※こちらは過去、東光電気工事に在籍していた方専用のネットワークです
送電線事業からスタートし、内線事業、電車線事業、再生可能エネルギー事業、空調・衛生設備事業など社会のニーズと共に拡大してきた、東光電気工事株式会社。その前身は、関東大震災直後の電燈復旧の一翼を担うために設立された東光商會です。
同社はもともと社友会をお持ちですが、社友会の対象にならない方々ともつながり続けたいという想いから、2025年1月よりアルムナイネットワークを始動させることになりました。
発足に至った背景や想い、今後の展望について人事部長の松本さんにお話を伺いました。
退職を機に、縁が切れてしまう寂しさ
ーーまずはアルムナイネットワーク立ち上げの背景についてお聞かせください。
松本さん(以下・松本):ありがたいことに当社にご依頼いただく案件が増えており、業績も伸びています。一方で人手不足が顕著になり、それを補うために採用を強化しています。その一環で即戦力として、カムバック採用をしようということになりました。過去にもカムバックレターを送ったことはあるのですが、リアクションがほとんどなく、寂しい結果で終わってしまいました。こちらの都合だけで、退職者との関係性を作っていくことには限界があることを痛感しました。
そのような中で、ハッカズークさんのセミナーに参加し、退職者と当社との関係を見直したいと考えるようになりました。定期的に接点を持ち、ゆるく繋がり続けられる環境を作ることで当社にずっと興味を持ち続けていてもらえれば、カムバックレターのような施策も違う結果になっていたのではないかと思っています。そこでアルムナイネットワークを立ち上げることにしました。
ーーカムバックレターの経験から、退職者の方との関係を見直されたのですね。ちなみにこれまでは、アルムナイ採用のご実績はなかった、ということなのでしょうか。
松本:自発的に戻ってきてくださった方は、過去に1〜2名いらっしゃいました。
また当社ならではですが、ある建物の大規模な改修工事の際に、その建物の建設に携わっていた退職者の方にアドバイザーとして入っていただいた、というユニークな事例はあります。
しかしこれまでは個人的なつながりに閉じてしまっていたという感覚なので、今回はオフィシャルに関係を作っていきたいと思っています。
ーー御社の場合、社友会である「あづま会」が御社と退職者の方と密な繋がりを作っているとお見受けしていたのですが、その辺りはいかがですか。
松本:そうですね。あづま会は、年に1回全体の懇親会を開催しています。昨年は創立100周年ということもあり、約90名の方にお集まりいただきました。また地域ごとに懇親会を開催したり、現役社員とのBBQ大会を開催したりしています。ただ入会できる条件が設けられているため、誰でも入れるわけではないのです。今回は、あづま会の方はもちろん、あづま会に入会されていない方にも参加いただきたいと思っています。
当社の現状と「変わりつつある」ということを知ってほしい
ーーアルムナイネットワークに対して、まずどんなことをしていきたいですか。
松本:退職されてしまった方に、今の東光電気工事の姿を伝えたいですね。
以前は、退職理由の上位が「労働環境」でした。建設業だから仕方がない部分もありますが、他業界の会社と比較して休日が少ない・残業が多かったんですね。そのため当社を退職して、他の業界や、同じ業界でも労働環境が比較的良いとされているゼネコンや設計事務所・保守管理の会社に転職するという方が多かったんです。そういう方にお会いすると「仕事自体は好きだった」「面白い仕事だった」と言われることがありました。
実は当社は今、労働環境の改善に取り組んでおり、その結果、昨年は一昨年比で5日有給取得日数が増えていたり、残業時間も短くなったりしています。他の業界と比べるとまだまだな部分もあるかもしれないですが、これからも労働環境を改善し続けていきたいと思っています。このような取り組みや現状を知っていただき、当社に戻るということをキャリアの選択肢に入れていただきたいですね。
このように全社を挙げて労働環境の改善に取り組む中で、アルムナイの方のお力もお借りしたいと考えています。再入社はもちろんですが、「フルタイムでは働けないけど週2〜3日なら大丈夫」とか、「短時間勤務なら働ける」という方もいらっしゃると思うんですね。これまでも定年なので仕方なく退職したけどまだまだ働きたい、社会の役に立ちたいというお声をいただくことがありました。当社としては、そのような方々を契約社員などとして業務を限定的にお願いすることを考えています。テレワークのみで実施いただくのも良いかもしれないですね。人材不足を解消しつつ、社員が休みを取りやすくなると思うので、良い取り組みになるのではないかと思っています。
