
2023年1月にアルムナイネットワークの運営を始めた野村ホールディングス。そのグループ会社の1つである野村證券株式会社(以下、野村)に新卒入社した後、家業の手伝いのために野村を退職し、再び野村でやりがいのある仕事をしている浦川さんにお話を伺いました。
※こちらは過去に野村ホールディングスに在籍していた方専用のコミュニティです
コロナ禍の新卒入社、退職、そして復帰。キャリアの選択と決断
ーーまずはこれまでのキャリアや現在のお仕事について教えてください。
2020年4月に野村證券へ新卒として入社をし、10か月後に退社をしてその10か月後に再入社をしました。短期で辞めて短期で戻ってきたという珍しい経歴だと思います(笑)
現在は、IBビジネス開発部という部署にて、アクティビストファンドなどの株主対応をはじめ、法改正や制度変更を踏まえた顧客提案などを行っています。
お客様へいち早く情報を提供するだけでなく、法改正や制度変更の結果、必要となる、あるいは必要となるであろうコーポレートアクションの提示や提案もあわせて行います。
それぞれの法改正や制度変更等がどう影響するのか。企業価値向上の観点で、企業としてどういったアクションを取るべきか。こういったことをひたすら追及しています。
ーー退職のきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
新卒入社をした当時はちょうどコロナ禍で、研修など何もかもがオンラインでした。一通り研修を終えた後、金融法人部にて本格的に業務を開始したのですが、なかなか業務に慣れることができず、苦労をすることも多かったです。
そんな矢先、実家の家業がアメリカに事業進出することになり、父から「戻って来い」と声が掛かりました。もともとアメリカの大学に通っていたこともあり、思い切って退職をして、家業を手伝うことにしたのです。
当時を振り返ると、入社後の研修がオンラインのみで実施され、配属後も対面でのコミュニケーションが取りづらいということがありました。海外生活をしていたせいか、初対面の人との距離間が近いタイプだった私にとって、そういった背景もあり職場にフィットしづらかったのかもしれません。
人事の一言が背中を押したキャリアの再挑戦
ーー再入社を考えるようになった理由や経緯を教えてください。
家業の海外進出は、残念ながらコロナなどの影響で頓挫してしまいました。それまでは海外進出に向けて息つく暇もなく働いていたので、リフレッシュもかねて沖縄に移住していた時期があります。その間はまったりとした生活を送っていましたが、貯金は減る一方。さすがに社会復帰しなければと思い、沖縄で職探しを始めました。
しかし、条件面の折り合いがつかず、なかなか思うようには進みませんでした。そこで、東京に戻って再び就職活動をすることを改めて決意しました。
東京で改めて就職活動をしようと考えた際、ふと新卒採用で大変お世話になった人事の方が「もし何かあったら電話してこい」と言ってくれていたのを思い出しました。
その方はとても温かい人柄で、まるで熱血教師のような存在です。教えてもらっていた連絡先も社用携帯ではなく私用の番号で、「本当に気にかけてくれていたんだな」ととても嬉しく感じたのを強く覚えています。
とはいえ、短い期間で辞めてしまったという後ろめたさもあり、連絡するかどうか正直迷いました。それでも、あのときの言葉が忘れられず、東京で就職活動をするならまずこの方に相談しようと思い、思い切って電話をかけました。
すると、開口一番「なんでこんな短期間で連絡してくるんだ!」と当然の如く怒られましたね…(笑)。ただ、「もし本気で考えているなら」と、選考の機会をいただくことになりました。もちろん、再入社が確約されたわけではありません。あくまで選考ですので、実際に戻れるかどうかは自分の実力次第でしたが、「是非お願いします」とお伝えしました。

ーー選考はどういった内容だったのでしょう。
複数部署の部長や管理職の方々と面談をしました。トータルで15回ほど面談の機会をいただいたと思います。
他の方はここまで多くはないと思いますが、私の場合は短期離職ということもあって、会社としても慎重に判断する必要があったのだと思います。
再就職をするのであれば、元々志していた金融業界でと決めていましたし、古巣である野村のことは辞めた後も大好きでしたので、面談では「野村證券でやりたいこと」や「自分がどのように貢献できるのか」を精一杯伝えました。
金融業界で再就職を考えていたこと、そして野村證券にはもともと良い印象を持っていたことが、再入社の決め手でした。きっかけは人事の方からいただいた連絡先でしたが、「自分の力を活かせるのは野村證券しかない」と確信し、決断しました。
再入社を通じて気づいた野村證券の魅力
ーー再入社をする前後で、なにか気持ちの変化はありましたか?
「業務のキャッチアップができるか」「周囲の人たちからどう思われるか」といった不安はもちろんありました。ただ、それらの心配はあって当然のもの。悩みすぎても仕方がないので、覚悟を決めて飛び込むしかないと前向きに考えるようにしていました。
結果的に、ネガティブなことは全くなく、むしろ温かく迎えてくれる方がほとんどでした。中には、「こんなに短期間で戻ってきた人は史上初なんじゃないか?」とおもしろ可笑しくいじってくれる方もいて、むしろ有難かったですね(笑)。
どんな業界でも、「退職者=裏切り者」という考え方はあるかもしれませんが、それは少し寂しいことだと思います。野村には、現在、部長職に就かれている方でも再入社の方がいますし、同じ部内にも私と同じく再入社した方がいたので、とても心強かったです。
ーー「業務のキャッチアップ」に対する不安は、どのように克服されたのでしょうか?
ひたすらやるしかなかったですね。金融に関する知識や法改正など、とにかく知識量が求められる業務なので、資料を読み込んだり情報のインプットに努めていました。
お客様とのお打合せ等にもなるべく同行・同席をさせてもらうようにして、はじめの1~2年目はとにかく学び中心のスタイルでした。今年で4年目になるのですが、ようやく一戦力になれたのではないかと思っています。
ただ、全く新しいことをやるのではなく、一度は向き合っていた経験のある分野のことなので、キャッチアップはしやすかったと感じています。会社の雰囲気や仕事内容などを少しでも把握しているというのは、再入社をする上で大きなメリットだと思います。
ーー再入社をして新たに気づいた野村證券の魅力はありますか
一度退職をして気付いた魅力としては、野村には多様な人がいるということです。
新卒で入社したときは、配属された部署のことしか知りませんでしたが、同じ野村でも部門や部署、チームによってカルチャーの差もあれば、様々な業務をされている人がいて、視野が広がりました。
今のIBビジネス開発部では、部門を横断して業務を進めることもあります。一つのお客様から多くのご相談をいただくため、各部門と連携をしているのですが、部が違うとこれほどカルチャー等に差があるのかと驚きました。
今のIBビジネス開発部はキャリア採用比率が高く、メンバーが持つバックグラウンドも多種多様です。そういったこともあって、皆さん考え方が柔らかいため、自分も受け入れてもらえたのだと思います。
アルムナイの皆さんへ
ーー最後に、野村アルムナイの皆さんにメッセージをお願いいたします
繰り返しになりますが、野村には多様なバックグラウンドを持つ方が多く、再入社を温かく迎え入れてくれる文化があります。私自身は、野村に戻って本当に良かったと思っています。
そのため、もし再入社について迷っている方がいらっしゃれば、周囲の目を気にせずに、「もう一度野村で働きたいか」「本当にやりたい仕事なのか」と素直な気持ちでご判断いただけるといいのではないでしょうか。

※こちらは過去に野村ホールディングスに在籍していた方専用のコミュニティです