2019年は「アルムナイ(企業の卒業生)」への注目度がグッと高まった1年でした。
大手総合商社の住友商事や、メガバンクのみずほ銀行のアルムナイに関する取り組みがニュースとなったり、大手化学メーカーのクラレがアルムナイとのネットワーク構築についてプレスリリースを出したりと、アルムナイとの関係構築を始める企業が増加。それに伴い、「アルムナイ」というコンセプトがニュースで取り上げられる機会もたくさんありました。
アルムナビでも、2019年はアルムナイに関する意識調査を行なったり、アルムナイとのネットワークを築く先進企業へインタビューをしたりと、さまざまな記事を公開してきました!
そこで今回は、2019年に公開した記事の中から「経営者・人事向け」の記事TOP5をご紹介!
2019年は、経団連会長やトヨタ自動車社長が「終身雇用を守るのは難しい」と明言し、いよいよ「1社に一生勤める時代」の終わりが見えた1年でもありました。転職する人が増えるということは、自社のアルムナイも増えるということ。2020年以降はますます「アルムナイ」への注目度が高まることが予想されます。
各企業が何を目的に、どんなプロセスでアルムナイに関する取り組みをはじめ、具体的に何を行なっているのか。これから先、自社がアルムナイとどう付き合っていくのかを考える上で、参考にしていただけますと幸いです!
第5位:悪評、他の社員の退職、慰謝料、降格…… 退職時の不誠実な対応は超リスク! 今こそ考えたい、自社にプラスになる「社員の送り出し方」
アルムナイと良い関係で居続けるために重要なのが、「個人の辞め方/会社の送り出し方」。
退職経験者の声から、「会社側の良い送り出し方」を探った意識調査が5位にランクイン。
退職経験者が、「退職の意思を伝えてから実際に退職するまでの間」の会社の対応で「不快だった」こととして飛び抜けて多く回答が集まったのは、「怒られたり、辞めないように圧力をかけられたりしたから」と「退職の意思を否定されたから」の2つ。
一方で、会社および一緒に働いている人の対応で「嬉しかった」こととして多く回答が集まったのは、「退職の意思を尊重してくれた」、「退職することを残念がってくれた」「退職が決まってからも変わらず接してくれた」の3つでした!
コラムでは、さらに詳しい退職者心理についても取り上げています。
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4位:クラレの「カムバック採用制度」と「退職者とのネットワーク創り」が社員・アルムナイの双方から好評な理由
2019年9月より、元社員の再入社を歓迎する「カムバック制度」導入と同時に、アルムナイとのネットワーク創りを開始した株式会社クラレへのインタビューが4位に。
「再入社したいアルムナイ」だけでなく「戻りたくない(あるいは戻れない)けど、ゆるく繋がりを持ちたいアルムナイ」とも交流を持つべくスタートしたこの取り組み。制度導入を推進した人事2名へ、制度化に至るまでの具体的な流れを伺いました!
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3位:オピニオンリーダー志水静香さんに聞く「外資におけるアルムナイ」
ギャップジャパンやランスタッドといった外資系グローバル企業の人事として、豊富なご経験をお持ちの志水静香さんへのインタビュー記事が3位にランクイン。
「人事領域における日本と海外の違い」というテーマで話を伺うとともに、「海外におけるアルムナイ・リレーション」「これからの日本で、企業・個人に求められる変化」の実態に迫りました。
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2位:【現・元ベネッセ対談】アルムナイは会社、社員、そして社会も変える
社内の良い側面も、悪い側面も両方よく知っているアルムナイ。そのため、「社内の悪い側面を社外に広めてしまうのではないか」というネガティブな捉え方をされてしまうことも多々あります。
そんな中、ベネッセの社内有志団体「One Benesse」に属するアルムナイ・社員の対談インタビューが2位に。「One Benesse」はアルムナイと現社員が一堂に会す交流会や勉強会を開催しています。
「アルムナイは社内の良い側面も悪い側面も知りながらも、社外から会社を応援してくれる存在」とポジティブに捉え、社内変革を目的に活動している「One Benesse」の立ち上げから、アルムナイとつながるようになった経緯、アルムナイ・リレーションが生み出す価値について、伺いました。
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1位:目指すは「終身信頼」の関係。元電通社員の声から実現した“電通公式”のアルムナイネットワークが生み出す価値とは
複数のアルムナイから「卒業生同士だけでなく、現役の電通社員ともつながりたい」という声があがったことから、会社として公式にアルムナイネットワーク創りを開始した株式会社電通のインタビュー記事が1位に!
「電通とつながりたい」とアルムナイ側から声があがったのはなぜなのか?
アルムナイと電通が公式につながることによる双方のメリットは何なのか?
今後、アルムナイと電通はどのような関係を築いていきたいのか?
人事とアルムナイの対談から、詳しくお伺いしました!
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最後に
アルムナイとのネットワーク創りに先進的に取り組んでいる企業の事例が多く読まれていました。先述の通り「終身雇用の崩壊」が名実ともに始まり、さらに「人生100年時代」と言われる中で個人のキャリアが長期化していく中で、「アルムナイとのネットワーク創り」に関心を持つ企業は増えているのだと思います。
アルムナビでは、2020年も引き続き各社の先進事例を取り上げていくとともに、「良好なアルムナイ・リレーションを築くヒント」を提供できるようなコンテンツをお届けしていきます!
2020年も、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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文:築山 芙弓 編集:天野 夏海