【イベントレポート】住友商事Alumniと現役社員が語る、新たな価値創出への挑戦

参加者の集合写真

2025年11月6日、住友商事株式会社(以下、住友商事)にて、第6回目となるSC Alumni総会(以下、総会)が開催されました。本イベントは、社外で活躍するAlumniと現役社員が繋がり、新たな価値を共創する場です。当日は総勢 約70名のAlumniと現役社員が集結し、会場は「おかえりなさい」という温かな声と、再会を喜ぶ熱気に包まれました。単なる交流に留まらず、ビジネスチャンスの発見や現役社員の刺激となることを目的としているSC Alumni。本記事では、当日の熱狂とそこで語られた未来への示唆を詳しくお伝えします。

※こちらは過去、住友商事に在籍していた方専用のネットワークです

SC Alumni Networkの歩みと現状

SC Alumniネットワークは、2019年に設立され、6年を経て加入者数は約700名に達しています。

総会冒頭での活動報告では、具体的な成果として、Alumniによる現役社員向けの講演・セミナー実施や、以前の総会で登壇したことをきっかけに、Alumni勤務先と連携してスタートした越境プログラムについて共有されました。またオンラインでのキャリア交流会も積極的に行われており、組織の壁を越えた連携は、着実にイノベーション創出の土壌を育んでいます。

冒頭に活動報告をする事務局

【対談】住友商事のポテンシャルと新たな価値創出

今回のメインコンテンツは、Alumniと現役社員による対談セッションです。

【登壇者プロフィール】
水沼大樹 さん(Alumni):住友商事に2014年入社。自動車流通事業に従事後、マッキンゼーを経て、現在はベインキャピタル・ジャパンのポートフォリオチームにて、複数の投資先企業のバリューアップを担当。

道籏淳 さん(現役社員):住友商事に 2000年入社。トルコや米国での駐在を経て、現在は自動車流通事業第一ユニット長を務める。

対談テーマについて

商社パーソンのスキルはPEファンドでも高く評価

Alumniの水沼さんは、PEファンドの視点から商社出身者の強みを語りました。「商社の方々はファンドにとてもマッチしています。投資先の要職に商社出身者を採用することが非常に多いです。」 その理由は、『事業のインキュベーション』『実業の経営』『株主視点』という3つのバランスを高いレベルで兼ね備えている点にあり、これは外部から見ても稀有の存在です。

住友商事から買収したティーガイアの案件もその一例です 。「元同僚たちと経営のバリューアップに共に取り組む日々は、刺激に満ちています。外から見て改めて、商社パーソンの活躍できる場はたくさんあると感じます。」と住友商事のことを誇らしく語る水沼さんの言葉に、会場のAlumniたちも深く頷いていました。

登壇者の水沼さん

産業を横断する”触媒機能”としての商社

現役社員の道籏さんは、現在の住友商事がSBU(戦略事業単位)制へと進化している点に触れました。現在の組織はマーケットの変化に対し、高い可変性を担保しています。そこで道籏さんが追求しているのが、商社ならではの”触媒機能”です 。

「産業間に存在する知の断層を泥臭く埋めることが我々の使命です。」と具体例として、米国での自動車リース会社への出資検討事例が挙げられました。 当時はEVシフトがバズワードとなっていた時期でした。自動車単体の価値だけでなく、エネルギー領域の知見を掛け合わせた提案を行いました。VPP(仮想発電所)や分散電源の観点から、顧客に提供できる価値を模索したのです。
この提案には、社内のエネルギーイノベーション・イニシアチブ(EII)のメンバーも協力しました。複数の産業を跨いで価値を創出できるのは、総合商社のインハウス機能があるからです。「異なる知見を持つ人たちが、共通の顧客に価値を提供する。これが商社の強みです。」と道籏さんは熱く語ります。 この”触媒”としての役割は、どの業界を見ても容易に真似できるものではありません。

