様々な部署で現在活躍中のアルムナイが集合し、自身の今をプレゼンする交流イベントを開催

2024年5月16日、日清食品アルムナイ・コミュニティの2回目のオフラインイベントを開催。約10名のアルムナイが日清食品東京本社に集まりました。今回はアンケートで多く要望のあった「現役で活躍するアルムナイ」が中心に参加。日清食品グループから生成AIの取り組みについてのプレゼンと、アルムナイから自身の現在の取り組みについてお話しいただきました。

※こちらは過去に日清食品に在籍していた方専用のネットワークです

「これからも貴重な縁を大切に」執行役員・CHRO正木さんからのメッセージ

開会にあたり、執行役員・CHROの正木茂さんのメッセージが、人事部の石橋さんから読み上げられました。

執行役員・CHROの正木茂さんメッセージ

公私ともにお忙しい中、イベントにご参集いただきありがとうございます。今回は他社でご活躍されている現役世代の方を中心にお声がけさせていただきました。今回のイベントを通じて、ぜひみなさま同士が良い関係を築けることを願っています。

私が日清食品ホールディングスの人事責任者となって、この春で満5年となりました。この5年間を振り返っても、私たちの働く環境は大きく、驚くべきスピードで変化してきたと思います。例えば、コロナ禍によって在宅勤務などが当たり前となりましたし、有価証券報告書における人的資本開示が義務化さるなど、以前は全く想像ができないような変化がおきています。

経営や日本の社会全体が、企業人事へ寄せる期待はいっそう大きくなり続けています。このような環境の中でビジネスを継続していくこと、お客様へ価値を届け続けていくことは、現在日清食品グループに勤めている者が会社の中だけで閉じていては、決して成り立たないのは明らかです。

アルムナイのみなさまだからこそ見える日清食品グループのいいところ、成長余地を教えてほしいと思います。そしてみなさまにとって、今の日清食品グループにご自身の成長機会があると感じたら、ぜひ戻ってきて再び力を貸してほしいと思っています。これからも引き続き日清食品グループのアルムナイとして、私たちの貴重な縁を大切にさせてください。

日清食品グループの生成AIの取り組みを紹介

続いて、日清食品ホールディングス情報企画部デジタル化推進室室長の山本達郎氏が登壇し、「日清食品グループの生成AIの取り組み」について紹介しました。

日清食品グループは、2023年4月にグループ専用のChatGPT環境「NISSN AI-chat」を公開しました。

現在、日清食品では営業部門の月間利用率が7割に到達しています(日清食品グループ全体の月間利用率は4割)。例えば、販促・企画提案やプロモーション、キャッチコピーなど、アイデア出しの「壁打ち相手」に「NISSIN AI-chat」を活用することが多いそうです。営業部門のインターンシップでも、学生のみなさまにNISSIN AI-chatを活用した模擬商談にチャレンジしてもらうなど、積極的に活用しています。

しかし、導入当初は「なかなか利用の裾野が広がらなかった」と山本さんは振り返ります。「どう使い、自分の業務にどう活かせば良いのか」が社員に浸透していなかったのです。そこで、簡単に業務に活用できるプロンプトテンプレート(NISSIN AI-chatへの指示文の雛形)を開発。100種類以上の各部門の業務に合わせたプロンプトテンプレートが完成しており、日清食品グループ全体に展開しています。また、現場の声を積極的に聞き、日々プロンプトテンプレートやシステムの改良に努めています。

現在は、社内の情報を把握しているAIの構築(AIが社内ドキュメントや各業務システム内の情報を参照し回答する仕組みの構築)や、Microsoft 365アプリに生成AIを搭載した「Copilot for Microsoft 365」の検証を進めています。最新モデルのGPT-4oは1か月以内に社員が使用できる環境を構築予定です(現在は既に構築が完了)。山本さんは「今期1年間で働き方は大きく変わります。今後AIを社内の様々な業務に統合し、業務プロセスを再設計することで、業務の効率化とイノベーションの創出を実現することを目指していきたいです。」と語りました。

アルムナイ3名が登壇、現在の取り組みを紹介

日清食品グループからのプレゼンテーションのあとは、アルムナイによるピッチトークを実施。現在取り組んでいる仕事について紹介しました。

照田晋也さん
株式会社カスミ/USMH株式会社 VCMマネジャー/第三エンジンユニットマネージャー 

2012年に日清食品ホールディングスに入社し、経理業務や工場立ち上げ、管理体制の構築、業務改革などに携わった照田さん。2022年より株式会社カスミ/ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス株式会社にて新規事業の推進、経営戦略プロジェクト、製造機能の管理高度化などに取り組んでいます。

