」のネットワークとして、ぜひそれぞれの立ち位置で、自身のためになる使い方をしてほしいです。

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