2025年1月27日、株式会社三菱UFJ銀行(以下、三菱UFJ銀行)のアルムナイイベントが、三菱UFJ信託銀行本店ビルで開催されました。
三菱UFJ銀行のアルムナイコミュニティは2023年5月に設立。その背景には、三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)が人的資本経営のなかで掲げる「社員一人ひとりが活き活きと活躍し、社会・お客さまに貢献するグローバル金融グループ」という目標があります。その重点課題の一つである「多様な人材の活躍」の打ち手にアルムナイがなると考え、コミュニティを立ち上げました。
立ち上げから約1年半経過した現在、登録人数1,000名を超える大規模なコミュニティへと成長。三菱UFJ銀行からのビジネスに関する情報発信やアルムナイ同士のビジネスに関する情報交換、ビジネスマッチングなどさまざまな活動が行われています。
その取り組みの一つとして、今回のイベントが開催されました。目的は、アルムナイ同士の交流に加え、三菱UFJ銀行の事業戦略やコーポレートの“いま”を知ってもらい、アルムナイと三菱UFJ銀行の協業のきっかけにつなげることです。より多くのアルムナイが参加できるよう、前半パートはオンラインとオフラインのハイブリッドで行われ、中には海外からの参加者も。そんな盛況だったイベントの様子をレポートします。
※こちらは過去、三菱UFJ銀行に在籍していた方専用のネットワークです
「アルムナイとの関係は大切な財産」開会のあいさつ
丹後 健史CHRO(最高人事責任者)のあいさつで、第一部がスタートしました。
丹後さん:以前は退職後の縁が途切れがちでしたが、このネットワークを通じ、同じ銀行で働いた経験をもとに新たなつながりを築いていきたいと考えています。人的資本という言葉は現役社員に使われることが多いですが、退職されたみなさまとの関係も大切な財産だと捉えています。
私自身、人事として仕事をするなかで、お客さまやビジネスパートナーとして、あるいは再び同僚として、さまざまな形でアルムナイの方との交流が生まれています。本日は当行の現状についてご紹介するとともに、みなさまとの交流の場としてこの会を有意義なものにしたいと思います。
食への取り組みや宇宙開発など事業の”いま”を紹介
続いて「三菱UFJ銀行のいま:最新事業のご紹介」と題し、食に関するMUFGの取組みであるFood-X Projectの紹介、宇宙産業におけるMUFGの取組み、今後のビジネス拡大の3つのトピックスについて、現役社員が紹介しました。
【1】食に関するMUFGの取組み~Food-X Projectご紹介~
最初に、産業リサーチ&プロデュース部 次長 牟田 健さんが「Food-X Project」の概要を紹介します。
牟田さん:人間の生活に食は欠かせません。ですが、世界的に非効率なフードシステムが課題となっています。日本の食料自給率は38%とG7最下位であり、将来的に深刻な事態を迎えるリスクがあります。
この社会課題に取り組むことを決意し、2022年4月にプロジェクトを立ち上げました。フードシステムの強化による自給率向上と、個人のウェルビーイングの両立をめざし、企業やアカデミア、官公庁など幅広いステークホルダーと連携しながら、貢献する道を探っています。
さらにプロジェクトの詳細について、営業本部ケミカル・ウェルビーイング部 次長 芳我 真倫さんが紹介します。
芳我さん:食のバリューチェーン全体を対象に、エンドユーザー領域・インフラ領域・資源領域の3つに注力して活動しています。
具体的な活動内容は、日本企業の正当な評価をめざすルールメイキングや、他社との協業による持続可能な農業の実現、スタートアップ支援のためのエコシステム構築などです。グループの壁を超えた食領域のイノベーションにも取り組んでいます。
【2】宇宙産業の展望とMUFGの取組み
続いて、ソリューション本部サステナブルビジネス部 調査役 野田 和宏さんによる、宇宙産業関連の取り組みの紹介です。
野田さん:宇宙産業には、ロケットや人工衛星などの地上から宇宙をめざすアップストリームと、そのテクノロジーを活用して地上の産業に新しい価値を生み出すダウンストリームの2つの領域があります。
ダウンストリーム領域において力を入れているものの一つが、衛星データを活用して温室効果ガスの排出量を測定し、企業の脱炭素への取り組みを可視化する活動です。
また、日本初の民間ロケット打ち上げをめざすスペースワン社への出資など、国内外のスペース関連企業への投資も行っており、金融機関としてさまざまな機能を提供することで、宇宙産業全体の発展に貢献すべく活動しています。
【3】ビジネス拡大について
最後に、東京新規営業部 部長 寺内 朋哉さんより、ビジネスの拡大について紹介がありました。
寺内さん:三菱UFJ銀行のビジネス拡大をめざし、アルムナイのみなさまとの新規取引の開拓を進めています。具体的には、銀行口座の開設やMUFGグループとの各種取引や既存のお客さまとのビジネスマッチングなどを想定しています。
全国5か所の新規営業部が窓口となり、約90名体制で担当いたします。アルムナイのみなさまが起業された会社や勤務先との取引、さらにはお知り合いやお取引先への広がりも視野に入れ、社会貢献も含めた価値創造をめざします。
