アルムナイ設立により再入社が倍増!KPMGコンサルティングの再入社社員が語るキャリアとアルムナイコミュニティ

2022年、KPMGコンサルティング株式会社に再入社した2名のアルムナイとアルムナイ事務局を交え、キャリア観からアルムナイコミュニティの具体的な活用方法までお話いただきました。

Profile

島田さん(右)
2010年に大学院修了後、総合電機メーカーに就職。大手外資系コンサルティングファーム、ベンチャー企業を経て、2017年KPMGコンサルティングに1度目の入社。その後通信系大手に転職し、2022年3月にKPMGコンサルティングに再入社。

戸田さん(中央)
新卒でベンチャー企業に入社。学生時代から志望していた新規事業に携わる。当時の上司が経営コンサルタント出身だったことに影響を受け、2015年に第二新卒としてKPMGコンサルティングに1度目の入社。プライベートで大阪に拠点を移すことになり退社・転職したが、大阪オフィス拡充のタイミングで2022年5月にKPMGコンサルティングに再入社。

吉田さん(左)
新卒で金融系の事業会社に入社。2014年にKPMGコンサルティングに入社し、コンサルタントとしてキャリアを構築した後、職種転換を経て2020年より人材開発部署へ異動。アルムナイの立上げから事務局を担当するほか、採用マーケティング領域もリード。

「人を大切にする」コンサルティングファームを退職した理由

ー まず初めに、KPMGコンサルティングについて教えてください。

吉田:

KPMGコンサルティング(以下、KC)は、クライアントが抱える経営課題に対して、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジートランスフォーメーション、リスク&コンプライアンスの3つの分野で、各分野のプロフェッショナルが専門的知識やスキルを活かして連携し、幅広いコンサルティングサービスを提供しています。

Big4と呼ばれる総合コンサルティングファームの中でも、KCは2014年に設立した若い会社です。そのため、他社と比べて、中途採用者が多いことも特徴の1つです。多様なバックグラウンドをもつ人材が集まっており、メンバー同士のつながりが温かい社風です。その点はコンサルティングファームに抱かれがちな、ハードなイメージとは少し異なるかもしれません。「人を大切にするNo.1コンサルティングファーム」を目指すと宣言している通り、大切にしているのは「オーナーシップ」「リスペクト」「コラボレーション」。経営層から社員にまで浸透している考え方です。

ー 「人を大切にする」と宣言されているのですね。前回の在籍時から現在に至るまで、社員として大切にされていると感じることはありますか?

島田:

はい、日々感じますね。面倒見の良い上司やフランクな同僚たちに囲まれて、気持ちよく働ける環境です。前回在籍時にも多くの失敗がありましたが、自分の成長やクライアントへの成果に対して、100%バックアップをしてくれる優しさがあると感じます。良い精神状態を保てるので、自分のパフォーマンスを発揮できる環境です。

そんな居心地の良さも戻ってきた理由の一つです。

戸田:

私もそう感じます。パートナー(※)であっても親身になって話をしてくださる、珍しいコンサルティングファームだと思います。

(※)役員クラス・共同経営者のこと

ー 良い環境であることが伝わります。そんな中、なぜ退職を選ばれたのですか?

戸田:

プライベートで大阪へ転居したためです。当時は、大阪オフィス所属者が少なく、毎日のように東京出張が必要だったので、働き続けることは難しいなと判断しました。KCが再入社できることは知っており、元上司にも「いつでも戻ってきて」と言っていただけましたが、退職のタイミングではまさか再入社することになるとは思いもしませんでした。

島田:

私は事業企画系の仕事に挑戦してみたかったので退職しました。実際に事業戦略部でマーケティング施策、サービス施策、法務的な業務など、コンサルタントではできない仕事を経験しました。

私も再入社のことは考えていなかったですね。3年先、5年先を想像できない性格だからかもしれません。

吉田:

お二人が退職された当時は、再入社社員も数人はいましたが、再入社制度はありませんでした。アルムナイもまだ立ち上がっていませんでしたね。コンサルティング業界は、人材流動性が高く再入社が慣行的に行われている業界であることと、KCが2014年設立の若い会社で中途入社社員が多いことから、「戻ってきてね」と言いやすい風土は自然とあったのだと思います。

現役社員との関わりが再入社を後押し

ー 働き方を理由に退職された戸田さんが、再入社を決めたきっかけは何だったのでしょうか。

戸田:

退職後も、元上司とは定期的に連絡を取り合っており、都度刺激を受けていました。特に、2021年にビジネスイノベーション部門という組織が新設されたと聞いた時には、まさに私がやってみたかったことだ!と羨ましくなりましたね。

