九州電力は、従来の電力事業にとどまらず、新しい事業領域への挑戦を進めています。変わりゆく九州電力の姿、そして新たな価値を共に創るアルムナイネットワークの取り組みについてお伝えします。
ビジネスソリューション統括本部 人材活性化本部 人事グループ 松下 彰吾さん(写真右)
※こちらは過去九州電力・九州電力送配電に在籍していた方専用のネットワークです
九州電力の現在
ーアルムナイネットワークの立上げを決めた背景について教えてください。
楠田:九州電力では「九電グループ経営ビジョン2030」を掲げ、これまで中心としてきた国内の電気事業に加えて、海外事業、都市開発といった分野にまで事業領域を拡大しています。より豊かで快適な生活や、経済活動につながる新規事業や新サービスの展開にも注力しています。
松下:事業規模としてそこまで大きなものではないですけど、電気事業に関連したところで言えば、集合住宅向けのEV充電器の開発とか、面白い例で言うと、サーモンの養殖とかもやってます。養殖施設の水質を一定に保つために、IoTやAIを活用した先進的なシステムを活用しながら、一年を通しておいしいサーモンを提供していて、ブランド化もされているんですよ。
楠田:「KYUDEN i-PROJECT」といって、従業員からビジネスアイデアを出していただく公募制度があるんですけど、そこから事業化されたサービスもたくさんあります。
電気事業は勿論なんですが、こうした成長事業もしっかりと拡大していくためには、多様な強みを有する人材を、見出して、育てて、活かして、人材の力で新しい価値を創造していくという考えのもと、人的資本経営を推進しています。
その一環として、当社を退職された方々も貴重な人的資本と捉え、新たな知見や経験をもたらす存在として、アルムナイネットワークの構築に踏み切りました
経営層からも「やるべきだろう」という意見が多く、社内稟議や決済も非常にスムーズに、とても早いスピード感で進んでいきましたね。
引用:新しい明るさを、いっしょにつくろう。i-PROJECT
https://kyuden-innovation.jp/
これまでの退職者との関係性との違い
ーなるほど。ちなみに、これまでの退職者との関係性というのはどういったものだったんでしょうか?
松下:これまで九州電力では、「ジョブリターン制度」や「カムバック採用制度」などを設けていました。しかし、退職者に対して積極的にアプローチすることはなく、関係性が希薄な部分もありました。実際にこのジョブリターン制度を活用して再入社された方は、数名程度です。
今回アルムナイネットワークを導入するにあたって、元社員の方々を貴重な人的資本と捉えて、積極的にこちらからもアクションを起こす。コミュニケーションを継続的に取りながら、関係性を構築していく。時には再雇用という結果もあるでしょうし、様々なコミュニケーションを通じて、ビジネス連携といった関係性も強化していきたいと考えています。
楠田:結婚や出産、家庭の事情で退職された方については、既存の制度を利用して復職されるケースも一定数ありました。しかし、転職など自己都合で退職された方々とは、これまでほぼ関係は途絶えていたと感じています。
今回新たにスタートするアルムナイネットワークは、そうした既存のコミュニティとは異なり、より幅広い退職者の方々と積極的に関係を構築していく取り組みだと考えています。
アルムナイと築きたい未来
ー今後、アルムナイの方々とはどういった関係性を築いていきたいとお考えでしょうか
松下:インフラ業務というのは、もしかすると受け身というか、そういった印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、冒頭楠田からもあったように、経営ビジョンの実現にむけて、今後は成長事業にも力を入れていく方針です、会社としても非常にチャレンジングなことをしていて、企業体質がだいぶ変わってきていると思っています。
ただ、退職された方の中には、前者のような受け身のイメージをお持ちの方もまだまだ多いと思います。なので、このアルムナイネットワークを通じて、九州電力の変化を知っていただいて、認識を上書きしていってほしいなと思っています。
楠田:私も松下も、今はフルリモートで働いているんですけれど、昔の九州電力を知っている方々からしたら、九州電力でフルリモート勤務ができるなんて1ミリも想像できなかったんじゃないかと思います。
私自身、約2年前からフルリモート勤務をしているんですが、それまでは制度がなかったので休職していたんですよね。フルリモート勤務は試行実施中ですが、おかげで、九州電力でのキャリアをあきらめずに働くことができています。他にもコアタイムの無いスーパーフレックスも導入していて働く場所や時間に捕らわれずに働くことができるなど、働き方の柔軟化が進んでいます。それから、社員の自己実現を叶えるための施策にも力を入れてますね。社内公募とかジョブチャレンジといった以前からある制度に加え、管理職のポスト公募制を導入したり、キャリアルートも専門性を伸ばすプロフェッショナルやエキスパートのコースを設けるなど、キャリアを自分自身でつかみとるような環境を整備しています。
すごく柔軟になってきているし、変化のスピードも速いので、そういった会社の変化は是非知ってほしいですね。
あとは、先ほど再雇用やビジネス協業といった話をしましたけど、まずはアルムナイとの関係性を大事にしていきたいです。勿論そういった成果が沢山生まれると嬉しいですけど(笑)
辞めた後もファンでいてもらうというか、そういった繋がり自体を一番大切したいという思いが根底にあります。
また、アルムナイ対会社という話だけではなくて、アルムナイ同士での発展にも期待をしています。アルムナイ同士で新しいビジネスを始めたり、連携を深めていただいたり。九州電力とでなくても、是非是非是非!といった感じです。
(楠田さん:家庭の都合で、現在は神奈川在住とのこと)
(松下さん:3児の父。約6か月間の育児休暇も取得され、ライフワークバランスの整った働き方を実践されています)
九州電力がアルムナイに対してできること
ー九州電力からアルムナイに対してどのような価値提供をしたいとお考えですか?
