私がサイバーエージェントを退職した経緯 | 新井正輝さん

さまざまな企業のアルムナイをその想いとともにご紹介していく企画「アルムナイ・アルバム」今回は、サイバーエージェントアルムナイの新井正輝さんにご登場いただきました。

サイバーエージェント・アルムナイ新井正輝さん
株式会社 ZOZOテクノロジーズ
イノベーション推進部 プロジェクトマネージャー
新井 正輝 (あらい まさき)氏

サイバーエージェントへの入社の経緯

学生時代に国際協力について学び、学生団体の活動でカンボジアへの支援をしていたので、漠然と「海外で仕事したい」と考えていました。海外赴任のある企業の面接をうけてみたり、海外進出を進めているベンチャーで長期インターンをしてみたりしました。しかし、漠然とした思いで就職活動をスタートしたので、最初は全然うまくいきませんでした。

改めて「自分はなにをやりたいんだろう」と考えたときに海外という軸とは別で、これまで常になにかを企画していたことに気付き「世の中に対して自分のアイディアを企画できる仕事。それもより多くの人に発信できる仕事」がしたいと考えました。かつ下積みをして30代や40代でやっと第一線に立って仕事ができる業界や企業ではなく、若いうちからチャンスが得られ、似たような思考をもった人たちが集まる環境を探しました。

そんなことを大学の先輩であり当時すでにサイバーエージェントで働いていた方に相談したところ、サイバーエージェントがいいのでは勧められました。多くの社員さんを紹介していただき、仕事内容や個々人の考え方を聞いているうちにどんどん惹かれていきました。

当時のミッション・ステートメントに「若手の台頭を喜ぶ組織で、年功序列禁止。」「自分の頭で考え、オリジナルを創り出す。」「世界に通用するインターネットサービスを開発し、グローバル企業になる。」が掲げられていて、どの現場の社員さんに話を聞いてもそれはお飾りの考えではなく現場に浸透しているものだとわかったので、サイバーエージェントへの入社を決めました。

サイバーエージェント時代(2013年~2018年)に携わった仕事について

入社して最初に、当時伸びていたソーシャルゲーム事業でプランナーをやらせてもらい、ゲームの企画・運営をしていました。普段何気なく触っていたサービスの画面にはたくさんの考えや信念が込められていたり、面白さを追求するその裏にはデータに裏打ちされたきめ細かい企画があることなど、ものづくりの基礎を学びました。

1年目の冬に新規事業の立ち上げの話があり、ディレクターとしてジョインしました。まさに0からの立ち上げだったので機能要件の詰め・サービス名やロゴづくりなどから携わりました。要件が詰まるとデザインスプリントをしてUI/UXを固めていったり、そこから実際に開発をして形にしていきました。

仲のいい同期と二人三脚で一緒にやれたことや「これなら人々の生活が便利になるかもしれない」という強い思いがあったので、寝ている時間以外はすべてこの事業に捧げていました。今振り返るとリリースまでの約8ヶ月間、何度も怒られながらも企画を作り直してちょっとずつ形になっていく過程が楽しく、まさに熱狂してたなと思います。

サイバーエージェント・アルムナイ新井正輝さん

サイバーエージェントを退職した経緯

メディアサイドでソーシャルゲームのプランナーや新規事業のディレクターを、広告サイドでメディア運用やクライアント営業を、在籍5年半の中で幅広い業種に携わらせてもらいました。アメリカ、台湾、シンガポールなど海外出張にも何度もいかせてもらいました。カンファレンス出席に限らず事業の出張として行き、海外展開に携われたことは貴重な経験でした。チームを持ったり、プライベートでもみんなで遊びに行ったりなどとかなり充実した時間を過ごさせてもらいました。

ただふと振り返ってみたときに新規事業のディレクターをやっていたときが一番熱狂していて、その理由が『人々の生活に入っていき、生活をより便利にできると信じてプロダクトを作っていた』からだと思い、その環境にもう一度戻りたいと感じました。

そんなことを思いながら新しい環境を探していたときに、現職の代表で上司でもある金山に出会いました。当時金山の会社がZOZOに買収される前で、これから大きく環境が変わること、プロダクトを海外展開させていくことやテクノロジーの力を使って人々の生活を、ファッションを変えていくという未来に惹かれて、転職を決めました。