ーー今の時代の流れにも合っていそうですね。しかも、御社のことを理解してくださっているアルムナイの方だと、さらに心強いですね。
松本:実は周りに相談した時も、みんな同じような考えでいてくれました。アルムナイの力を借りるには仕事を分解できないと頼めないと思うので、そこが実現にあたっての難所だと思っています。
アルムナイとのコラボレーションを実現するために
ーー労働環境の改革にあたって、社内の制度や仕組みを変えていくことも検討されているのでしょうか。
松本:制度というより、現場の仕事の仕組みを変えようとしています。今まで、現場に入ったら、基本的には一人で全部やるというような仕事の進め方をしていました。何でも自分でやって1人で現場を完結させるという感じで、フルマラソンを走り切るようなイメージです。その従来の進め方から、リレー形式に分業的に仕事を進めていこうとしています。例えば、技術系の仕事で入っていても、約半分ぐらいは資料作成などの事務的な仕事があったりするんです。そういうところは事務担当の方や事務が得意な方に切り出せないかと考えています。そうすることで、技術職の方であればその業務に集中できますし、事務作業が苦手な方の心理的負担も減ると思うんです。また、建設現場ならではのコミュニケーションが苦手な方もいると思うのですが、分業ができるようになるとそうした方に求められるものも変わります。そのような分業と適材適所の取り組みを全社で行おうと考えています。その結果、アルムナイの方に戻ってきていただいたり、お力添えいただける場面が増えてくるのではないかと思います。
ーー全社的に変えていくとなると、ほんの数年前に退職された方であっても、全く別の会社だと思うぐらいの変化なのではないですか。
松本:そうかもしれないですね。だからこそ、アルムナイネットワークを通じた発信で、どんどん今の当社を知っていただきたいです。もちろん、社内にもアルムナイの意義やそこから生まれた成功体験を共有したりしながら賛同者を増やしていきたいです。
今考えているアルムナイとの共創を実現していくとなると、慣れている仕事のやり方を変えることにもなるので、反対する方や懐疑的に思う方もいらっしゃると思います。また、「流行りのものを入れれば良いというわけではない」という方もいらっしゃるのが現実です。一方で、こうやって変わっていかないとうちの会社もダメだよね、と思ってくださる方もいます。そのような方々を社内で徐々に増やしながら、より働きやすい会社に変わっていきたいと思っています。
いつもいつまでもオール東光!
ーー他にアルムナイコミュニティに期待していることはありますか。
松本:退職者のうち若い世代は、地元に帰った方や今は当社に戻ってくるつもりはない、という方も多いと思います。そのような方には、当社からの発信を通じて興味を持ち続けていただきたいと思っています。そして、時には今のご自身の状況であったり、地域の話などの情報を共有していただき、ゆるく繋がっていただきたいです。
また、協業もできると理想ですね。例えば、当社で再生可能エネルギーの事業をこうしていきたい、というような発信をした時に、「こんな情報ありますよ」「このような人を紹介できますよ」というような情報をいただけたり、ビジネスに繋がったら良いですね。
他にも、年に1回はオフラインのイベントを開催して、お互いに近況報告をしあい、そこからアルムナイ同士で化学反応的にビジネスが出来上がるとか、面白そうですね。
でもまずは本当に、単純に当社のファンです!という方々を増やしたいです。
ーー他に、考えていることはありますか。
松本:地域別に集まったり、世代や職種を分けて小規模で集まるというのも良いかもしれません。ぜひこの辺りは、アルムナイに参加いただいた方にもご意見を伺いたいですね。
ーー最後にアルムナイの方に向けて、メッセージをお願いします。
松本:当社に関わってくださった皆様には、東光電気工事のことを好きでい続けていただきたいですし、興味を持ち続けていただきたいです。まずは、このアルムナイネットワークでゆるく繋がっていただけたらと思います。私たちとしては、自然と集まっていただけるような場にしていきたいです。そしてその結果、何らかの形でまたお仕事ができると、私としては大変嬉しく思います。
ぜひ、アルムナイネットワークにご参加ください!
※こちらは過去、東光電気工事に在籍していた方専用のネットワークです