機電領域のエンジニア派遣・請負事業を展開する株式会社ビーネックステクノロジーズは、従業員の派遣先への移籍を積極的に後押し、移籍後も「お互いを応援し合える関係」を目指しています。人材派遣業界では「採用・育成したエンジニアが減少する」というイメージから、移籍を前向きに推し進める企業は多くありません。
ここでは、株式会社ビーネックステクノロジーズを卒業された人々が、どんな経験を積んできたのか、そして移籍後の新たなフィールドでどのように活躍されているのかを紹介します。
現在、アルプスアルパイン株式会社に勤める佐々木清光さんは、ビーネックステクノロジーズから、就業先企業への移籍を選んだ一人です。
就業先での仕事ぶりが評価され、移籍を決めました。
ー これまでのご経歴を教えてください。
もともと、地元・岩手県で電子部品関連の仕事をしていました。
その後、他の企業で臨時職員として勤務したり、派遣社員として大手自動車メーカーの工場で働いたりと、いくつかの企業を経て2016年にビーネックステクノロジーズに入社しました。
数ヶ月間、半導体製造装置メーカーで働いた後、現在所属しているアルプスアルパインで就業することになりました。
ー アルプスアルパインではどのような仕事をされていますか。
派遣されていた当時は、スマートフォン用カメラ部品の生産設備の製造に携わりました。
主な業務は製造装置のユニットの組立、配線・配管、調整、立ち上げ、設備の輸出関連などです。そのほか、新任メンバーの受け入れや教育、自社以外も含む派遣社員全体のとりまとめなども担当しました。
社員になった現在は、これまでやってきたことに加えて、全体の工程をチェックしています。将来的には図面のチェックや、設計のツールも使えるようになりたいと考えています。
ー 移籍することになったきっかけについて教えてください。
マネージャーから「社員になりませんか?」とお声がけいただいたことがきっかけです。
電子部品に関する技術や経験があったことも評価いただけたのかもしれませんが、派遣社員のマネジメントに関わっていたことが一番大きかったと思います。
私は、今の製造技術部門で最初の派遣社員でした。
そこから毎月、コンスタントに派遣社員が入り、それなりの人数になった時もあります。その中で新しく配属された派遣社員の受け入れを担当していました。
まずは名前と顔をいち早く覚える、その人の仕事ぶりを観察しながら声をかけるなどを繰り返すことで、周囲から頼ってもらう機会が増えました。結果として自然とチームリーダーとしての立場に立っていたんだろうと思います。
そういった背景からか、移籍を打診された当初は技術職ではなく、設計などを行う企画職を提案していただきました。最終的には自分の強みや経験を踏まえて技術職として採用していただきました。
ー ご自身のお仕事で心がけていることは何ですか?
「自分ができることを誰にも負けずにやる」ことです。
自分の仕事は基本的に六角レンチを握って作業することですが、やってること自体はシンプルでも、誰にも負けないくらい一生懸命取り組むことをモットーにしています。
チーム内のコミュニケーションも大切にしています。おしゃべりが好きなので(笑)、この人と話すスキルを生かして、若手社員とベテラン社員・マネージャーの間に立つことを意識しています。
若手社員が先輩社員に言えないことを間に入って伝えたり、どう伝えたらいいか迷っているときにアドバイスしたり。自分がクッション材のような役割を果たそうと常に心がけています。
ー 移籍してから変化したことはありますか?
社員になって、責任感がよりいっそう強くなりました。人材育成や作業効率の向上、生産する設備の品質など、一つひとつの仕事をよりよくできないか常に考えて行動しています。例えば、新人教育では社員になったタイミングで一度資料を刷新して、よりわかりやすく伝えられるようにしました。人手が不足したときには現在の人員でいかに効率的に生産できるかを考えて分担しています。その他、設備を輸出する時には「自分が日本から送る設備ユニットは見本である」という意識をもって作るようにしています。
ー ビーネックステクノロジーズの現役社員向けに一言をお願いします。
自分の強みといえるものは、誰にでも絶対にあります。私自身、何か特別なスキルを持っていた訳ではありませんでしたが、コミュニケーション能力だけはあると思っていました。
そのスキルをマネジメントに生かせたことで、評価してもらえたと感じます。もし壁にぶつかっても、もう一度、強みを思い出し、自分を信じて頑張ってほしいです。