登壇者の道旗さん

競合を越えた”パートナーシップ”の可能性

「ファンドと商社では、バリューアップのシナリオの作り方が根本的に違います。 ファンドは、Exitを見据えて、短中期におけるEBITDAの成長やキャッシュフローの改善を極めて重視します。一方、商社は、長期視点で、Strategic Investorとしてヒトを含む総合的な企業価値を上げようとします。この違いは、お互いに学べる部分が非常に多い。対立ではなくパートナーになれるはずです。」
水沼さんもこれに同意し、パートナリングを通じて社会全体のパイを広げるためのネットワーク活用を呼びかけました。

Alumniネットワークがもたらす”無形資産”

対談の後半では、このネットワークをどう活用すべきかが議論されました。 水沼さんは、前職のマッキンゼーでの経験を引き合いに出しました。「マッキンゼーでは、Alumni同士の繋がりが非常に大切にされています。そこから新しい事業が生まれたり、活発な人材流動が起きています。住友商事のAlumniも、それと同等かそれ以上のポテンシャルがあると感じています。」

道籏さんは、このネットワークをインタンジブル・アセット(無形資産)と呼びました。 「住友商事単体では検知できていない切り口を、外部のAlumniが持っています。外の視点を取り入れ、共に事業のシーズ(種)を創出していきたい。」それは単なる馴れ合いではなく、プロフェッショナル同士の真剣な共創を目指すものです。

参加者からの質問を受ける様子

交流会の様子:再会がビジネスへと変わる瞬間

対談終了後、会場は立食形式の交流会へと移りました。「元気だった?」「今、何をされているのですか?」といった会話が飛び交います。

交流会は2つのパートに分かれて実施されました。最初は指定のテーブルで話し、後半は自由に移動できる形式です。名札には現職の社名や参加目的、スキルなどが記載されており、共通の関心事を見つけやすく工夫されています。乾杯の発声後、会場の熱量はさらに一段階上がりました 。

参加者の中には、かつての上司や同僚・後輩と再会し、その場で打ち合わせの約束をする姿も見られました。「旧交を温めるだけでなく、実利のあるビジネスの話ができた」という声が、多くのテーブルから聞こえてきました。

交流会の様子
交流会の様子

参加者の声:アンケート結果から見える価値

イベント後のアンケートでは、非常に高い満足度が示されました 。
実際にアンケートや会場で聞こえてきた声を紹介します。

【Alumniの声】
「期待していたビジネスに繋がるネットワーキングができた。」
「住友商事とも良いビジネスができるのではないかというポジティブな思いを持てた。」
「かつての上司、後輩と思いがけず出会えて楽しい時間だった。」

【現役社員の声】
「社外から住友商事がどう見えているかを伺い、改めて働く誇りを感じた。」
「PEファンドと住友商事のアプローチが全く違うことを知れて有益だった。」
「自前主義が成長速度を減じている可能性に気づかされた。」

これらの声は、Alumniネットワークが人的資本経営において重要な役割を果たしていることを裏付けています。

事務局の想いと、FY2026に向けた展望

今回の総会の成功を受け、事務局ではすでに来年度に向けた検討を開始しています。参加者からは「オンラインでも繋がれる場が欲しい」「特定のテーマでの分科会を希望する」といった建設的な意見が多数寄せられました 。

今後は、Alumniサポーターの活動もさらに強化していく予定です。また、社内のビジネスコンテスト等との連携も視野に入れています。Alumniを単なる元社員ではなく、未来を共に創る同志として捉える。この姿勢こそが、住友商事が目指す新しい組織の形です。

おわりに:卒業後も続く、一生モノの絆

住友商事を去ることは、縁が切れることではありません。むしろ、社外という新しいフィールドで得た知見を持ち寄り、新たな関係を築く始まりです。

今回の交流会で証明されたのは、住友商事という共通項が生み出す圧倒的な信頼関係です。 「このネットワークを活用し、社会全体のパイを広げていきたい。」登壇者のこの言葉は、参加した全員の思いを代弁していました。

住友商事とAlumniの絆はこれからも進化を続けます。組織の壁を越えた、新しい価値創出の物語はまだ始まったばかりです。来年の再会を、そしてそれまでに生まれる数々の共創を、心より楽しみにしています。

※こちらは過去、住友商事に在籍していた方専用のネットワークです