「辞めた銀行に戻る」選択。一度は離れた私が古巣の大分銀行への再入行を決めた本当の理由

大分銀行への再入行体験談についてインタビューを受けた方2名。タイトルを中心に、左に張さん、右に和田さんが入ったサムネイル。

※こちらは過去大分銀行に在籍していた方専用のネットワークです

はじめに:変わりゆく「企業と個人の新しい関係」

近年、キャリアの多様化や働き方の柔軟化が進む中、企業と退職者が継続的につながる「アルムナイ」や、一度退職した人材を再び迎え入れる「カムバック採用」などの取り組みが注目を集めています。

企業と退職者が関係を維持するアルムナイネットワーク(退職者ネットワーク)は、優秀な人材のタレントプールとして機能するだけでなく、離職防止や採用コストの削減にも寄与する仕組みとして期待をされています。

大分銀行でも2025年3月末にアルムナイネットワークを立ち上げ、「ジョブリターン(再雇用)制度」を通じて、アルムナイの受け入れを積極的に進めています。

今回は、実際にジョブリターン制度を利用して大分銀行へ復帰されたお二人の行員、和田さんと張さんにインタビューを実施しました。

一度退職をした銀行に戻る決断に至った背景や、再入行をするまでの不安、再入行後に感じた組織の変化等についてお話を伺いました。

■プロフィール

大分銀行への再入行体験談についてインタビューを受けた和田さんのお写真。

和田さん

2004年に新卒で大分銀行へ入行。約20年間勤務した後、2023年春に家庭の事情で大分銀行を退職。その後、2024年4月にジョブリターン制度を利用して職場復帰をすることに。

大分銀行への再入行体験談についてインタビューを受けた張さんのお写真。

張さん

中国出身。大学入学を機に大分県へ。卒業後は、経済学部で学んだ金融知識を活かして大分経済に貢献したいと考え、大分銀行へ入行。新型コロナウイルスをきっかけに大分銀行を退職し中国へ一時帰国するも、2022年に再入行に至る。

再び大分銀行を選んだ理由

ーー自己都合による退職から復帰へ:和田さんの事例

和田さんは退職後、県外へ移住をされていました。その後、再び大分県内に戻ることになり、当初はハローワークなどで求人情報を探していたそうです。

長年の勤務経験から金融関係の仕事を中心に見ていたとのことですが、県外から戻ってきたこともあり、地元大分で再び働くことを考えた際、これまでの経験をすぐに活かせるのはやはり銀行だと感じたといいます。

和田さんの再入行のきっかけは、以前一緒に働いていた上司からのお声掛けでした。上司から「大分に戻ってきたんだったら銀行にも帰ってこない?」と誘われましたが、自己都合で退職した後ろめたさから「私がジョブリターンの制度を使っていいのか…」という葛藤や不安があったといいます。

しかし、元上司や同僚の存在、そして「また働くことができるなら、長年勤務した経験を活かしたい」という強い気持ちが後押しとなり、最終的に大分銀行への再入行を決断しました。地元の家族や友人がそばにいる環境で働けるという安心感も、大きな魅力でした。

ーーコロナ禍での帰国を経て:張さんの事例

中国出身の張さんは、大学卒業後に大分銀行に入行し、主に外為関連の業務に従事していました。しかし、新型コロナウイルスの影響で、当面は中国への帰国が難しい状況が続きそうだったこともあり、悩んだ末に大分銀行を退職することになりました。

帰国後、張さんは中国にある日系企業の現地法人(不動産会社)で勤務していました。その後、コロナの状況が落ち着いたこともあり、日本での生活に慣れていた張さんは、改めて日本で働くことを考えるようになりました。

その際、ダメ元で大分銀行時代の元上司に連絡を取ったところ、「戻ってきたいと考えてくれたのはとても嬉しい」と温かい言葉をかけてもらったといいます。その後、再雇用の選考を受けた末、再び大分銀行に入行することになりました。

張さんは、大分銀行を離れて別の会社を経験したからこそ、改めて「働きやすい会社」だと感じたといいます。都会の企業でよく耳にするパワハラや長時間残業といった問題が少ないことにも触れ、大分銀行の魅力をより実感するようになりました。

