「戻ってきて良かった」一度は離れた滋賀銀行へ再入行を決めた理由

滋賀銀行 中村 夏輝さん

新卒で入社した会社を一度辞めて、数年後に再び戻る──。そんな選択をする人が増えている中、滋賀銀行でも「アルムナイネットワーク」を通じて、再入行を積極的に受け入れています。

今回お話を伺ったのは、2018年に新卒で滋賀銀行に入行し、その後、公務員としての勤務を経て、2025年1月に滋賀銀行へ再入行した中村さん。なぜ古巣への復帰を決めたのか、そして実際に戻ってみてどう感じているのか。率直な思いを語っていただきました。

※こちらは過去に滋賀銀行に在籍していた方専用のコミュニティです。

新卒入行から退職まで~営業の現場で培った経験

──まずは簡単に、これまでのキャリアについて教えてください。

2018年に新卒で滋賀銀行に入行しました。最初の配属は滋賀県東部に位置する支店で、入行2年目からは渉外担当として法人や個人のお客さまを担当。その後、異動を経て、2つの店舗で勤務しました。

2023年3月に滋賀銀行を退職し、約2年間は公務員として勤務しました。縁あって、2025年1月から再び滋賀銀行に戻っています。

──銀行員時代で、特に印象に残っている出来事はありますか?

一番印象に残っているのは、やはりお取引先の社長の方々との関わりです。

訪問の度に、雑談から経営に関する相談までさまざまなお話をさせていただき、信頼関係を築いていく過程は醍醐味でした。親しくさせていただいた社長さまもいて、たくさんのことを学ばせていただきました。銀行での仕事を思い返すと、まず思い浮かぶのはそうした方々とのつながりです。

一方で、大変な時期もありました。私が渉外担当をしていた頃は、ちょうど新型コロナウイルスの流行が始まった時期。制度融資などの対応に追われ、緊張感のある日々が続きました。

また、滋賀銀行は企業に対するファイナンスの提供だけにとどまらず、M&Aの助言や事業計画の策定支援など、コンサルティングにも力を入れています。お客さまの課題に向き合うのは大きなやりがいがある一方で、その分、責任の重さも感じていました。

公務員への転職、そして感じた銀行との違い

──退職を考えるきっかけは何だったのでしょうか。

後輩から「公務員試験を受けてみませんか?」と誘われたことがきっかけです。

当時は営業がしんどいなという思いもありましたし、銀行で5年ほど働き、「全く違うフィールドで自分を試すのもいいかもしれない」という思いが芽生えたことも、決断を後押ししました。

──銀行と公務員の違いで驚いたことはありましたか?

前職では、主に空き家対策を担当していました。倒壊等の恐れがある危険な空き家の通報があると、現地調査をして、所有者の方に文書で指導をしたり、電話をかけたり、訪問したりという業務でした。

地域や社会に貢献できるというやりがいを感じる場面も多くある一方で、行政の仕事は、法令や条例に基づいて行動する必要があり、その分慎重さや正確さが求められます。そうした特性から、スピード感や柔軟性という面では少し動きにくさを感じることもありました。

業務の中心は、事務手続きで、半年・一年と時間が経つにつれて目の前のお客さまの課題に向き合い、ともに悩みや喜びを分かち合いながら信頼関係を築いていく――そんな仕事のスタイルの方が、自分には合っているのではないかと感じるようになりました。

再入行のきっかけはアルムナイネットワークだった

──再入行を考えるきっかけについて教えていただけますか。

公務員として働きながらも「これで良かったのかな」という迷いを感じていた矢先、たまたま銀行の元同僚や後輩と食事をする機会があり、「アルムナイネットワーク」という取り組みを教えてもらいました。

調べてみると、アプリで簡単に登録できるということだったので、とりあえず登録。プロフィール欄には「再就職を考えているか」という項目があったので、「1年以内を目処に考えている」にチェックを入れました。

しばらくして、人事部の方から「一度オンラインで話しませんか?」と連絡をいただきました。正直、一度辞めたら戻れないと思っていたので、連絡を受けたときは驚いたのを覚えています。