松下:アルムナイに取り組むにあたって、会社の目的だけを考えていては駄目だと思っています。ハッカズークのシステムに魅力を感じたのは、アルムナイ同士のコミュニケーションも可能という点。
“九州電力で働いていた”という共通点を持つ方が集まれる場って、なかなか無いと思うんですよね。同じバックグラウンドを持つ者同士が集まって、仕事の話をしたり、自分のキャリアについて話をしたり。そんな環境を提供できるということにとても価値を感じていただけるんじゃないかと思っています。
あとは、ただ集まって終わりではなくて、我々としてもしっかりとコミュニティを盛り上げていきたいと思っています。皆さんにとってこのアルムナイコミュニティが良いものになるように、頑張りたいですね。
楠田:正直に言ってしまうと、このアルムナイネットワークでどんな価値を提供できるかはまだまだ未知数な部分も多いなぁと感じています。ただ、九州電力は、今、従業員がアイディアを活かし挑戦できる会社になっていると感じていますので、新しいことを何か一緒にできそうだな、おもしろそうだな、と思ってもらえるよう、魅力をどんどん発信していきたいと思います。
また、松下が言っていた通り、アルムナイ同士のコミュニケーションはニーズのあるところだと思っているので、存分に活用いただければと思っています。アルムナイの皆さんからも遠慮なく意見や提案をいただきたいです。
どんなことに取り組むか
ー現時点で、具体的に取り組んでいきたいことや今後の活動予定はありますか?
楠田:社内でアルムナイネットワークの取り組みを伝えたところ、多くの部門から「興味がある」、「ぜひつながりたい」といった前向きな声が寄せられました。
そのため、人事や経営層だけでなく、現場部門の声などもしっかり発信していきたいと考えています。
松下:ネットワークがある程度軌道にのった段階で、交流会やイベントの開催もやってみたいですね。九州にお住まいの方々には福岡市内の本社に集まっていただき、関東圏にお住まいの方が多ければ、福岡とオンラインでつなぐハイブリッド形式のイベントも面白いのではないかと思っています。
変わろうとしている九州電力を知ってほしい
ー最後に、これからご登録を考えているアルムナイの方にメッセージをお願いします!
松下:退職者の中には、プレスリリースやニュースを通じて九州電力の変化を感じてくださっている方もいるかもしれません。しかし、そういった情報はどうしても無機質で、単なるテキストとして伝わってしまうことが多いのではないかと感じています。
だからこそ、このコミュニティに登録していただくことで、直接コミュニケーションを取りながら、生の声や私たちの熱量を感じていただけるのではないかと思っています。また、九州電力のことを一方的に伝えるだけではなく、アルムナイの皆さんにとっても有益なネットワークとなるよう、積極的に活用していただきたいと考えています。皆さんのご登録を心よりお待ちしています!
楠田:現在、会社の環境は大きく変化しており、新しい付加価値を生み出すためには、多様な価値観を取り入れ、それを尊重することが非常に重要な鍵になってきています。その一環として、アルムナイに限らず経験者採用にも力を入れ、入社後のキャリアルートも多様化させています。活躍の場が広がっている今だからこそ、ぜひこの変化をお知らせしたいですし、ご縁があれば、当社をよく知っているアルムナイの皆さんに再び仲間になっていただきたいという思いがあります。
もちろん、採用に関心がない方にも、ぜひこのネットワークに参加してほしいと考えています。当社とのつながりをこれからも続けていけたら嬉しいですし、一緒に新しい価値を生み出していけることを心から願っています。何か一緒にできることがあれば、ぜひお声がけください。皆さんのご登録をお待ちしています!
※こちらは過去九州電力・九州電力送配電に在籍していた方専用のネットワークです