再雇用、出戻り、ジョブリターン、カムバック、アルムナイ採用の違いとは?

労働人口の減少、雇用の流動化、採用難などの背景から、着目する企業が増えつつある退職者の再雇用。

退職者を再び雇用することを表す言葉は多数ありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。再雇用、出戻り、ジョブリターン、カムバック、アルムナイ採用の使われ方ついて考えてみます。

再雇用

再雇用を辞書で引いた時の意味は以下の通り。

1 退職者や一時解雇した従業員を再び雇用すること。
2 継続雇用制度の種類の一つ。再雇用制度のこと。

goo辞書より

現役世代の退職者、定年退職者の双方を含め、元従業員を再び雇用すること全般を表す言葉となっています。

ただ「再雇用」での検索結果は、後者の「定年退職者を再び雇用する」内容が目立ちます。一般には「再雇用=定年退職者」のイメージが強いようです。

出戻り

出戻りという言葉の意味は以下の通り。

1 一度出かけて、途中でもとへ戻ること。
2 嫁いだ女性が、離婚したり、夫に死別したりして生家に戻ること。また、その女性。

goo辞書より

1の説明の通り、「一度退職して再び自社に再入社すること」を表します。一度退職して他社で働いたり、独立したりした人を指すことが多く、定年退職後に再雇用された人に対しては使われない印象です。本来の意味の通り「勤め上げた=途中ではない」という解釈ができそうです。

逆にいえば、「途中で抜けた」というニュアンスが含まれているとも言えます。例えばLinkedinの日本代表・村上臣さんは「出戻りという言葉が嫌い」と自身のブログで指摘していますが、終身雇用制度が崩壊する中、出戻りという言葉にネガティブな印象を受ける人もいることは念頭に置いておきたいところです。

ジョブリターン制度/カムバック制度

ジョブリターン制度もカムバック制度も、各社が退職者の再雇用制度名に使っている言葉です。ジョブリターン採用、カムバック採用と言われることも。

通常の再雇用制度との違いは、その対象者。先述の通り、再雇用制度の多くが定年退職者を対象とするのに対し、ジョブリターン制度/カムバック制度の対象者は現役世代の退職者です。

育児、介護、配偶者の転勤などで退職を余儀なくされたり、就学・留学・転職などキャリアアップを目指して退職したりした従業員を、本人の希望により再び雇用する制度として用意されています。企業によっては前者のみを対象とするケースもあります。

アルムナイ採用

アルムナイ採用は、この中で最も新しい用語です。現役世代の退職者を再び採用し、雇用することを意味します。(人事領域でアルムナイは「企業の退職者」を表します)

ジョブリターン/カムバックと同じように使われていますが、アルムナイネットワークを用意するなど、他のアルムナイ向けの施策とセットで使われることが多い印象です。

まとめ

今後もニュアンスは移り変わっていくと思いますが、現時点での各用語の使われ方について考えてみました。「一度退職した人を再び採用する」意味は全て同じであり、それぞれ明確な定義があるわけではないものの、対象となる人や言葉が持つニュアンスが異なることが見えてきました。

退職者の再雇用制度を用意している企業をまとめていますので、自社で退職者の再雇用制度をつくる際は各社の制度名もぜひ参考にしてみてください。

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また、退職者を再び雇用するためのノウハウをまとめています。退職者の再雇用を行いたい企業の方はこちらもぜひご覧ください。

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