立ち上げから約8カ月。すでに登録者数は500名を超え、さらなる広がりを見せ続ける味の素株式会社(以下、味の素社)のアルムナイコミュニティが、プラットフォームのリニューアルをしました。
新たなプラットフォームでの再出発を決めた理由や、このコミュニティが目指す世界、そこに込められた想いなど、事務局の平野さん・山崎さん・田中さんに伺いました。
登録者数は半年間で500名。
“味の素愛”がたっぷり詰まったアルムナイコミュニティの発足
── まずは、アルムナイに関する取り組みをはじめた背景をお聞かせください。
当社は「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献します。」という“志(パーパス)”に共感する社内外の多様な「個人」が集い、「組織」がその多様な個の強みを活かして共成長することでイノベーションを創出し、未来に向けて継続的にASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value:事業を通じた社会価値と経済価値の共創)を実現することを目指しています。そして、当社の目指す、ありたい姿の実現に向けて「多様性」「挑戦」「Well-being」「志」の4つの軸と「つなげる」というキーワードの下、人財戦略を実行しています。
そういったつながりにおいては当社のアルムナイも大切な存在です。
「社員であるかないかにかかわらず、味の素社の志に共感している多くの方とつながり合う世界を創りたい…」
そんな想いから、アルムナイに関する取り組みをはじめました。
── 取り組みをはじめたときの社内の反応はいかがでしたか?
「アルムナイの取り組み」と聞くとどうしても「アルムナイ採用」のイメージが強くなりがちですが、我々としてはそこにこだわっているわけではなかったため、どこかにその目的を問う雰囲気はあったように感じます。
そこで「では何のために?」と考えたときに、やはり行きつくところは、ひとつの志をもって生まれる「つながり合う世界」。これは確かな軸として揺るがないものでした。
であればまずはやってみて、その先に生まれる何かに期待をしてみよう!と、最終的にはこの目的を社内の共通認識とすることができました。
── あらためて目指すところを明確にしながら、スタートラインに立ったのですね。具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか。
ビジネスコミュニケーションプラットフォームを利用して、アルムナイコミュニティを立ち上げました。多くの方がポジティブに反応してくださり、立ち上げから半年で500名を超えるアルムナイに登録いただきました。我々が発信する情報に対してリアクションやコメントをくださるのはもちろん、現在の仕事や在籍当時の話などを熱く語って下さるアルムナイメンバーもいて、みなさん本当に味の素社が好き、そしてその気持ちは今でも変わらないんだな…という印象でした。
── アルムナイのみなさんの“味の素愛”を感じる盛り上がりですね。
そうですね。「好き」という気持ちはもちろん、「会社へ恩返ししたい!」という想いが強い方が多いように感じています。
また、こうした活動をしていることを、これまでの役員の方たちにも書面でお伝えしたところ、1989年に社長を退任された歌田さんから「良い取り組みだね」というお声を頂戴しました。「詳しい取り組み内容を教えて欲しい」とご興味を持ってくださり、本当にうれしかったです。
それから、プラットフォーム内に留まらず、同時並行で取り組んできたこともあります。
一つ目は「キャリフェス」というキャリアのことを考えるイベントで、転職や独立をしたアルムナイにその経緯や現状を語っていただきました。現役社員にとって興味深いテーマですがあまり伺う機会がない内容でしたので、新たな参加者を呼び込んで大きな反響がありました。二つ目は独立をしてセミナーを企画・運営しているアルムナイに現役社員向けの研修を行っていただきました。そのオリジナル研修プログラム「7つの行動原則」はアルムナイが当社在籍時代に経験した生々しい失敗も踏まえたコンテンツのため、受講者から「説得力があった」とのコメントが多数ありました。三つ目はクラフトビール会社へ転職したアルムナイと当社ECサイト「GOOOD GOOOD TABLE」で、クラフトビール「シュマッツ ヴァイツェン」と当社製品「休日だし。®」使用メニューのコラボレーション企画を発信しました。この企画に対して人事部は関わっておらず、当事者間で現役時代の関係をもとに自発的に検討して取組みが開始されました。