再入行を決めた理由~尊敬できる人たちとの再会

──最終的に滋賀銀へ戻ろうと思った決め手は何だったのでしょうか。

やはり、銀行で一緒に働いた上司や同僚、後輩の存在ですね。銀行を離れて改めて感じたのは、「尊敬できる人、こんな風になりたいと思える人が多かったな」ということです。

特に印象に残っているのは、当時の上司です。毎朝5時に起きて1時間勉強してから出勤し、仕事も抜群にできるうえに、後輩の面倒見もとても良い方でした。当時の自分は「とても真似できない」と思っていましたが、「上司が仕事で成果を出していたのは、人一倍努力されていたからなのだ」と銀行を離れて、そのすごさがより実感できました。

また、滋賀銀行での仕事そのものの魅力にも改めて気づきました。お金のお話だけでなく、お客さま・地域の発展のために、さまざまな提案をすることができます。また、社内には多様な部署があり、自ら手を挙げれば、新たなチャレンジができる環境も整っています。

「働き続けるなら、やはりこういう環境が良い」と思ったことが、再入行を決めた大きな理由です。

再入行をして気付く変化

──再入行の前に不安はありましたか?

正直、不安はありましたね。人事部としては「ウェルカム」という雰囲気でしたが、実際に現場に戻ったときに、以前一緒に働いていた方や、新しく同僚となる方が受け入れてくれるだろうか…という心配はありました。

それに、約2年のブランクがありましたから、仕事についていけるのか、ブランクを取り戻せるのかという不安もありました。

──実際に現場に戻ってみていかがでしたか?

心配はいりませんでした。周りの方は全く気にされておらず、「普通に異動で戻ってきた」くらいの感覚で接してくれるんです。みなさん温かく迎えてくださって、本当にありがたかったですね。

ブランクに関しても、もちろん忘れていることはたくさんありますが、上司が丁寧に教えてくれますし、周りにサポートしていただきながら少しずつ思い出している感じです。

──再入行してみての率直な感想はどうでしょうか。

やっぱり忙しいですね(笑)。覚えることも多いですし、資格の勉強もしなくてはいけません。でも、充実した毎日を送れている実感はあります。

昔はどこか「嫌々やっている」部分もあったかもしれません。でも今は、自分の捉え方が変わったことで、日々の仕事を前向きに楽しめています。

──昔と比べて、職場の変化を感じることはありますか?

はい、たくさんありますね。まず、支店長をはじめとした上席の方々のマネジメントの仕方が変わっていて、とても働きやすい環境になったと感じます。

給与面も、僕が辞めた頃と比べて水準が上がっています。たった2年ほどのブランクでも「こんなに変わったのか」と思いました。

働き方に関しても大きな変化がありました。休みも取りやすい雰囲気で、しっかり取得しています。全体的に、より健全で、続けやすい環境になったと思います。

これから再入行を考える人へのメッセージ

──外の世界を経験したことで、どんな気づきがありましたか?

銀行の仕事は本当に幅広くて、いろいろなことに挑戦できていたのだと改めて気づきました。

滋賀県で働くならば、仕事内容や待遇を含め、滋賀銀行はとても良い環境だと実感しましたね。

──最後に、再入行を考えている方にメッセージをお願いします。

外の世界に身を置いたからこそ、改めて滋賀銀行の良さを実感できましたし、自分の意思で一度離れ、自分の意思で再入行を決めたので、以前より覚悟を持って仕事に取り組めています。おかげで、納得感を持ちながら日々の業務にあたることができていると感じます。

キャリアを考えるうえで大切なのは、「自分がどうなりたいか」をしっかり見つめることだと思います。新卒の時は、私自身、正直そこまで考えられていませんでした。しかし、異なる環境で働く経験を通じて、自分の価値観や理想の働き方がより明確になりました。そのうえで、数ある選択肢の中から「滋賀銀行に戻る」という決断をしたのは、自分にとって最も納得できる選択だったからです。

前職で働いた経験も大変貴重でしたが、人としての成長や視野の広がりという点では、やはり銀行の方が得られるものが大きいと私自身は感じています。そういう環境に身を置くことが、自分の成長にもつながるのではないでしょうか。

※こちらは過去に滋賀銀行に在籍していた方専用のコミュニティです。