人に恵まれたサントリー時代。これからもご縁を大切にしながら、キャリアを模索していく

サントリーに新卒入社し、営業やマーケティングを担当。現在はGoogle JapanでGoogle Pixelのプロダクトマーケティングを担当する山本恵以さん。サントリー時代は、周りのメンバーに助けられながら、ビジネスパーソンとして大きく成長できたと振り返ります。

サントリー時代の経験や学び、そして現在のキャリアについて伺いました。

※過去にサントリーホールディングス㈱、サントリー食品インターナショナル㈱に在籍していた方専用のネットワークです

お客様との信頼構築に悩む日々。チームの支えがあったからこそ乗り越えられた

ーまず初めに、山本さんがサントリーに新卒で入社された経緯を教えてください。

大学時代は管理栄養士専攻で、食を通じて人の生活を豊かにすることに関わりたいと漠然と考えていました。就職活動では総合食品メーカーを中心に検討していくなかで、お祝い事や何かに悩んでいる時間など人生のさまざまな瞬間に寄り添えるお酒の文化に関心を持ち、サントリーに魅力を感じるようになりました。就職活動のプロセスの中で、社員との交流機会や会社の歴史が詳しく書かれた本を配布いただき、サントリーの社風やカラーを非常にイメージしやすかったのも好印象でした。

また、「やってみなはれ」というスローガンなどから、多様性と挑戦を大切にする社風を感じることができ、文化・食育・水・植林・スポーツ・芸術など多方面で社会貢献していることも魅力的でした。

最終的な決め手は、二つあります。一つ目は、選考の過程で関わった方々が生き生きとしていて、「この人たちと一緒に仕事ができたら楽しいだろうな」と素直に思えたことでした。

もう一つは、「今の自分がやりたいことが5年後、10年後も同じかどうかはわからない」という思いがあり、サントリーなら会社の中でいろんなことにチャレンジできそうだと感じたことです。自分の興味・関心が変化していったとしても、人生と共に歩んでいける会社だと思い入社を決めました。

ーサントリーではどのようなお仕事をされたのでしょうか?

私のサントリーでの経験は、「営業時代」と「ブランドマネジャー時代」の2つにわかれます。

営業時代の最初の1年半は、ラウンダーとして店頭を回る仕事を経験しました。毎日車で店舗を回り、バックヤードのビールケースを運び、売り場づくりをする日々でした。

ラウンダーの仕事を通して「この1本の積み重ねが全てにつながっていくんだ」という意識が芽生えるようになり、本部と現場をつなぐ架け橋としての役割を見出していきました。現場の最前線を知り、本部にバリューを返そうという思いで仕事をすることで、社会人や営業としてすごく成長できましたね。自分が思いを込めてつくった売り場でお客さんが商品を手に取る瞬間を目にした時の手触り感のある喜びは、今でもすごく印象に残っています。

その後、大手ドラッグストアチェーンの本部担当を4年間経験し、私にとって仕事に対する姿勢を学ぶことのできた大きなターニングポイントになりました。実は、歴代の担当者はこれまで憧れるようなトップセールスの方々だったので、20代半ばの若手である私が担当になり、お客様も戸惑っている様子でした。ビジネスマナーも身についておらず、お客様からお叱りのお言葉をいただくこともありました。

そうした中で信頼関係を構築するために、当たり前のことを当たり前にやることの大切さを学び「自分はサントリーの代表なんだ」という意識を強く持つようになりました。それまでは、自分のキャラクターを武器に甘えていた部分が正直あったと思います。この経験をきっかけに、振る舞いや仕事への姿勢、声のトーンや発言など一つひとつに配慮するようになりました。

また、このときの壁を乗り越えることができたのは、前任者をはじめとするチームの皆さんの支えがあったからこそです。マインドや接し方など、どうしたらお客様の信頼を獲得し、目標の数字を達成できるかを一緒に考えてくれました。悩み事があったらいつでも相談できる心理的安全性の高い環境で、今振り返っても、本当にいいチームに恵まれたと思います。

最後の1年間は、サントリーウエルネスでサプリメントブランドのブランドマネジャーとしてマーケティングを経験しました。新聞・雑誌・ラジオ・テレビCMなど主にトラディショナルメディアの広告物制作からブランド戦略、Eコマースでの売上管理まで一気通貫で担当しました。

マーケティング未経験ながら、データを基にペルソナやペインポイントを考えて、メッセージングをして、キャンペーンを打つという経験は、自分のマーケティングに対する更なる興味と情熱を育んでくれましたし、その後の自己研鑽や、今のキャリアにもつながっています。自分たちのリソースを活用して行動変容を起こす面白さと難しさを実感すると共に、新しい視点・思考・戦略・問題解決など学びの多いとても充実した日々を過ごさせていただきました。

ーお仕事にやりがいを感じられていた中で、退職に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか?