照田さんは、食品小売業の新規事業とは具体的にどんなことをしているのかを詳しく紹介しました。例えば、植物工場で栽培したレタスを独自ブランドで展開するなどの取り組みを行っていると言います。

そのほか、代替肉の製造・開発を行う「ビヨンド・ミート」社の商品の販売や、同社の商品を使った加工品の開発・販売。さらに自身のスマートフォンで商品のスキャンから決済まで完了するアプリ「Scan&Go」の開発・外販などのリテールテックにも取り組んでいます。

照田さんは現在の会社と日清食品グループとの違いについても語りました。

「メーカーに比べて小売業は事業構造・組織構造がとてもシンプル。非常に経営陣との距離も近く、意思決定やアクションを実施するスピード感も早いですね。

逆にメーカーの方が強いと感じるのは、マーケティングやブランディングの意識。小売業として競争に生き残っていくためには、他にはない商品やサービスを作らなければなりません。そのためには絶対にマーケティングやブランディングが必要です。ブランドは長い時間をかけてブレずに育てていかなければなりません。しかし、小売業はスピード感がある反面、数値面の管理をしながら粘り強くブランドを育てるナレッジが少ないと感じています。私自身の経験も生かして変えていければと思っています」

福本匡孝さん
株式会社デリシャスノーツ 取締役

2015年に日清食品に入社し、約7年間勤務した福本さん。その後アクセンチュア株式会社で、消費財メーカーを中心に業務改革やチェンジマネジメントを支援し、2024年4月から飲食業界専門のコンサルティング企業である株式会社デリシャスノーツに入社しました。

福本さんは全国の飲食企業に導入を進めている「Uberall(ウーバーオール)」を紹介。Facebookなど125以上のメディア、自社サイトなど、Web上のお店の情報を一括管理できるクラウドシステムです。

「お店のホームページやメディアの情報は、ウェブ上の住民票のようなもの。きちんと情報を整えてユーザーに届けていくことで、ウェブでの検索結果の表示回数増加につながり、認知率にも直結し、結果が集客にも大きく影響します。飲食店だけでなく、カーディーラーや美容院などにも展開できると考えています」

また日清食品での経験を活かしながら、新たに取り組んでいるのが「食のインフラ整備の実証実験」。2024年4月から、パナソニック株式会社、デイブレイク株式会社、デリシャスノーツの3社で「セルフレジ決済型 冷凍スマートショーケース」で冷凍食品無人販売サービスの実証実験を開始しました。「日清食品で培った経験を活かして、日本の胃袋産業に貢献していきたいです。」と、福本さんは意気込みを語りました。

その他にも、スタートアップの登竜門 ICCサミット「スタートアップ・カタパルト」で2024年に優勝した注目企業「ケミカン」に勤務する小田さんから、SDS(安全データシート)管理をサポートするクラウドサービスの内容について説明がありました。 

小田史彦さん
株式会社ケミカン リードエンジニア

活発に意見を交わし合う懇談会

プレゼンテーション終了後は、飲み物と食事を楽しみながら歓談タイム。「生成AI、すごいですね」「ChatGPTが最新モデルにアップデートされて影響ありました?」など、プレゼンの内容に関連したテーマや、現在の仕事についてなど、自由に意見を交わし合いました。

「生成AIの取り組みに興味があって参加した」というアルムナイは「生成AIでいろんなことができるんだと気づきを得られました。ぜひ私も使ってみたいです」と感想を語りました。

ほかにも、「現在の日清食品グループでの取り組みを知ることが出来たり、現役世代の異業種の方と交流することが出来て刺激になりました。また、ChatGPTの取り組みが特に印象的でお話しを聞けて良かったです」など、アルムナイからはさまざまな感想が寄せられました。

約2時間のイベントはあっという間に終了。事務局を務める人事部の比企正樹さんは「今日は活発な意見交換ができる会となりました」と振り返ります。「8月で日清食品のアルムナイ・コミュニティは2年目を迎えます。年内にまたイベントを開催することも考えていますので、みなさんぜひご参加ください」と最後に呼びかけ、イベントは幕を閉じました。

※こちらは過去に日清食品に在籍していた方専用のネットワークです