
2025年9月30日、株式会社JTB(以下、JTB)は第1回JTBアルムナイ交流会を開催しました。
JTBグループは、1912年の創立以来、地球を舞台に交流を創造してきました。「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する」というグループ経営理念のもと、「交流創造事業」を事業ドメインとしています。
これまでお客様や事業パートナー様との取引を通じて培った「交流創造力」がJTBグループの強みであり、交流創造を支える力の中でもっとも大切な資産は「人財(※)」です。これまで数多くの優秀な人財を輩出してきたからこそ、退職者=アルムナイとの関係も人財と捉え、継続的・組織的つながりを構築しています。
現在300名以上のアルムナイがネットワークに登録しており、社員との未来共創を促進するべく、今回のイベント開催に繋がりました。
(※)JTB グループでは、”人材”は「企業や組織の成長を支える財産となる大切なリソース」であるという意思を込め”人財”と表記。
※こちらは過去、JTBに在籍していた方専用のネットワークです
1. アルムナイと社員の再会、アルムナイ同士の新たな出会いの場に
「一昔前は、退職者との関係を続けるなどもってのほか、このような時代もあったと思っています。しかし、時代は大きく変わりました。皆様のお力を借りながら、JTBグループも成長していかなければならないと考えています」。
JTBが本社を構える天王洲アイルで開催した交流会は、CHRO 大八木さんの熱のこもった挨拶から幕を開けました。

乾杯の合図で各テーブルでの交流がスタートしました。JTB在籍時に関わりのあった社員との再会を喜び合う姿、名刺を交換をし今の活動を伝え合う姿、アルムナイが「JTB」を共通項に自然と会話を楽しむ様子が印象的でした。

2. 2035年ビジョンとイノベーションに懸ける想い
イベント中盤では、社員からJTBの「今」と「未来」が語られました。
■ アルムナイの力を借りて200年続く企業へ
まず、取締役常務執行役員(経営戦略・DX担当)の藤井さんが、10年先を見据えたJTBグループの今後の方向性について発表しました。
藤井さんは「外で活躍されているアルムナイの話を見聞きすると、こちらも元気になる」と敬意を表しつつ、「JTBで働いていたことを誇りに思っていただきたい」とメッセージを伝え、アルムナイも真剣な表情で受け止めます。
高い専門性と洞察力で世界をつなぎ・つくり・つなげ、感動と幸せで人々を満たす、「新」交流時代のフロンティア企業となる。そのためには、110余年の歴史で培った専門性に、情報やテクノロジーの変化、さらにはアルムナイをはじめとしたグループ外の知見も組み入れていく必要性を訴え、200年続く企業の実現に懸ける想いを語りました。

■ 全社を巻き込むイノベーションの仕組み
続いて、イノベーション戦略推進チームの渡邊さんが、全社イノベーション推進プログラム「nextender」を紹介しました。
コロナ禍を機に、「この先100年もJTBが持続的に成長し続けるために、イノベーション創出は必須」だと考え、イノベーションや事業開発に挑戦できる「CHALLENGE」と、イノベーションを学ぶ研修や事業開発に興味関心のある人同士がつながる場を提供する「KNOWLEDGE」の両輪で動いています。
社内向けの取り組みが中心ではあるものの、実際にアルムナイの方がイベントに参加した事例も語られ、アルムナイも興味深そうに耳を傾けます。
「イノベーションは社内だけで留まるものではなく、社外連携は絶対に必要」と断言し、「交流創造No.1」の実現に向けて、新たな動きを呼びかけました。

■ 旅の力をウェルビーイングへ昇華させる新規事業
最後に、メディカル事業部の坂上さんが、JTBから生まれた新規事業を2つ紹介しました。
・「こことり」旅のチカラで元気なこころを取り戻す“対話型”旅行プログラム
・「UniTri~ゆにとり~」疾患、障害のある方、家族の快適な旅と健やかに過ごせる生活を支援
まさにJTBのホスピタリティを活かした新しい取り組みです。
メディカル事業部では事業開発の意見交換を目的に、ヘルスケア領域に携わるアルムナイと関係性を築いています。JTBにいたアルムナイだからこそ、事業への理解も深く、既存事業推進と新規事業開発のヒントを得ることが出来ています。