家庭の事情で海外に居住することになったためです。仕事にやりがいを感じていましたし、人間関係や職場にも恵まれていたため、サントリーを離れなければならないということに対して前向きになれず、約1年ほど悩んだ末の決断でした。

目の前の仕事やご縁と向き合うことで、キャリアを模索していく

ー現在は、日本に帰国されGoogle Japanに勤務されていると伺いました。どのようなお仕事を担当されているのでしょうか? 

Google Pixelのリテール向けプロダクトマーケティングを担当しています。Googleはソフトウェアの印象が強いかもしれませんが、そのなかでもユニークなハードウェアのチームに在籍しています。

Google Japanに入社するにあたり、多様性のある環境での挑戦や、異なる視点を得る経験をこのタイミングでしてみたいという気持ちがありました。業界を変えることや新たな環境に飛び込むことは勇気が必要でしたが、Google Pixelのような人の生活に寄り添いながら彩りや豊かさを提供できる製品に関われる点は、サントリー時代に食やお酒を通じて提供していた価値観と通じるものがあると感じ、入社しました。

ー実際にお仕事されてみていかがですか?

入社前の希望通り多国籍・多言語の環境で、自分が求めていた多様性に富んだ文化に身を置いて仕事ができています。さまざまなバックグラウンドを持つ人たちと働く面白さは、想像以上でした。今のチームにはこれまで私が出会ったことのないような経験を持つメンバーも多く、とても刺激になっています。

転職してから感じた魅力は、Googleが大切にする「ambiguity(正解がない、一つの解釈におさまらない)」の文化です。テクノロジーやAIなど、日々状況が変わる不確定なものを扱っているため、スピード感も早く、常にアンテナを張って情報を取りに行く必要があります。このような「未来を作っていく」プロセスのど真ん中にいるとても面白い経験ができているなと思います。

またサントリーでは、自分が抱えている課題をアピールしなくても気づいてくださる周囲の方がいましたが、新しい環境では自分の取り組みを周囲に伝えていく大切さも学んでいます。

ーご自身の今後のキャリアについて考えていることはありますか?

今まさに走りながら自分自身に問いかけているところで、明確な答えはまだ出ていません。

ただ、大切にしていることはあって、その一つが「ご縁」です。これまでも多くのご縁に助けられてきましたし、今もなお、多くの方々との繋がりに支えられていることを実感しています。ご縁を大切にし、困った時にお互いが頼れる関係性を日々つくっていくことで、辛い時期も乗り越えられると感じています。また、ご縁は、「人」だけでなく、自身が携わってきた様々な活動や経験などの「コト」にもあると思っています。あの時のあれが、今のこれに繋がっていると、思いがけない繋がりを感じる場面が、多々あります。ですので、その時は前向きに捉えられないことがあっても、いつその経験に助けられるかわからないなと思います。

今は毎日忙しく仕事をしながらも、「この先の自分がどういう状態になっていたいか」ということを自問自答しながら過ごしています。明確な道筋はまだ見えていませんが、目の前のご縁や仕事に全力で向き合い、視野を広げていくことで、おのずと道が開けていくと信じています。

外に出たことで会社や人の素晴らしさを実感。これからもご縁を大切にしたい

ーサントリーの外に出て、あらためて感じる想いがあればお聞かせください。

大きく二つの想いがあります。一つは「サントリーは本当にいい会社だ」ということです。外に出ることで、より人の魅力、商品の魅力、会社の文化と歴史の素晴らしさを実感しています。

もう一つは、本当にさまざまなことができる会社だということです。大きな会社でありながら、アルムナイコミュニティなど新しい取り組みに柔軟な社風です。副業をはじめ社員の多様な挑戦をサポートする姿勢を持つ会社は、なかなかないと思います。

ー最後にサントリーアルムナイの皆さんへのメッセージをお願いします。

サントリーは、魅力的なメンバーと一緒に仕事ができる会社です。私自身、現役社員時代に、メンバーに恵まれてすごく幸せで今でもその繋がりに支えられ、刺激をいただいています。その経験から、今この瞬間のご縁を大切にすることが財産になると思うので、アルムナイの皆さんとのつながりも大切にしたいと考えています。

※過去にサントリーホールディングス㈱、サントリー食品インターナショナル㈱に在籍していた方専用のネットワークです