三菱UFJ銀行による3つの取り組みに、参加者から大きな拍手が起きました。
日本一働きやすい会社をめざす。三菱UFJ銀行の人事部の“いま”
このパートでは、人事部が今注力しているテーマである「2025年度人事制度改定」と「キャリアアドバイザリーデスク」ついての紹介が行われます。
【1】2025年度人事制度改定
人事部 企画Gr 次長 昇高 慶さんより、2025年度の人事制度改定について説明がありました。
昇高さん:2020年から人事制度の改革を進めており、その集大成として、2025年4月に3つの重要な変更をします。
1つ目は、2024年4月より先行して開始している『EX制度』です。現在約50の業務エリアのなかから自分で選んだ領域でキャリアを歩み専門性を高められる制度です。2つ目は、総合職などの採用コースの壁をなくした新しい『プロフェッショナル職』の創設です。コースに関係なく実力を発揮できる仕組みを整えました。3つ目は、転居を伴う異動への手当支給やウェルカムバック制度など、福利厚生の充実を図ります。こうした取り組みによって、日本一働きやすい会社をめざします。
人事制度の大きな改革に、アルムナイたちも興味深そうに聞いていました。
【2】キャリアアドバイザリーデスクの取組み
第一部の最後は、人事部 採用・キャリアGr 上席調査役 須合 玲子さんによる、キャリアアドバイザリーデスクの取り組みの紹介です。
須合さん:キャリアアドバイザリーデスクは、2023年10月に人事部内に設立されました。専任・兼務・副業で担う15名のメンバーは全員、国家資格であるキャリアコンサルタントなどの資格の保有者です。
キャリアアドバイザリーデスクでは、個別相談や拠点セミナーなどの活動をしており、銀行内部の状況を理解しながらも中立的な立場でカウンセリングを行う点が特徴です。心身の健康や仕事とプライベートの両立など、従業員の総合的なサポート体制のひとつとして機能しており、2024年の上半期の個別カウンセリング件数は128件です。
参加者のみなさまがご自身で選ばれた人生やキャリアを正解に導く、お手伝いができたら、嬉しい限りです。
当日イベントに参加したアルムナイ限定で、キャリアアドバイザリーデスクを活用できるとのお話もありました。
新しいつながりが次々と生まれた交流会
人事部 企画Gr 次長 昇高さんによる乾杯のあいさつで、第二部の交流会がスタート。
最初は、事前アンケートで募集した「ビジネス」「キャリア」「人事制度」といった参加目的別のテーブルにわかれて交流します。気軽に交流したい参加者向けに「緩やか」のテーブルも設けています。同じ目的を持つ参加者が集まっているだけあって、初対面同士でも会話が弾みます。さっそく会場のあちこちで、名刺交換をする姿が見られました。
三菱UFJ銀行を卒業し、さまざまな業界で活躍するアルムナイたち。ビジネスやキャリアに関する意見交換を活発に行い、お互いに刺激を受けている様子が印象的でした。
また、「人事制度」のテーブルで新しい人事制度について話す現役社員とアルムナイの姿も。時間が経つほどに、会場の雰囲気は盛り上がっていきます。
自由にテーブルを移動しながら、いろいろな人と積極的につながりをつくる参加者が多く、新たな協働の可能性がたくさん生まれました。
「互いに力になれる関係を築きたい」締めのあいさつ
活発に交流するうちに、あっという間に終了時刻に。丹後 健史CHROによる締めのあいさつで、幕を閉じました。
丹後さん:本日は多くの方にご参加いただき、このような華やかなイベントが開催できましたことを大変嬉しく思います。
私たちがめざすのは、みなさまの横のつながりを深め、互いに力になれる関係を築くことです。銀行の取り組みについてもご理解いただき、新たなビジネスチャンスが生まれることを期待しています。
今後ともさまざまな形でご参加いただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました。
閉会後、名残惜しそうに会場を後にするアルムナイたち。その表情からも、充実した時間を過ごせたことが伝わります。
9割を超える回答者が「満足」以上の回答
参加者に実施したアンケートでは、9割を超えるアルムナイから「満足」「とても満足」との回答がありました。その理由として「さまざまな分野で新しいキャリアを歩んでいるアルムナイとの交流が刺激になった」「短時間で事業や人事制度など三菱UFJ銀行の今を知ることができた」などのコメントがありました。
また、オフライン参加が難しい地方や海外在住の方からは「普段なかなか情報をキャッチしづらいが、銀行の最近の取り組みがわかる良い機会になった」とのコメントもありました。
さらに、オフライン参加した約半数のアルムナイが「今後のビジネスやキャリアにつながるような出会いや情報交換があった」と回答。まさに、今回の交流会の目的としていた「お互いを知り、学びや協働のきっかけをつくる」ことが実現できたと言えるアンケート結果となりました。
交流会をきっかけとした、今後のさらなる広がりが期待されます。
※こちらは過去、三菱UFJ銀行に在籍していた方専用のネットワークです