3. 多岐にわたるアルムナイの挑戦とJTBへの期待
続いて、アルムナイを代表して3名が登壇し、それぞれの現在の活動、JTBとの連携可能性についてプレゼンテーションを行いました。
■ 学生のキャリア支援とJTBへの提言
現在、大学でAIを活用した就職支援をおこなう大室さんは、JTB出身のブランド力・ネームバリューが学生・教育関係者にも絶大であると強調しました。
修学旅行や学校教育の変化を指摘し、学生のキャリア支援のためにも「色々な業界で活躍するアルムナイの知見、JTBの力を是非お貸しください」と連携を強く求めました。

■ 観光人材育成を担う実務家教員とJTBの連携
現在、実務家教員としてJTBでの経験を活かす澤井さんは、大学講義で学んだことを実践で活かす産学連携の事例として、JTBの支店やグループ会社との連携を紹介。
「JTBのアルムナイネットワークが観光協会やDMO、自治体との繋がりでも助けになる」と実感を述べました。そして、将来の観光人材の育成を共に担うことを呼びかけました。

■ JTBで育んだ観光魂を胸に新たな分野で挑戦
現在、MaaSスタートアップの会社員、自ら事業を起こす実業家、そしてゲストハウスのスタッフと、三足の草鞋を履く星野さん。
「初めて日本に来て目をキラキラさせてチェックインしてくる旅人との交流を通じて、本当に旅行って楽しい」と今も変わらない旅への情熱、観光魂を語りました。

4. 共創の熱気
社員とアルムナイのプレゼンテーション後、会場は更なる熱気に包まれました。アルムナイから経営層へ直接質問を投げかける様子など、JTBの今と未来を捉え、共創の機運が高まる場となりました。
最後に、事務局代表として緑川さんによる中締めの挨拶と集合写真をもって、イベントは盛況のうちに閉会しました。



5. 参加したアルムナイの声
参加後のアンケートでは、「イベントに参加することで得られた情報・繋がりがあった」、「アルムナイの取り組みを他の人にも共有したい」と8割以上の方から前向きな回答をいただきました。
JTBの取り組みへの関心と、アルムナイネットワークの価値を再認識する声が多く寄せられています(以下、一部コメント抜粋)。
・「JTBのビジョンや方向性を理解できた。他のアルムナイの方々のキャリア形成などが非常に参考になった」
・「JTB時代にお世話になった方々や、自分と同じように転職した方々と合流することができた。また、今のJTBの取り組みを知ることが出来たのも良かった。こうした機会を設けていただき、ありがとうございました!」
・「長期ビジョンを見据えた10年計画やその先の新しいJTBマインドを浸透させる上で、現在の取り組みがJTBに還元できると考えます」
アルムナイとの繋がりがJTBの「新しい価値創造の源泉」となる
今回のイベントは、JTBが掲げる「交流創造」の形を社外へ大きく広げる試みとなりました。
今回の交流会を通じて、JTBの長期ビジョンやイノベーションの実現にはアルムナイとの連携が欠かせないことを、参加者全員が改めて感じ取る場となりました。
アルムナイの皆さんも、JTBが次の時代に向けて挑戦し続ける熱意に触れ、自らの知見を活かせる新たな可能性を感じているようでした。
イベント後に、JTBへの再入社を決めた方や、ビジネス連携を深めたいとする声も出ており、アルムナイネットワークは交流の場としてだけでなく、「未来を共に創るプラットフォーム」として加速していくことが期待されます。
※こちらは過去、JTBに在籍していた方専用のネットワークです









