
ウエディング事業を中心に宴集会場・レストラン事業等を展開する株式会社八芳園は2023年2月1日にアルムナイネットワークを立ち上げました。“生涯式場”を掲げる同社は、お客様だけでなく社員に対しても同様に生涯にわたる関係性を持ち、お互いに助け合える関係性の構築を目指しています。
そうした取り組みの中で、今回は八芳園を退職後、人材紹介会社でエージェントを経験し、八芳園へ再入社した宮本結菜さんとその採用を担当したアルムナイ事務局の古川恵子さんへインタビューをしました。再入社へ至った経緯や入社に至るまでの互いの想いについてお聞きしました。
※過去、八芳園に在籍していた方専用のネットワークです
八芳園アルムナイネットワークの取り組み
ーー八芳園アルムナイネットワークのこれまでの取り組みについて教えてください。
古川:当社は数年前より、メイン事業であるブライダル以外にも、企業向けイベントや自治体ビジネスなど事業領域の拡大し、事業ポートフォリオの転換に取り組んでいます。それに伴い、当社がこれまで大切にしてきたホスピタリティマインドを持ち、なおかつ社内にはない知見や視点を持つアルムナイとの関係構築を始めました。

ーー具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか。
古川:ネットワーク内では当社の最新情報を発信したり、アルムナイの現在のキャリア情報を発信したり、時にはアルムナイから自社の宣伝や再会の報告をいただくなど、双方向にコミュニケーションができる場として運営しています。そのような取り組みの中で、2024年1月にオンラインで小規模な交流会を開催しました。参加者の一人だった宮本さんには、その交流会をきっかけに再入社いただきました。
外の世界を知るために転職を決意
ーー宮本さんの八芳園での経歴を教えてください。
宮本:2017年に新卒で八芳園に入社しました。最初の配属先はレストランで、ホールスタッフとして2年弱、接客全般を経験しました。その後、当時運営をしていた別のレストランに異動となり、そこでも接客業務に従事しました。
私はブライダルの専門学校出身ということもあり初めからウェディングプランナーを希望していましたが、振り返るとレストラン配属だったからこそ、多くの方と関わり、社内の人脈を広げることができたと感じています。
レストランは婚礼を終えたお客様や一般企業の宴席後のお客様、一般のお客様など、様々な方が利用される場所です。そのため、他の部署のスタッフと関わる機会がたくさんありました。
入社3年目の9月には婚礼課に異動となり、結婚式を検討されているお客様の接客から成約までを担当する新規接客の業務に約1年間携わりました。その後は、打ち合わせ担当に異動となり、成約されたお客様の結婚式当日までのお打ち合わせを担当しました。

