コスモスイニシアが描く、卒業生との絆――50周年を機に、新たなステージへ

コスモスイニシア代表取締役社長 髙智 亮大朗氏

創業50周年を機に、数々の困難を共に乗り越えてきた卒業生との絆をさらに深めるため、コスモスイニシアはOB・OGコミュニティ「コスモス会」をリニューアルしました。
リニューアルの背景と展望について、コスモスイニシア代表取締役社長の髙智 亮大朗氏に伺いました。

※コスモス会は株式会社コスモスイニシア・株式会社リクルートコスモス・環境開発株式会社に従業員(派遣・受入出向・業務委託・短期アルバイトを除く)として在籍されていた方専用のネットワークです

企業存続の危機に面して、ますます深まったOB・OGとのつながり

——これまでの卒業生との関係性についてお聞かせください。

実は、こういったコミュニティを立ち上げる前から、卒業生との繋がりは強く、交流や情報交換が積極的に行われていました。

そのような状況でありつつも、よりつながりを深めようとしたきっかけは、2008年のリーマンショックでした。私たちも自助努力のため人員整理を余儀なくされ、事業再生ADR手続きのときには社員が半分になる経験までしました。会社の業績が悪化し、どうしようもない状況ではありましたが、仲間を見送るのは、本当に不本意でした。
ただ、当時は会社に残っても明日が保証されているわけではなかったので、逆に退職する社員たちからは、「髙智さん、大丈夫ですか?」と心配の声をいただくこともありました。そうやって会社のこと・残った社員のことを心配しながら離れていった卒業生たちに、会社として「いま、会社がどうなっているのか」「残った社員も頑張っているよ」ということを発信していこうという考えから、卒業生との繋がり作りを始めました。定期的な発信を続けることで、何かのタイミングで会社のことを思い出してもらいたいと考えたからです。

——OB・OGコミュニティをリニューアルした背景についてお聞かせください。

2024年、コスモスイニシアは創業50周年を迎えました。この節目に、改めて会社の歴史を振り返り、強く認識したのは「卒業生のみなさんがいたからこそ、いま(現在)のコスモスイニシアが築き上げられた」という事実です。

そこで、卒業生のみなさんとの絆をさらに深め、より密なコミュニケーションを取りたいと考え、約10年前に立ち上げたコミュニティのリニューアルに至りました。

これまでも、卒業生のみなさんとの繋がりを大切にしてきましたが、それはまだ十分ではありませんでした。全ての卒業生と繋がることができているわけではありませんでしたし、会社からの一方的な情報発信が中心で、コミュニケーションは不足していたと捉えています。

卒業生のみなさんからは、「最近、こんなことに取り組んでいるんだね」「コスモスイニシアの活躍をいつも見ているよ」など温かい言葉をいただくこともありましたが、その度に、もっとみなさんと深く繋がり、互いに情報交換し、交流を深められる関係性を築きたいと強く感じていました。

実は、「卒業生のみなさんとの関係強化」と「インタラクティブなコミュニケーションの実現」は、私が社長に就任して以来、ずっと実現したいと考えていたことでした。このリニューアルは、その願いを達成するための、まさに第一歩なのです。

会社を卒業しても、コスモスイニシアは卒業しない

——現役社員にとって、OB・OGコミュニティはどのような影響をもたらすと思われますか?

一番大きい影響は、「この会社は卒業後も繋がりを大事にする会社だ」というメッセージになることだと思います。このような取り組みがあることで「辞めたら終わり」ではなく、「卒業しても関係が続いていく」ということが社員全体に伝わるでしょう。

そして、それは会社で働く価値や会社の文化を意識するきっかけにもなり、ひいては社員一人ひとりのキャリア観にも影響を与えるのではないでしょうか。会社を離れても、人と人との関係が終わらないので、より自由なキャリア選択ができるのだと思います。「その安心感があるから、みんなすぐ辞めちゃうんですよ」と言われたこともありますが(笑)。

ただ、私はそれでいいと思っています。今の時代、「会社にしがみついていれば安泰」というわけではないですよね。だからこそ「信頼し合える場所」を作ることが大事だと思っています。一度卒業しても、戻りたいと思った時に、気軽に戻れる環境があることが重要です。

そのため、当社では「一定の条件を満たせば退職後5年以内に復職できる」という制度を設けています。「辞めたら終わり」ではなく「また戻る選択肢もある」と思えることで、より自分に合ったキャリアを選べる環境になっていると思います。

——新しくなったOB・OGコミュニティは、コスモスイニシアにとってどのような意味を持つのでしょうか?

