2025年4月25日、株式会社日本政策金融公庫(以下、日本公庫)中小企業事業本部が、2回目となるアルムナイ交流会を開催しました。
2024年1月、政策金融機関の中では先駆け的に本格的なアルムナイネットワークを設立した日本公庫。今回の交流会では、「生成AI」をテーマにワークショップも実施。日本公庫アルムナイだからこそできる、AIとの協働のあり方を探りました。
※過去、日本政策金融公庫 中小企業事業本部に在籍していた方専用のネットワークです
アルムナイネットワークの目的と日本公庫の最近の取組みを紹介
交流会は、アルムナイネットワーク運営事務局の船津雄介さんによる、日本公庫の近況報告で幕を開けました。船津さんは改めてアルムナイネットワークの目的を振り返り、直近の日本公庫の取組みを紹介しました。
アルムナイネットワークの目的は、「公庫からアルムナイへの情報発信」「アルムナイから公庫への前向きな情報発信」「アルムナイ同士での情報発信」の3つ。アルムナイに向けて、日本公庫の今について定期的に発信したり、オンラインのランチ会を開催してアルムナイから直接意見をもらったりと、アルムナイとの関係を深める取組みを行っています。
「アルムナイからは非常に大きな刺激をもらっています」と語る船津さん。「事務局という立場で皆さんと接する中で、自分の仕事へのモチベーションも上がっていると感じます。本当にありがたいと思っています。」
アルムナイ事務局の船津さん
ワークショップ「生成AIとの協働による課題解決」
お題「紙コップのふちはなぜ丸まっている?」
続いて、本日の目玉であるワークショップが行われました。ファシリテーターはアルムナイの重松理貴さんが務めました。重松さんは現在、公益財団法人日本生産性本部で経営コンサルタントとして活躍しています。ワークショップのテーマは「生成AIとの協働による課題解決」。様々なシーンで活用が進むAIと協働するために必要なことは何か、ワークショップを通じて体験しました。
参加者に出されたお題は、「なぜ紙コップのふちは外側に丸まっているのか」。紙コップ、水、はさみを使って考え、人を納得させる説明ができるよう意見をまとめます。
ワークショップは2つのチームに分かれてスタート。参加者の皆さんは実際に紙コップに水を入れてみたり、ふちを切って比較してみたり、自由に手を動かし、意見を出し合いながら考えていきました。人を納得させることができるかどうかについては、「実際に持ってみてください」と声をかけ、言葉だけでなく体験を通じて伝えるという工夫も見られました。
ワークショップ終了後は、両チームが成果を発表。「飲む」「持つ」などの紙コップを使う場面だけでなく、輸送や耐久性に注目した意見など、様々な意見が出されました。最後に重松さんから「生成AIと協働してこの課題を解決するとどうなるか?」についての解説が行われました。
AI時代にこそ活きる「公庫のDNA」
今回のワークショップで重要なポイントは「試すこと」と話す重松さん。生成AIと協働する際も、AIに現状と課題をインプットして回答を得るだけでなく、それをもとに実際に試行錯誤することが必要です。「AIが答えを出すわけではありません。AIの分析を見ながら行動を変えていくことで、答えに近づいていくことができます。」
重松さんによれば、“試す”ことに踏み出す人は意外に少ないのだそうです。
今回のワークショップで、日本公庫アルムナイはためらわずに試行錯誤しながら答えを導き出しました。それができるのは「公庫のDNA」が身についているからではないかと分析します。
「日本公庫では、お客様との対話を重ね、現場にも積極的に足を運びながら、経営に関するアドバイスを継続的に行ってきました。こうした「公庫のDNA」は、生成AIとの親和性が非常に高いのではないかと感じています。今後、生成AIが事務的な業務を担うことで、より多くの時間を現場での対話に充てることができれば、公庫本来の強みがさらに発揮されるはずです。」
活発な交流が行われた懇親会
ワークショップの後は、懇親会が行われました。乾杯のあいさつは、事業管理部副部長の尾川芳晴さんが務めました。
「アルムナイ交流会には初めて参加しました。皆さん、良い顔をされているなと。それぞれの決断で日本公庫を飛び出して多様な経験を積んでいるんだなと、個人的に非常に尊敬し、刺激を受けました。この場が皆さんにとって、良い出会いと良い気づきの時間になりますことを祈っています。」
懇親会では現役職員との思い出話に花を咲かせたり、積極的に名刺交換を行い現職について紹介したりと、活発な交流が行われていました。アルムナイに感想を聞くと、「公庫の良さやすごさを改めて感じた」といった声が寄せられました。
・交流会には初めて参加しました。在籍当時、一緒に仕事をしていた方や、アルムナイの皆さんとも交流できて、改めて公庫の「人の良さ」を感じました。
・今回のワークショップを通じて、日本公庫のレベルの高さを再確認しました。みんな強い責任感を持って仕事をしていたからこそ、行動力も高いのだと思います。
アルムナイの声(一部)
最後は、アルムナイの宮本朝加さんの締めのあいさつで、イベントは幕を閉じました。
「本日は事務局の皆さんをはじめ、本当に貴重な会を開いていただき、ありがとうございました。辞めた後もオフィシャルに呼んでいただいて、本店ビルに集まることができることを嬉しく思っています。アルムナイの皆さんとも、つながることができてすごく嬉しいです。また皆さんで日本公庫を懐かしみながら、集まる機会があればと思います。」
アルムナイの宮本さん
事務局からひとこと
対面での交流会としては昨年に続き 2 回目の開催となりましたが、参加者と交流する中でアルムナイ同士での情報交換が活発に行われていることを知り、ネットワークの存在意義を実感することができました。
今後も、アルムナイの皆さんと交流できる機会をオンラインも含めて定期的に設けていきますので、ぜひお気軽にご参加いただければと思います。
退職後も「公庫のDNA」がアルムナイの中に生き続けていることを確認した本イベント。AIとの協働が必要となる時代に、日本公庫アルムナイだからこそできることを考えるきっかけを得られたのではないでしょうか。今後の展開にも期待が高まります。
※過去、日本政策金融公庫 中小企業事業本部に在籍していた方専用のネットワークです