吉田:

ビジネスイノベーション部門の設立は、コンサルティングファームとしてこれまでにない新しいチャレンジでしたので、その設立に込められた想いやミッションについては、アルムナイコミュニティに向けて丁寧に説明させていただきました。

戸田:

他のコンサルティングファームでコンサルタントとして仕事をしながら、KCの元同僚が価値あるプロジェクトに取り組まれている姿を「楽しそうだなぁ」と思いながら半年ほど横目で見ているうちに、再入社が頭をよぎるようになりました。KCの変化をリアルタイムにキャッチできていたことが、再入社を考えるきっかけになったのだと思います。

ー 働き方の不安は解決されたのですか?

戸田:

週5で大阪から東京へ出張すると思うと、そこからさらに半年は悩みました。

ただ大阪オフィスの規模拡大に伴い、西日本エリアの案件が増えてきたことがとてもラッキーでした。さらに、リモートワークも定着し、働く場所もフレキシブルになってきたので、出張はたまにありますが、基本的には大阪で仕事をすることができています。

吉田:

KCでは、働く場所や時間の制約を取り払うだけでなく、兼業制度や長期特別休暇制度の導入からカルチャー醸成まで、プロフェッショナルが長期にわたって安心して働けるためのさまざまな制度・施策を整備してきました。

働き方の不都合さを理由に、過去に泣く泣く退職された方に向けては、いまの柔軟な働き方をしっかり伝えていかないといけませんね。

ー 島田さんの再入社のきっかけもお聞かせください。

島田:

事業会社でさまざまな経験をした上で、改めてコンサルタントとしてもっと成長したいと思ったことが再入社した理由です。ちょうどその頃に友人が退職した会社に再入社したことをSNSで知り、「戻る」という選択肢があることを意識し始めました。

そのタイミングでKCのアルムナイが立ち上がったので、「よし、ホームに帰ろう!」と再入社の意思を固めた、という経緯です。

元上司に電話をかけ、再入社の意向を伝えたら「ベリーウェルカム」と歓迎していただけました。書類・面接という選考過程を経ますが、不安はなかったですね。

吉田:

嬉しいですね。アルムナイの立上げは2021年とまだ比較的最近なのですが、同時に再入社も制度として正式に導入され、「Welcome back制度」という名前が付けられています。

「ベリーウェルカム」って声かけてくれた上司の方、最高ですね(笑)

島田:

KCに戻ってみたところ、再入社した方が想像していたよりも多くてびっくりしました。

吉田:

そうなんですよ。ありがたいことに、アルムナイを立ち上げてから、半年で20名ほどの方が再入社されました。こんなに反響があるとは思っておらず、私自身とっても驚いています!島田さんのように直接元上司にコンタクトされる方や、アルムナイ事務局宛にメールをくださる方などさまざまです。

ー お二人とも、退職後も社員の方との交流があったのですね。

島田:

社会人歴の中で一番腹を割って話ができる仲間ができたのはKCだったので、個人的に飲みに行ったり、仕事でつながったり、テニスをしたりと、退職後も交流は維持していました。新卒で入ったのは伝統的な日本企業だったので、今は変わっているのかもしれませんが、当時は退職した人は敷居を跨げない雰囲気がありました。

戸田:

私も東京に帰る際にお茶をしたり、大阪に遊びに来てもらったりと、元同僚たちともコミュニケーションをとっていました。ほとんどの方が現在も在職中の社員です。実は島田さんともSNSでコメントなどをやりとりしていました。島田さんが戻られたこともSNSで知っていたので、再入社の後押しになりました。

アルムナイコミュニティで「会社の変化」「いまの会社」を知る

ー アルムナイコミュニティも活用されていたのでしょうか?

戸田:

やはり動向は気になっていたので、定期的に会社情報を得られるコミュニティはありがたかったです。

再入社にあたっては、アルムナイとの交流会が今回の再入社の後押しになりました。交流会には宮原社長や社員の方々も参加され、私は退職者であるにも関わらず、経営トップの方から制度を整えたことやフランクな話を聞くことができ、「懐かしいな」「また一緒に働きたいな」という思いが強くなりました。

島田:

私もアルムナイのサイトでKCの変化を感じたり、「面白そうなことやっているな〜」と思ったりしていました。思い出すと意欲を掻き立てられるんですよね。個人的にはプロジェクトの紹介記事がグッときました。

戸田:

定期的な投稿が、過去を思い出すきっかけになりますよね。

吉田:

読んでくださった方の生の声が聞けて、アルムナイ事務局としては嬉しいです(笑)。

アルムナイには、再入社を考えている方もいれば、現在の仕事を頑張っている方など、さまざまな理由で登録いただいているという状況です。

それぞれ聞きたい話が違うと思うので、幅広く情報を集めて伝えることを意識したコンテンツの作成を心掛けています。

ー 実際に再入社されていかがですか?