プラットフォームのリニューアルへ。
こだわったのは“マルチ方向”のコミュニケーション
── 今回、アルムナイコミュニティのプラットフォームをリニューアルされました。その理由や背景をお聞かせいただけますか。
これまで利用していたプラットフォームでは、私たちが真に目指す世界を創ることが難しかったというのが大きな理由です。
アルムナイコミュニティを立ち上げたときに描いていた“つながり合う世界”。この世界を実現させるうえで大切なのは、一方的な情報発信ではなく“双方向”さらに“マルチ方向”のコミュニケーションです。
ですが従来のプラットフォームは、こちらから発信する情報を見てくださる方は多いものの、個別のコミュニケーションがとりづらかったり、誰もが気軽に投稿できるような仕組みではなかったりと、理想とするコミュニケーションが形にできなかったんですね。
やはり本当の意味での“つながり”を考えたときに、まずはアルムナイ同士、そしてアルムナイと事務局とが互いに交流を図り合える場が不可欠であると考え、プラットフォームのリニューアルを決めました。
── リニューアルによって、より理想的なコミュニティに近づけたのですね。新しい「味の素アルムナイコミュニティ」を、どのような場にしていきたいですか?
まずは、アルムナイ同士のコミュニケーション活性化を目指し、さまざまな取り組みをしていきたいと考えています。
たとえば、これまで叶わなかったアルムナイ同士の個別のコミュニケーションをはじめ、共通のテーマや専門性を持つ方たちによるグループ交流などもおもしろい取り組みになるのではないでしょうか。
そして、多様な知識やスキルを持つアルムナイ同士の化学反応を通じて、さらなるつながりのきっかけやビジネス連携などが生まれればうれしいですね。
またゆくゆくは、現役社員との交流を通じて、新たな価値創造への展開も視野に入れていきたいと思っています。
一方で、味の素社を離れた後も会社の動向が気になり、そして新たな取組みについては温かく見守り続けたいというスタンスの方もいらっしゃいます。そのような方にも「つながり合う世界」の一員としてつながり続けていただければと願っております。
── 可能性はますます広がりますね!
はい。だからこそ、アルムナイの皆さんにはどんどんこのコミュニティを活用していただきたいです。「昔お世話になったあの人、どうしてるかな」「ひさしぶりにあの人に連絡してみようかな」と、ふと味の素社で働いていたときのことを思い出す瞬間はきっとあるはず。
そんなときにはぜひこのコミュニティを使って、たくさんのアルムナイメンバーとつながっていって欲しいです。
目指すのは、誰もがフランクに“対話”できる場所
── ではあらためて、今後のアルムナイコミュニティへの意気込みをお聞かせください。
オフラインでの交流も含め、どんなことができるだろう…?と、楽しみながら新しいプラットフォームを活用していこうと思っています。とはいえ、私たち事務局メンバーだけではその発想にも限界があるかもしれません。ここはぜひアルムナイメンバーの方々にサポーターとなっていただき、アイデア出しにお力添えいただければうれしいです。自由な発想でこのコミュニティの発展に向けてチャレンジしてくださる方、若い方も含め幅広い世代の方のサポートをお待ちしています!
── 最後に、アルムナイメンバーの方へメッセージをお願いします!
味の素社は、伝統的に味の素愛が強い人財が多く、昼も夜も熱い対話を通じて、個人と組織の共成長を実現してきた会社です。このアルムナイコミュニティもそんな味の素社らしく、幅広い世代の方々が集まり、気軽に・楽しく・前向きに対話ができる場所へと生まれ変わります。ぜひ気軽にコミュニケーションを楽しんでいただきたいです。皆さんのご参加をお待ちしております!