ーーその後、どのような理由で退職に至ったのでしょうか。
宮本:専門学校時代からずっとブライダル業界にいたので、外の世界のことを全く知らない状態でした。ウェディングプランナーの仕事も大好きで充実した日々を送っていましたが、漠然と外の世界を見てみたいという気持ちが芽生え始めていました。周りの友人たちも転職を意識し始める時期だったこともあり、ガラッと環境を変えてみるのも良いのではと考え、転職活動を始めました。
とはいえ、当初はやりたい仕事や特定の業界に興味があったわけではなかったので、転職エージェントと面談するところから始めたのですが、話していくうちに転職エージェント自体に興味を持つようになりました。
転職エージェントの仕事は、お客様の希望をヒアリングし、その希望を叶えるために一緒に計画を立て、入社までをサポートするという点で、ウェディングプランナーの仕事と進め方が似ているんです。また、人材業界では様々な業界の方と関わるため、外の世界を知りたかった私にとって、業界知識を深めることができるという点も魅力を感じました。最終的には、人材業界に絞って転職活動を行い、転職エージェントのキャリアアドバイザー職として、人材紹介会社に転職しました。
ーー人材紹介会社では、どのような仕事をされていたのでしょうか?
宮本:転職希望者の方と面談を行い、求人のマッチング、面接の日程調整、面接対策、入社までのサポート、入社後のフォローなどを一貫して行いました。様々な業界の方と関わる中で、業界知識を深めることができましたし、数字目標に対する意識も高まりました。ウェディングプランナー時代は定性的な顧客満足度を重視していましたが、人材紹介会社では定量的な数字目標が重視される環境でした。八芳園時代とは全く異なる経験をすることができたことは、良い経験になりました。
転職を考える中“気楽に”参加したアルムナイ交流会
ーー八芳園のアルムナイネットワークに参加されたきっかけは何だったのでしょうか?
宮本:八芳園時代の先輩からアルムナイネットワークが始まったという連絡をいただき、参加しました。正直なところ、先輩に誘われたのでとりあえず入ってみようくらいの気持ちでした。
ーーアルムナイネットワークに参加されて、再入社を意識するようになったのでしょうか?
宮本:退職後も、八芳園で働いている方々との繋がりは途切れることなく、定期的に飲みに行ったり、同期の結婚式に参列したりしていました。他社の結婚式場に参列する機会もありますが、私にとって八芳園はやっぱり特別なんです。八芳園の人と会ったり、八芳園に行く度にやっぱり素敵だなと思っていました。
そんな中で、2度目の転職を検討し始めました。エージェントとしてさまざまな業界の企業様のご支援をする中で、改めてブライダル業界の魅力を再認識しました。ちょうどその頃に八芳園アルムナイの交流会があり、「なんか楽しそう!」と気軽な気持ちで参加しました。事務局や八芳園アルムナイと交流する中で懐かしさを感じたり、直近の事業変化をお聞きする中で、八芳園への再入社を意識するようになり、事務局の川﨑さんと古川さんに、一度カジュアルに相談させてもらえないかとご連絡しました。
ーー選考に進む前に事務局に相談されたのですね。
宮本:事務局の川﨑さんと古川さんと直接お会いして、お食事をしながらざっくばらんにお話しました。転職を考えている中で考えた結果、「八芳園に戻りたいと思っている」とかなり赤裸々に相談しました。
ーー古川さんは宮本さんから相談いただき、どのような想いだったのでしょうか。
古川:外に出て他社を知ったうえでまた戻りたいと思ってくれているわけですから、率直に嬉しかったです。正直なところ、宮本さんと話すと決まった時には、提示できる具体的なポジションがあったわけではありませんでした。ただ、採用を拡大する方針はあったため今後提示できるポジションが出てくるような状況だったことと、宮本さんであれば再入社しても活躍いただけるだろうという想いから、まずはお話を聞くことにしました。
ーー結果的には、経営管理部の古川さんのメンバーとして採用業務に携わるポジションになったのですよね。
宮本:その通りです。中途採用をメインとしたポジションをご提示いただきました。私が以前八芳園に所属していた部署は現場に近かったため、全く異なるチャレンジとなりました。不安な気持ちも少しありましたが、人材業界での経験を活かせるポジションであり、また、エージェント時代から興味のあった採用担当を務められる点で、大変魅力的でした。
加えて、現在はアルムナイ事務局も務めています。元アルムナイとしての視点を活かして、アルムナイのみなさんとより良い関係性を築いていきたいです。

納得感を持てたのは相談できる関係性があったから
ーー再入社希望者を選考する側として、意識したことは何かありましたか?
古川:再入社を受け入れるからには事前に直近の当社の情報を提供するなど、宮本さんとすり合わせを行うことは意識しました。お互いにとってポジティブな再入社にするためには、受け入れる企業側もアルムナイの退職理由を現在はしっかり解消していることを示す必要がありますし、再入社するアルムナイ側も退職後の経験を還元することが求められます。決して、再入社だけを目的にした制度ではないことから、役員も含めた面接を実施してもらうことを事前に伝えたうえで、選考に進んでいただきました。
宮本:選考前にかなり丁寧に説明いただいたので、私としても覚悟を決めて選考に進むことができました。再入社するかどうかもわからないアルムナイにもしっかりと向き合ってくださったことで、たとえ再入社に至らずとも、私はずっと八芳園のファンであることに変わりないと思うようになったのです。選考前から相談できる関係性があったからこそ納得感を持って選考に臨めました。
ーー選考前に人事側と密にコミュニケーションができるのはアルムナイならではですね。再入社後、ギャップを感じることはありましたか?
宮本:入社前から、私が在籍していた時と社内の雰囲気や事業内容が大きく変わっていることは教えていただいていましたので、ネガティブな意味でのギャップは特にありませんでした。
一方で、会社の変化を実感する機会は何度もありました。ちょうど私が退職した後くらいからスペシャリスト採用が活発に行われており、これまでの八芳園にはいなかったタイプの社員が活躍していたり、在籍時にはなかった部署ができていたりと、事業の拡大・多角化に注力していることを改めて実感しました。
ーー最後に、アルムナイ事務局として八芳園アルムナイネットワークの今後の展望を教えてください。
宮本:アルムナイネットワークに参加されている方は、八芳園に対してポジティブな気持ちを持っていてくれていると思います。そういったアルムナイのみなさんがこれからもずっと八芳園のファンでいてくれるような取り組みを実施していきたいです。
また、私は今回再入社という形で八芳園に帰ってきましたが、繋がり方は人それぞれだと思っています。みなさんの心地よい距離感で八芳園との関係性を維持できる場所になれば、嬉しく思います。
※過去、八芳園に在籍していた方専用のネットワークです