ドリームインキュベータが5年の年月を経て続ける対話型イベント「DIalog」~カギは社員起点の学び

14回目を迎えたDIalog(ダイアログ)

2025年7月、ドリームインキュベータ(以下DI)本社執務エリア。「そろそろDIalog(ダイアログ)始まりますよ〜」と呼び回る堀場執行役員の声を皮切りに、オフィスの一角には徐々に社員が集まりはじめます。

各々の興味関心を背景に集まった現役社員が思い思いに集まり、用意されたピザや軽食を片手にカジュアルな雰囲気で始まるこのイベントは、2020年のアルムナイネットワーク発足以降、様々な分野で活躍するアルムナイをゲストに招き今回で14回目を迎えます。

14回目の今イベントでは、「宇宙エヴァンジェリスト」として活躍する青木 英剛さんをお招きして、宇宙ビジネスの最新動向や青木さんがDIで学んだことをどうご自身の今のビジネスに活用しているかをお話しいただきました。
青木さんのプレゼンテーションに会場は熱気を帯び、集まった社員達からの質問も後をたちません。

第14回ゲストの青木 英剛さん、ファシリテーター宮内慎さんと事務局メンバー

“三方良し”を体現した対話型イベント

そもそもDIがアルムナイネットワークの導入を検討したのは、今から5年以上前にさかのぼります。
これまでもアルムナイと現役社員の属人的な繋がりは比較的強く、再雇用やグループ会社経営陣への登用、アルムナイとの協業・ビジネス連携等が意識せずとも当たり前に行われてきました。2020年に経営体制の変更に伴い、こうした繋がりを「仕組み化」、オフィシャルにアルムナイネットワークが発足しました。発足から一貫して目指しているのは、DI・社員・アルムナイ”三方良し”のネットワーク運営だと言います。

DIalogは、その”三方良し”の理念を体現しているイベントです。

『DIalog』の名称は、“DI” と “dialog(対話/会話)” の意を込めた造語です。
開始した当初はコロナ禍だったため、アルムナイ・社員共にオンライン形式で実施していましたが、ここ数年はアルムナイをオフィスに招くことができるようになり、ハイブリット形式をとっています。現役社員はもちろんのこと、アルムナイも自由にオフィスを訪れていただき、参加することが可能です。
これまでに現役とアルムナイ、あるいは在籍期間の異なるアルムナイの間で、DIが大切にする価値観である「枠を超え」た交流が多々生まれました。

開始当初は新旧社長対談や誰もが知る”大物アルムナイ”を迎えての企画が多かったものの、近年では異色の経験を持つアルムナイをゲストに迎え、尖ったセッションにも挑戦しています。
ここ1年は「芸人のリアル」をテーマに、お笑い芸人の傍らでコンサルティングを行うアルムナイがお笑い界の裏話や、BPとして培った仮説思考・分析力がネタづくりにも役立っているという意外な話をしてくれたり、あるいは起業して一時は注目のスタートアップ社長として話題になったものの、最終的に事業を手放すことになったアルムナイに「しくじり先生」として “失敗談” を語ってもらったりという斬新な企画のもと、セッションを実施しました。華々しい成功だけでなく、失敗を糧にした今後の展望を聞くという希少な機会のため現役社員の関心はより一層高く、質疑応答では熱のこもった質問が飛び交っていたことが印象的です。自らの失敗談を惜しみなく共有してくれるアルムナイとこうした関係を続けていられることは、DIの強みの一つとも言えるでしょう。

DIを卒業したアルムナイが外に出て習得した自身の経験や学びを還元してくれて、それを現役社員等が自身の業務やキャリア形成の一助とする、そうすることで「社会を変えるビジネスプロデューサー輩出企業」現役社員もDIという会社に更に誇りを持てる。DIalogの取り組みを通じて、こういったプラスの連鎖を生み出せたらいいというのが、事務局の皆さんの想いです。

最近のDIalogお知らせ用バナー

14回も実施をしていると、事務局メンバーだけで企画を考えるのが大変なのでは、と質問いただく機会も多いそうですが、特に最近では、DIalogの企画にあたっては現役社員からの「こんな話が聞きたい!」が起点になることも多いと言います。

アルムナイネットワークはその言葉通りアルムナイによる参加があってこそですが、イベント企画を始めとした取り組みを検討するにあたって、あくまで現役社員の学びを起点に進行していくことが、5年という年月をもってしてなお粛々とネットワーク運営を続け、形骸化せずにDIalogを継続実施できている要と言えるでしょう。
DIalogへの現役社員の参加人数・割合は徐々に増え、今では参加者全体の8~9割を占めるようになってきました。業務時間外の自由参加にもかかわらず、参加率も30~50%と安定的に推移しています。

現役社員の学びを起点に拡がる可能性

実は、2020年よりアルムナイネットワークを立ち上げたアルムナイ事務局の活動は社内でも認められ、昨年2024年からは会社のインナーコミュニケーション全般を担う役割を新たに任命されました。元々、アルムナイ活動はアルムナイに対してのコミュニケーションにとどまらず、未来のアルムナイである現役社員に対しても「辞めても仲間である」というメッセージを間接的に伝えるべく活動してきましたが、インナーコミュニケーションの役割を正式に担うことで、より活動の幅が拡がってきていると実感しているそうです。

DIは2000年の創業後徐々に歴史が長くなり、規模が拡大するにつれ現役社員の中には「あの著名人がDIアルムナイである」ということを知らない世代も生まれています。直接つながりのない世代をつないでいくことで、彼らの人脈を拡げていくこともアルムナイ活動の意義の一つになってきました。

今回イベントに参加していた社員からはこんな声が聞かれました。

・アルムナイの皆さんが『日々、求められるレベルが高かったけれど、DIほど成長できる場はなかった』と語るのを聞くと、今の経験がきっと今後の自分の糧になると信じられて、すごく励まされます
・アルムナイの方々が今もDIに愛着を持っていることが伝わってきた。
・異なる業界や職種で活躍されている姿を見て、自分のキャリアを見つめ直す良いきっかけになりました。

ネットワーク開始後から一貫して事務局を担う人事総務グループ河野さんもこう述べます。

アルムナイの皆さんとこうして継続的に関係を築くことができ、DI卒業後も会社に多くの学びや気づきを提供していただけることに感謝しています。

アルムナイネットワーク発足当初は、コロナ禍の真っ只中で、交流の機会を持つことすら難しい状況でした。それでも少しずつ歩みを進め、今では在籍期間が重ならないアルムナイ同士や、現役社員との間にも交流の機会が生まれています。
アルムナイと現役社員がこの場でつながり、語り合う様子を見ると、これまで積み重ねてきた取り組みが形になったことを実感します。

アルムナイネットワークを運営するのは会社ですが、あくまでもプラットフォームですから、登録者が自由につながりをつくり、情報がスムーズに流れるような環境を如何に整えていくかが肝要だと事務局の皆さんは考えているそうです。

DIでは、新卒研修の講師としてアルムナイが登壇したり、事業投資先でアルムナイの方々が代表取締役等に就任するなど、アルムナイとの協業が様々な形で生まれていますが、現役社員を起点に継続してイベントを実施するこうした運用こそが、アルムナイとの新しい価値を創る文化の醸成に一役買っていることは明白です。

今後もDIalogを通じて社員とアルムナイに様々な可能性を拡げていくであろうDIのアルムナイネットワークから目が離せません。

※こちらは過去にドリームインキュベータに在籍していた方専用のネットワークです