再入行で実感した銀行の変化と外部経験の活用

ーー進化した「働きやすさ」と「挑戦できる環境」

実際に再入行した和田さんと張さんが口を揃えて語るのは、大分銀行の環境が改善されている点です。

(1)人事制度の改革と挑戦

大分銀行では、ダイバーシティ経営に力を入れており、行員一人ひとりの個性やスキルを尊重する姿勢が感じられます。特に、経営陣が新しいことに挑戦しようとする姿勢は、張さんにとって大きな魅力でした。

人事制度の見直しによりジョブ型を一部導入した独自のハイブリッド資格制度を導入するなど、地方銀行にとっては大きな挑戦とも言える取り組みに、張さんは組織の変革への期待を感じているといいます。

(2)温かい受け入れと職場の一体感

再入行にあたり、張さんも和田さんも「現場の同僚が受け入れてくれるだろうか」という不安を抱えていました。しかし実際には温かく迎え入れてくれて安心したと話します。

和田さんは、復帰にあたり上司が受け入れ態勢を整えてくれていたため、初日からスムーズに仕事に入ることができ、すぐに職場に馴染むことができたといいます。

張さんは、再入行後の朝礼で拍手で迎えられたエピソードにも触れます。離れていた期間が短かったこともあり、「退職していた感じがしない。育休や産休から戻ってきたみたいだね」と声をかけてくれる人もいたそうです。こうした温かい職場の雰囲気は、大分銀行の魅力の一つと言えるでしょう。

外部経験がもたらす新たな視点

再入行者は、外部で得た視点やスキルを古巣へ持ち帰ることで、銀行組織に新たな価値をもたらします。

張さんは、中国で勤務していた大手日系不動産会社での経験を通じて、仕事に対する考え方やマインドセット、与えられたミッションに対する行動の起こし方、初動の速さの重要性などを学びました。そうした経験が、現在の業務にも活きているといいます。

また、和田さんは銀行業務を離れたことで、お客様と接する仕事の楽しさや、さまざまな人とのつながりが自分にとってどれだけ大切だったのかに改めて気づいたといいます。再入行後には、以前担当していたお客様が訪ねてきて再会する場面もあり、お客様との信頼関係の深さを改めて実感しているそうです。

ジョブリターン制度がもたらすメリット

大分銀行のジョブリターン制度やアルムナイ制度の活用は、再入行者をした当人だけでなく、銀行側にも明確なメリットをもたらしています。

1.即戦力の確保とタレントプールの活用

再入行者は、銀行の文化や業務の流れをすでに理解しているため、即戦力として活躍してもらうことができます。

和田さんのように、復帰初日から実務に入るケースもあり、新しい会社へ転職した場合と比べて、一から業務を覚える手間が大幅に削減されます。特に金融機関の業務は幅広く専門性も求められるため、退職者が戻ることで教育の手間が省け、採用・育成コストの削減にもつながります。

2.優秀な人材の確保と費用対効果

再入行の選考では、「戻ってきたい理由」や「外部で得た経験が銀行業務にどのように活かせるのか」といった点が問われるといいます。

再入行者は、外の世界を経験したうえで自分の価値観や理想の働き方を見つめ直し、「大分銀行に戻る」という決断をしています。そのため、以前よりも覚悟を持って仕事に取り組んでおり、高いエンゲージメントを持ち合わせているといえるでしょう。これは銀行にとって、質の高い人材の確保につながるだけでなく、採用活動における費用対効果の面でも大きなメリットとなります。

終わりに:迷っているアルムナイの方々へ

最後に、再入行を考えているものの、不安や迷いを抱えている大分銀行のアルムナイの方々に向けて、和田さんと張さんから心強いメッセージが寄せられました。

「以前は、一度辞めた人が戻りにくい雰囲気もあったかもしれませんが、今は多くの企業がカムバック採用を前向きに検討しています。不安があるのは当然ですが、まずは元上司や人事に一度連絡だけでもしてみてはどうでしょうか。心から戻りたい、もう一度貢献したいという気持ちは、きっと銀行にも伝わると思います。怖がらずに、ぜひ一度チャレンジしてみてください」

大分銀行は、新しい人事制度への挑戦や働きやすさの向上を通じて、大きく進化しています。一度銀行を離れた経験は、再入行後に新しい価値観やスキルとして活かされ、銀行や地域経済の発展に貢献する大きな力となるでしょう。

大分銀行のジョブリターン制度は、退職者と企業が「辞めたら終わり」ではなく、「辞めてもつながり続け、再び価値を生み出す」というアルムナイとしての新しい関係を築くための基盤となっています。

※こちらは過去大分銀行に在籍していた方専用のネットワークです