単なる社交の場ではなく、コスモスイニシアの文化そのものだと思っています。当社は、ただの仕事の場ではなく、仲間として繋がりを大切にする会社です。そのため、たとえ退職しても、「ここは自分のふるさとだ」と思ってもらえるような関係を続けていきたいです。

実際に「コスモスイニシアで学んだことが今の自分の基盤になっている」と言ってくれる卒業生も少なくありません。それは、単に仕事のスキルを学んだだけではなく「人との繋がりを大切にする文化」そのものが身についているからだと思います。だからこそ卒業生が会社のDNAを持ったまま外の世界で活躍し、それがまたコスモスイニシアに還ってくるサイクルができれば嬉しいですね。

もちろん、全員が私と同じ考えではないかもしれません。それでも「人とひととの繋がり」が重視されている文化があるので、退職して肩書きが変わったとしても、関係性自体は変わらず続いていくのだと思います。

——卒業生との繋がりに関して、感じている恩恵があれば教えてください。

ビジネス上の目的があって作ったコミュニティではありませんが、結果的に多くのメリットを感じています。コミュニティの中から、不動産案件の紹介があったり、取引が生まれたりすることも少なくありません。

卒業生の中には独立して不動産業を始める方も多く「何か案件があったら、まずはコスモスイニシアに相談してみよう」と思ってくれる方も大勢います。実際、そのような流れで取引につながるケースも多いです。同窓会を開いても、卒業生同士で活発に仕事の情報交換をしていることも多く、それができるのも信頼できる関係性があってのことだと思います。

そういった既に卒業生同士で繋がっている関係性をしっかり可視化するとともに、継続・強化できればいいなというのも狙いです。

より広く、より強く繋がるコスモスイニシアとOB・OGの関係性

——今後、OB・OGコミュニティをどのように発展させていくのでしょうか?

ここまでもお伝えしましたが、既に卒業生との繋がりは一定数ありました。ただし、全ての方と繋がっているわけではありません。

まずは、今まで見えていなかった、コスモスイニシアと卒業生、卒業生同士のご縁が繋がり、より広く、網羅されたネットワークを築ければと考えています。

その上で、これまであったご縁はより強化しつつ、新しい形でみなさんと関わっていければと思っています。

例えば、ビジネス連携が卒業生同士やコスモスイニシアと卒業生との間で生まれたり、短期間のプロジェクトに参加したい方や、子育てがひと段落して「ちょっとアルバイトをしてみたい」と考えている方が、気軽に関われたりするような仕組みがあってもいいかもしれません。大々的な採用活動として実施するつもりはありませんが、自然な形で「またコスモスイニシアに関わることができる場」を提供できたら面白いですね。

「辞めたら終わり」ではなく「関係は続いていく」という企業文化を大切にしながら、これからも卒業生とともに成長していけるコミュニティを築いていきたいと思います。

——最後に、OB・OGのみなさんへのコメントをお願いします

これまでのコスモスイニシアを作ってくれたのは、卒業生のみなさん。みなさんが築いてくださった土台の上に、今のコスモスイニシアがあります。

みなさんが私たちに託してくれたものを、今度は私たちからみなさんにお返ししたい。そのために、「今のコスモスイニシアはこんなに面白いことにチャレンジしているんだ!」と、胸を張って報告できるような、魅力的な会社であり続けたいと思っています。

これからも、コスモスイニシアの活動を少しでも気にかけていただけたら嬉しいです。そして、いつでも気軽に声をかけてください。卒業生のみなさんと共に、これからも歩んでいきたいと思っています。

※コスモス会は株式会社コスモスイニシア・株式会社リクルートコスモス・環境開発株式会社に従業員(派遣・受入出向・業務委託・短期アルバイトを除く)として在籍されていた方専用のネットワークです