現在の仕事/取り組み

「70億人のファッションを技術の力で変えていく」というミッションに対して、代表取締役CINO(Chief Innovation Officer)金山直轄のチームで様々な課題解決に取り組んでいます。その中の一つとして、ZOZOTOWNやWEARの広告によるマネタイズをやっています。

WEARに対して広告を挿入するというフェーズが終わり、いまはどう見せていくのがWEARユーザーにとっても、広告主にとっても、我々メディア自身としてもよりよいのか試行錯誤しています。広告事業は0から始めているということもあり社内にノウハウや知見がないので、メディアレップ、広告代理店、メディアなどのパートナー様、同業他社の方に話を聞いて回り、次の一手を模索をしています。

また、広告事業だけでなく世界中から新しい技術や協業の話が金山のもとに集まってくるので、そこのアライアンスやプロジェクトマネジメントもさせてもらってます。拙い英語で海外のパートナー企業とやりとりしつつ、ちょっとずつ形になっていく過程が非常に楽しいです。詳しい内容はまだ話せませんが、来年以降どんどん世の中に出していけるので期待していてください。

流れが早く常に変化する環境が刺激的です。まるで映画「プラダを着た悪魔」で鬼編集長であるミランダの下で1年働いたらどこの世界でもやっていけるといわれて猪突猛進で頑張る主人公アンディのような環境です。

メディアマネタイズ、R&D、マーケティング、交渉、戦略立案、採用、リアルイベント、プロダクトグロース、分析、データ抽出、○○や××(言えないこともたくさん)……など業務領域は多岐に渡ります。スタートアップやIT事業で求められる業務は皆この環境で経験できると思います。

いつでもウェルカムなので興味のある人は是非一度オフィスに遊びにきてください。

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サイバーエージェント・アルムナイ新井正輝さん

サイバーエージェントとのリレーション/アルムナイ同士のネットワーク

退職してから半年弱が経ちますが、親しくさせてもらってた人たちはとは今でも定期的に飲みに行ったり、遊びに行ったりしています。先輩後輩というより友人に近い感覚になっています。

またサイバーエージェントを卒業した人だけのFacebookグループがあり、700人以上が所属し情報交換も行われています。そのコミュニティでリアルイベントもやっていたみたいです。元サイバーエージェントというつながりで人を紹介してもらったり、事業の話ができたり、情報交換したりと、籍がなくなったら「はい、終わり」ではなく一時でも同じ釜の飯を食べた仲間同士協力し合っています。業界も狭いので、みんな外からサイバーエージェントのことを応援しています。

古巣サイバーエージェントへのメッセージ

大学を卒業して何もなかった自分を拾ってもらい、社会人としての基礎や視野を広げてくれたのがサイバーエージェントという会社でした。優秀な人達にたくさん出会い、早いうちからたくさんチャレンジをさせてもらい感謝しても感謝しきれないです。

今考えても、新卒で入るならもう一度サイバーエージェントに入りたいと思いますし、思考が合う学生がいたらおすすめもしています。(年々ハードルがあがっているので僕がまた入れるかどうかは別として 笑)。

外に出たからこそ、サイバーエージェントの中では当たり前にあった考え方や制度、人のレベルの高さなど、気づくことがたくさんあります。“すごい”レベルのもの・ことが当たり前で新しく入るメンバーはその基準でスタートができる。その環境で学ばせてもらったからこそ、サイバーエージェント出身者として恥じないようにこれからもチャレンジしつづけたいと思います。

引き続き宜しくお願いいたします。

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編集後記

今考えても、新卒で入るならもう一度サイバーエージェントに入りたいと思います

この言葉に代表されるように、古巣サイバーエージェントへの強い愛着、そして誇りを感じるインタビューでした。

僕もあと3か月後に新卒として、とある企業に入社しますが、新井さんのように「この企業に新卒で入った良かった」と思えるのは素敵だなと思うとともに、理想的だなと思いました。

またサイバーエージェントは言わずもがなの“人材輩出企業”ということもあり、多くのサイバーエージェントアルムナイの方々がメディアなどで取り上げられていますが、「新井さんのように古巣の経験を活かし活躍しているアルムナイの方がまだまだいるんだ!」ということを今回の取材で知ることができました。

今後もひきつづき、この『ALUbum』を通して、いろいろな企業のアルムナイの方々を紹介していきたいと思います。(アルムナビ編集部・勝倉 直登)