島田:

「おかえり」という感じで温かく迎え入れてもらえました。仕事面では変化のキャッチアップに苦労する時もありますが、メンバーのおかげで苦痛ではなかったです。

ベンチャー的な組織だった事業会社で培った、プロジェクトの推進力、調整力、交渉力やマネジメント力などが活かせていると感じます。今後は、前職時代の経験を活かしてマーケティング系のプロジェクトにも携わりたいと考えているところです。

戸田:

私もウェルカムな雰囲気でした。

KC退職後に勤めていた別のコンサルティングファームで培ったDXの知見や、リモートワーク下でのチームワーク作りなど、持ち帰ってこられたものもあると感じています。

第二新卒で入社し育ててもらった会社なので、また働けることは純粋に嬉しいです。恩返ししたいなとも思います。

吉田:

お二人ともキャリアが掛け算されていて素晴らしいですね。

アルムナイ事務局では、「社員にとって、KCがキャリアのホームベースや拠り所となる場所にしていきたい」と考えています。例えば、KCではできないさまざまな経験を他社で積んだ上で、どこかで腰を据えて仕事をするとなった時に、KCを選んでいただくイメージです。お二人がまさに実践してくださっていますので、とても嬉しいです。

人生100年時代と言われる中、色々な場所で新しい経験とナレッジをインプットして、プロフェッショナルとして常に前に前に全速力で走り続けることが求められることがしんどく感じるときもあると思います。当然手を抜いていいということではなく、失敗しても許容されるから新しいことにどんどんチャレンジできる、気持ちよく呼吸しながら働ける懐の広さみたいなものをKCに感じています。

ー 今後のキャリアプランはどうお考えですか?

戸田:

私は「裁量を持って自由に働けて、やりたいことの実現に向けた土台作りができる環境」という条件を求めているので、会社員としてはKCがベストだと考えています。コンサルティングファームは「1から9」や「9から10」の仕事が多いですが、現在所属するビジネスイノベーションユニットでは「0から1」で新しいものを培う力を鍛えてもらっていますね。

島田:

私は回遊魚のように色々なことに取り組みたい性格なので、プロジェクト単位で色々な仕事ができるコンサルタントという職種が自分に合っているようです。その上で、働きやすさの点でKCはとても居心地が良いです。安心感のある中でやんちゃができます。悪いところが見当たらないですね(笑)。

吉田:

そこはしっかり見つけてください(笑)
KCに戻ってきてくださった方の意見は貴重なので、他社でいいなと感じた施策や取組みは、KCとしても取り入れていきたいです。

アルムナイの仲間として

ー 最後に、アルムナイコミュニティの皆さんにメッセージをお願いします。

戸田:

再入社制度やアルムナイの存在は、自分の可能性に挑戦することを後押ししてくれると思います。KCは心強いサポートをしてくれますし、アルムナイに登録する360名(※)の仲間もいます。一度きりの人生を悔いなくやりましょう!

※2023年1月現在

島田:

現職を退職するか否か、そしてKCへ再入社するか否か、悩んだり迷いがある方は、アルムナイのダイレクトメッセージでお気軽に連絡をいただきたいと思います。

加えて、アルムナイの名簿を眺めるだけでいい刺激になりますよ。

吉田:

カルチャーフィットしている、オンボーディングもスムーズ、パフォーマンスの予測ができる、採用コストが抑えられるなど、人事の立場からするとアルムナイの再入社はとてもメリットがあります。

一方で、人を大切にするNo.1コンサルティングファームとしては、一人ひとりのキャリアが叶えられる環境でないと意味がありません。社員個人にとっては、再入社も単なる一つの選択肢に過ぎませんし、KCに集った仲間が退職後もそれぞれの場所で生き生きといられるように、アルムナイコミュニティが微力ながら助けになれば嬉しいです。

これからも人事制度を常に進化させていき、理想に向かっていきたいと思います。

お二人のお話でアルムナイ活動にますますモチベーションが上がりました!

人を大切にするカルチャーが経営層から現場まで浸透し、アルムナイにまで及んでいる点が印象的でした。アルムナイコミュニティを活用するヒントも教えていただき、ありがとうございました!

(※ご登録はKPMGコンサルティングのアルムナイ専用です)