イオンモールがアルムナイネットワークを設立。「つなぐ」を広げ、地域共創に挑む

2024年6月、イオンモール株式会社(以下、イオンモール)がアルムナイネットワークを立ち上げます。

「つなぐ」をキーワードに、地域をはじめとするさまざまなステークホルダーとつながり、共創してきた同社。今後も新たな事業創造に取り組んでいくため、アルムナイにも「つながり」を広げたいとネットワーク導入に至りました。そんな同社が目指すアルムナイとの関係性や取り組んでいきたいことについて、採用・育成部の岡本さんと人事部の安武さんにお話を伺いました。

※こちらは過去、イオンモールに在籍していた方専用のネットワークです

人事統括部 人事部長 兼 MBO改革推進グループ マネージャー 安武 覚さん(写真左)
人事統括部 採用・育成部長 岡本 章世さん(写真右)

新しい化学反応が起こることを期待

ーーアルムナイネットワークを導入した背景について教えてください。

岡本:大きく2つあります。1つは再入社を希望する社員の窓口です。近年、弊社を退職して新たな環境で活躍する人が増えていると同時に、「やっぱりイオンモールに戻りたい」という声も増えています。イオンモールの中のことも知っていて、外の世界も知っているアルムナイは非常に価値のある人的資産だと考えています。そういう方々が戻ってきてくれたらイオンモール全体の人的資産も高まっていくはずです。

もう1つは、新しい事業の共創です。弊社は2021年から「イオンモール共創プログラム」を始め、新たな事業領域の創造に取り組んでいます。これまでは主に国内外のスタートアップ企業と一緒に行ってきましたが、アルムナイのみなさんもパートナーの1人。何か一緒にやることできっと新しい化学反応が起きると思います。

安武:私自身、退職を経験したわけではありませんが、約7年間子会社に出向していたことがあり、イオンモールの中も外も知る経験をさせてもらいました。そのとき、イオンモールは自分の裁量でやりたいことができる会社だなと再認識できたんですね。

さまざまな環境で活躍するアルムナイはイオンモールの長所も理解した上で、新しいアイデアや新しい視点を取り入れてくれると期待しています。

オープンで柔軟な考え方に変化するイオンモール

ーーネットワークを導入するにあたって、社内からはどんな反応がありましたか。

岡本:経営陣に提案する前は不安でしたが、「いいじゃん、やろうよ」と前向きな反応をもらえました。私たちもびっくりしたんですよ、「え、いいの?」って(笑)。アルムナイネットワークを導入することで「逆に退職者が増えるのではないか?」という意見も出るかもしれないと思っていたのですが、そうした声は特にありませんでした。

ただ今後、アルムナイネットワークの存在を浸透させていったとき、心理的な抵抗があるという社員が出てくる可能性はゼロではないと思います。アルムナイ側にとっても、例えば再入社することが決まった場合、受け入れてもらえるかどうか不安を抱えることもあるかもしれません。双方に納得してもらえるよう、丁寧に説明やフォローをしていく必要があると考えています。

安武:世の中で「アルムナイ」が一般的になっていくなかで、現場に近い方々はみんなやってほしいと思っていたと感じます。退職しても個人的なつながりは持っていたでしょうし、「戻りたい」という声も増えていましたから。

ただ岡本が申し上げたように、経営陣に提案する前は実現できるかどうか不安でした。でも、それが意外にすんなりはじまって。従業員にも驚きを与えられるでしょうし、アルムナイにも「イオンモールがオープンで柔軟な考え方に変わっている」というメッセージを伝えることができると思っています。

アルムナイと地域共創を目指したい

ーーアルムナイネットワークでこれからどんなことをやっていきたいですか。

岡本:イオンモールならではのイベントを立ち上げて、まずはアルムナイ同士が交流できる場になればと思います。私たちは商業施設としてのアセットを持っているので、外から見た商業施設の活用方法を一緒に考えてみたいです。ほかにも、仕事だけではなく、育児などプライベートについても、ざっくばらんに意見交換できる場になるといいですね。

安武:イオンモールは「地域共創」を2030年ビジョンに掲げています。アルムナイの中には地域の会社や自治体に転職された方もいますから、そことつながって新しいものを生み出していけるのではないかと期待しています。

また2023年度、人事部では「キャリア自律」をキーワードにして、社員と面談を行ってきました。今後はアルムナイと協力して、社員のキャリア教育も一緒にできないかと考えています。他社を経験しているアルムナイだからこそ、なぜ転職を決意したのか、外に出てみてイオンモールはどう見えたのか、良い面も悪い面も含めて説得力をもって語って頂く事が出来ると思います。例えば再入社した方には、戻ってきた理由についても若手に話して頂きたいと思っております。

岡本:2023年度、一度イオンモールを退職した方で「再入社したい」と声を上げてくれた方がいらっしゃいました。その方は、もともと「地域に貢献したい」という思いで当社に入社して、その後、2社別の企業を経験されました。外に出て改めて、イオンモールは地域の隅々まで影響を与えられるアセットを持っている唯一無二の企業だと感じたそうです。

外に出たからこそ、改めて自分のキャリアとしてやりたいことが明確になり、それがイオンモールで実現できると語ってもらえるのはすごくありがたいことだと感じました。そういう声がオープンになっていけば、もっと当社の事業が伸びていくのではないかと期待しています。

これまで、入社5、6年目の社員の方が、若手社員に社内での経験を語りイオンモールでのキャリアプランを考えるきっかけにしてもらう研修を行っていました。そこに、アルムナイから退職後の経験やイオンモールでのキャリアをお話ししていただくと、また違った視点で刺激をもらえると思います。

ーー今後、アルムナイとどんな関係性を築いていきたいですか。

岡本:もちろん、戻ってきてほしいという思いはあります。ただ、その手前のところで、イオンモールの事業に何らかの形で関わってくれる人たちを1人でも多く増やしたいと思っています。広い意味で、イオンモールの事業パートナーになってもらえたら、うれしいですね。

イオンモールを卒業して活躍されている方々と、また一緒に仕事をする機会が増えていけば、「イオンモールは退職した方々とも様々な形で関わっている会社」というメッセーが外部に伝わり、それが人的資本経営にもつながると考えております。

安武:「地域共創」をビジョンとして掲げている企業として、多様な人材がいるネットワークは非常に重要だと思います。僕らは当社の状況を広く伝え、アルムナイからは情報交換やアドバイスをいただくーーそんなフラットでカジュアルな関係性を築けるといいですね。それが結果的に双方の価値を高めるような関係性に発展していけばいいなと願っています。

アルムナイへのメッセージ

ーー最後にアルムナイのみなさんへメッセージをお願いします。

安武:一度でもイオンモールというプラットフォームにいて、イオンモールが考えるビジョン等に共感して時間を過ごしたみなさんと、いろんな情報交換をさせていただけるのは本当に貴重で素晴らしいことだと思います。またぜひ、つながりを持たせていただきたいです。

岡本:イオンモールの人材組織ビジョンは「つなぐ」がキーワードになっています。それは地域やパートナー企業など、いろいろなステークホルダーに対して使うのですが、今後はアルムナイも含めていきたいと思っています。
アルムナイはイオンモールに何かしらの共感できるところがあって、選んでくださった方々。当社を退職したら関係性が終わってしまうのは非常にもったいないことです。ネットワークが双方「つなぐ」機会になり、それがビジネスや再入社という形で広く共創につながっていければと願っています。

※こちらは過去、イオンモールに在籍していた方専用のネットワークです