創立20周年となる2023年10月1日に、中電シーティーアイはアルムナイネットワークを立ち上げました。
同社は中部電力グループ唯一のIT企業として、電力の安定供給をITで支える中、アルムナイは仲間であるとともに、お客様やパートナーでもあると考えています。アルムナイネットワークをどう捉え、活用していくのか今後の展望を聞きました。

岡本 正雄 さん / 経営管理本部 総務・広報部(写真右)
北條 久志 さん / 経営管理本部 総務・広報部(写真左)
※中電シーティーアイに在籍し退職された方むけのネットワークです。
アルムナイも「大事なお客様」。ライフラインである「電力会社」だからこその観点
ーーまずは御社の事業について教えてください。
天羽:当社は中部電力のIT子会社として、主に中部電力グループ企業のシステム開発やITインフラの構築などを担っています。
中部電力グループ向け事業が中心ですが、そこで培ったシステム開発のノウハウを活かし、他の企業へもサービスを展開しています。
近年は、”その会社独自”のシステム開発ではなく、汎用性の高いパッケージソフトを活用することで、リーズナブルかつフレキシブルなシステム開発に注力しています。
岡本:設立から数理解析事業にも取り組んでおり、取得した様々なデータをコンピュータ上で分析・シミュレーションすることで、現実世界における最適解を導き出します。近年は振動センサーを用いたIoTや海水のデータ分析など、電力系情報子会社の領域を越えた事業を展開することで、製造業の多い中部圏において差別化を図っています。
ーーそんな中、退職者とはどのような関係性を築いていましたか?
天羽:前提として定着率が高いため、中途退職者はあまり多くありません。
前向きな理由で退職する人が多く、たまに退職者が来社することがあっても「あ、◯◯さんだ」と、社員とのコミュニケーションも良好です。
一昔前なら、会社を辞めた人は”裏切り者”のような雰囲気があったかもしれませんが、当社では退職後も連絡を取るメンバーもいますね。
機会を見つけて、アルムナイに来社してもらいますが、IT業界は変化が激しいためか、今の会社を見て驚かれることが多いです。
ーー良好な関係であれば、アルムナイも嬉しいですよね。
岡本:当社が電力ITインフラを取り扱っているためか、電気を使う度に関わった仕事を身近に感じるようです。
アルムナイも「自分が関わったあの仕事は今どうなっているのだろう?」「あの時お世話になったあの人は今も元気かな?」と気にしている人も多いです。
退職しても、サポーターのような視点で見守ってくれることが多いのは当社の特徴だと思います。
天羽:当社が電力会社の関連会社のため、私達も退職者を”お客様”と捉える感覚があります。
連想したのは同窓会。それをもっと”いま風”の形へ
ーーアルムナイネットワークの立ち上げには、どのような背景があったのでしょうか?
天羽:もともと私自身、退職者の中でも個人的に繋がりがある人が何名かいます。ただ会社全体で見た時に、どうしても上下関係や在籍時のポジションなど、フラットな関係性で繋がることは難しいと思います。
そこで創業20周年をきっかけに、定年退職を迎えた人を中心とした、同窓会サイトのようなコミュニティを作ろうと考えていました。
昔は一度入社した企業でキャリアを終え、もっというと墓場まで帰属意識を持っていることも珍しくはありませんでした。
しかし今は人材の流動性が高く、転職も当たり前の時代です。そんな中、本当に仲の良い社員同士で会うことはあるものの、仕事でしか繋がりのない人とは会わなくなっていくことに寂しさも感じていました。
そのため当社では定年退職、中途退職のどちらとも連携の取れるアルムナイネットワークを立ち上げようと思いました。

ーー中途退職者以外に、定年退職した方にも向けたアルムナイネットワークは一つの新しい形ですね。
天羽:ただ同窓会のような立ち位置でコミュニティを作ろうとしても、個人情報の取り扱いやセキュリティなど、解決するべき課題が多数ありました。
そこで中途退職者・定年退職者どちらにも実績のあるオフィシャル・アルムナイ・ドットコムを利用すれば、構築や運用もスムーズに退職者とのつながりを保てるのではないかと考えました。
年齢や場所にとらわれない、フラットでWin-Winな関係
ーーアルムナイネットワークではどういったことに取り組みたいですか?
天羽:仕事はもちろん、垣根を超えた交流を持てると嬉しいですね。
当社から転職するメンバーで東京へ行く人達も多いです。
でもやはり、中部にルーツがある人がUターンしてくることも多いので、そんな人の受け皿的存在になれれば良いなと思います。
一度別の環境で経験を積み、オープンなマインドで一緒に仕事ができると嬉しいですね。
北條:再び当社に入社しないとしても、介護や子育てなどの制約があるため、働きづらさを感じている人にも、柔軟に仕事をお任せできると考えています。
当社のことを知っているからこそできる仕事もあると思うので、もう一度、働きたいと考えている人も受け入れられればと思います。
天羽:例えば突発的な業務や一時的な業務が発生した場合、実際にその業務を経験した人のほうが効率よく業務を進められます。
特に定年退職したOB・OGであれば、会社のことに詳しいため、仕事も依頼しやすいです。
必要な時にアルムナイの力を柔軟にお借りすることで、双方にとって良い関係が築けると思います。
このように、再雇用ではなくノマドワーク的な関わり方も考えています。
北條:当社をよく知らない方に社内システムや入退館、会社の基本ルールを教えて、スポット業務を任せるよりも、もともと在籍していたメンバーならスムーズに業務に取り掛かれます。
そのため、むしろアルムナイのほうが適している仕事も多いですし、OB・OGにとっても活躍の場が増えるため、Win-Winの関係が築けると考えています。
ーーアルムナイとはどんな関係になっていきたいですか?
天羽:お客様、パートナー、サポーターと様々な側面で、一緒に仕事を続けられる関係になりたいと考えています。
例えば営業職として転職したメンバーから、「電力会社とのコネクションを活かしたい」と言われ、古巣である当社に営業に来ることもあります。新しい商品やサービスが当社のためになり、転職先でのメンバーの活躍を紹介できるのであれば、積極的に交流を深めていくべきだと思います。
ーーそれでは最後に、アルムナイの皆様に伝えたいことがあればお願いします。

※中電シーティーアイに在籍し退職された方むけのネットワークです。
天羽:ウェルカムバック、いつでも戻っておいでと伝えたいです。
会社や働き方がどんどん変わっているため、10年前に退職したメンバーが今の会社を見ると、驚くことも多いと思います。
コロナウィルスが流行する前からフリーアドレス席やフレックス勤務制度、リモートワークも始めていますし、服装も自由になっています。
マネージャー層も積極的に改革に取り組んでいるため、取締役もフリーアドレス席になってから「私の席がなくなる日が来るとは…」と言いながらも、今の環境を受け入れてくれています。
服装やリモートワークなど、外側はもちろん、業務の進め方やビジョンなど内側の部分まで、すべて繋がりを持って日々会社は変わっています。
岡本:他のIT企業と比べても遜色のないよう、働き方の自由化や多様化を進めているため、昔以上に働きやすい環境になっていることをアルムナイに伝えたいです。