さまざまな企業のアルムナイをその想いとともにご紹介していく企画「アルムナイ・アルバム(ALUbum)」。今回は、ニフティアルムナイの伊藤和歌子さんにご登場いただきました。
ニフティへの入社の経緯
大学時代、アメリカのニューヨークに留学していたときのことです。当時、黎明期を迎えていたインターネットの存在にすごく助けられたのが印象に残っており、今思えばそれがニフティに入社したきっかけにつながったと思います。
家族や友達との連絡手段として、当時流行していた「Hotmail」や「MailCity」を利用してみたり、また、ホームページを作成して留学生活の模様をアップしたりしていました。
自分の中でも、これまで世になかった「インターネット」という存在が今後世の中の常識を変える存在になるだろうと確信しており、「インターネット」にとても興味を持つようになりました。仮に、もしも自分が5年前に留学していたら、連絡手段は電話とかFAXだったかもしれないと思うと想像もつきません……。
そのような経緯があり、漠然とインターネットに関わる会社に就職したいと考えていたため、2000年頃から本格的にインターネットサービスを始めていたニフティに就職したいと思い、無事に内定をもらうことができ、入社を決めました。
ニフティ時代に携わった仕事
ニフティに入社して驚いたことは、教育システムが大変充実していたことです。ニフティは富士通グループの企業だったので、富士通本体をはじめとするグループ全体の千人近くの新入社員が幕張システムラボラトリに一堂に会し、3ヶ月間みっちりプログラミングやプロジェクトの推進方法、英語、ビジネスマナーなどについての研修を受けました。
ニフティではサポートシステム部に在籍していました。サポートセンターの社員が使う顧客管理システムやコンタクト履歴管理システムの設計・開発や、お客様からの申込みが来た際の登録システムの構築、サーバー管理等に携わっていました。
一番印象に残っているのは、システムの運用部隊にいた頃、父の法事の日に一番重要なサーバーが停止してしまい、父のお墓の前で復旧作業をした事です。
「休日にシステム障害の電話がかかってくるなんて、イヤだな」と思う方が多いかもしれませんが、数百万人規模のお客様を管理する大事なシステムを任されているという責任感やニフティに対しての愛、また父からの「仕事を頑張れ」というメッセージだと受け取り、法事は家族に任せ、父のお墓の前で復旧作業を行い、その日をなんとか乗り切る事ができました(苦笑)。
ニフティを退職した経緯
新卒から8年近くニフティにはお世話になりました。就職氷河期という市況の中、拾ってもらい、育ててもらい、良い仲間と引き合わせてもらい、社会人としての基礎をすべて教わりました。ニフティには愛社精神しかありません。
そんな恵まれた環境の中、家庭の事情で関西に引っ越す事になり、退職しました。ニフティは東京にしか事業所がなく、泣く泣くの退職です……。退職したのは自らの意思ではありませんでしたが、これも何かの運命だったと思っています。
退職後は別のIT企業で人事職にキャリアチェンジをして、現在のエンジニア採用に特化した人事コンサルティングの会社設立となっているので、すべては起こるべくして起こり、つながっているんだなと思いました。
現在の仕事/取り組み
現在は起業したワミィ株式会社で、ITエンジニア採用に特化した採用支援の会社を経営しています。自分がエンジニア出身の人事だったことから、「現代では、全ての会社がIT企業であるように、すべての人事部門のリーダーはテクノロジーリーダーである」の世界を実現する、をモットーにITエンジニア出身のコンサルタントが企業の人事と同じ目線に立ち、採用コンサルティングや実務に伴走しています。
エンジニアの方で、人事の仕事に興味がある方はぜひご連絡ください!
https://en-gage.net/wamii/work_63970/?via_recruit_page=1
ニフティとのリレーション/アルムナイ同士のネットワーク
ニフティ社員やアルムナイとは、今も仕事やプライベートで付き合いがあります。
起業して、「さあ企業ロゴを作ろう!」となった際には、迷わずニフティアルムナイの秋好陽介さんが創業されたランサーズに依頼しましたし、ホームページの画像やチラシ等の販促物作成は元同僚でフリーランスのデザイナーの方に頼んでいます。
古巣ニフティからセミナー登壇も依頼され、プレゼンしたこともありました。
プライベートでもワイン好きの現役社員・アルムナイ同士で定期的に集まったり、ホームパーティも開催しています。最近では釣りもはじめました!
また、2017年に現役社員をはじめアルムナイも集まる大規模なパーティが東京カルチャーカルチャーで開催されたのですが、会場には身動きが取れないほどの人が集結したことを覚えています。ニフティを退職して一番思うのは、アルムナイほど一層ニフティ愛が強いということ。普段からごちゃごちゃ言ってる人もなんだかんだで当日参加していたので、やっぱりニフティのことが好きなんだなと思いました(笑)。
古巣ニフティへのメッセージ
ワミィを起業し、現在「エンジニア採用に特化した採用コンサルティング」の仕事に就いているのは、ニフティでのエンジニア経験があったからできていることです。
就職氷河期の中、特に何かに秀でていたわけでもなく、ただインターネットに興味があっただけの自分を拾ってもらい、育ててもらったことには、本当に感謝しかありません。
私はまだ何もなし得ていませんが、ただひとつ、これからもニフティ卒業生の名に恥じないように、ニフティで得たものを社会に還元していきたいと思います。
また、元同僚達からはとても多くの刺激や影響を受けました。入社して間もない頃は独立や起業なんて自分とは縁遠い世界の話だと思っていました。しかし、ニフティの先輩で「子育てシェア」を展開している株式会社 AsMama 創業者の甲田恵子さんや、「フリーランスプラットフォーム」の ランサーズ 創業者の秋好さんをはじめ、独立開業しているニフティアルムナイの方も多く、ニフティから羽ばたいて自分の力で生きていく姿を見て「私もやってみよう」と背中を押されたのは紛れもない事実ですから。
編集後記
“ワミィを起業し、現在「エンジニア採用に特化した採用コンサルティング」の仕事に就いているのは、ニフティでのエンジニア経験があったからできていることです。”
“独立開業しているニフティアルムナイの方も多く、ニフティから羽ばたいて自分の力で生きていく姿を見て「私もやってみよう」と背中を押されたのは紛れもない事実ですから。”
最後に語っていただいたこの言葉に代表されるように、ニフティでの経験や出会いが、現在の伊藤さんをキャリアに大きな影響を与えているのは間違いありません。
そんな古巣に対して、伊藤さんは古巣からの講演オファーを受け、実際にアルムナイとしてプレゼンを行い、現職のニフティ社員の方々にも影響を与えるようなこともされており、Give & Takeの関係性を実現されていることが素敵だなと感じた、今回の取材でした。(アルムナビ編集部・勝倉 直登)