【アルムナイネットワーク活用術 Vol.2】 前職の“つながり”を活かす起業家サポーターたち

アルムナビ運営元のハッカズークが提供するアルムナイ(退職者)専門サービス「Official-Alumni.com」では、ネットワーク活性化に向けて様々な取り組みを行っています。その一つが「アルムナイサポーター」制度です。サポーターは企業やハッカズークと連携し、アルムナイならではの視点でコミュニティ内でのイベントの企画や運営のサポートを行っています。今回は起業家となった2名のサポーターに、アルムナイネットワークと現在の仕事のつながりや、サポーターに就任した背景や楽しむポイントなどを伺いました。

プロフィール

三井住友海上火災保険株式会社のアルムナイサポーター:北河博康さん(写真左)
現在はロボットDXビジネスを活用した社会課題解決・地方創生のコンサルティング企業「株式会社MOGITATe(モギタテ)」を立ち上げ、日本全国を飛び回る日々を送る。

住友商事株式会社のアルムナイサポーター:斎藤亮太さん(写真右)
現在は東洋医学の考えをベースにした健康食品等の企画・開発・販売をする「株式会社ピクシェル」を立ち上げ、中国と日本を拠点に活動中。

アルムナイサポーターとは

より良いアルムナイコミュニティを目指して、アルムナイ同士のコミュニケーションのきっかけづくりを行ったり、交流会やイベントの運営のサポートなどを行うアルムナイを「アルムナイサポーター」として認定しています。

>>サポーター応募フォーム

プロカメラマンによるアイコン用写真撮影・専用フレームアイコンのご提供・ノベルティのプレゼントなど、サポーター向けの特典をご用意しています。また過去に所属していた企業のアルムナイコミュニティだけでなく、「Official-Alumni.com」をご利用中の他社アルムナイコミュニティのサポーターとも接点を持つことができ、企業の垣根を超えたつながり作りにもお役立ていただけます。

前職の経験を活かして起業するまで

ー本日はよろしくお願いします!さっそくですが、お二人の職歴を教えてください。

北河さん:

三井住友海上では、リテール営業からキャリアをスタートしました。その後は保険商品の販売戦略・サービス開発、官公庁や自治体への提案・提言活動を経て、営業推進部で全国の営業部門を統括・支援していました。2021年3月末、29年間勤めた三井住友海上を早期退職し、同年4月にコンサルティグ会社を設立・代表に就任しました。

斎藤さん:

私は2006年に住友商事に入社し、鉄鋼部門に配属となりました。その間に約6年間の中国駐在を経験したことが、現在の仕事にもつながっています。帰国後は、同社の労働組合専従役員とヘルスケア事業部での薬局・ドラッグストア関連の業務に従事しました。2021年9月に退職し、漢方や薬膳など東洋医学をベースとした商品の開発・販売を行う会社を起業しました。

ー 斎藤さんは駐在経験とヘルスケア事業の経験が起業に活きているのですね。北河さんも前職のご経験を活かされているのでしょうか?

北河さん:

はい、もちろんです。お客様から「金融商品である保険と、ロボットDXビジネスにどんなつながりがあるのか」と聞かれることがありますが、新しい産業には新しいリスクが伴うので、新しい保険が不可欠です。保険会社が自動車保険を整備し、提供したことがモータリゼーションの発展に貢献した流れと同じです。

例えば、社会課題である高齢化に対しロボットを活用することで、人の介護の負荷を低減したり腰痛などの労災事故を予防したりする効果が期待されますが、ロボット提供側は専用の保険が付いていないと、怖くてロボットを市場に投入できません。

ただし、これらのビジネスは保険会社が単独でできることではなく、異業種と連携することで発揮できる価値だと思っています。三井住友海上時代に培った自治体や専門家とのネットワークを活用して、ロボットDX関連のベンチャー企業が持つ技術やサービスを社会に役立てる橋渡しを行っています。

アルムナイサポーター就任の背景

ー アルムナイサポーターになったきっかけや理由を教えてください。

斎藤さん:

サポーター募集のお知らせを見て、交流活性化のために何かしらサポートがしたいなと思い応募しました。「ビジネス経験や考え方が近い人と交流したい」という自分の希望が叶えられ、かつ前職の役に立つこともできる。良い仕組みですよね。住友商事にはとても感謝していて、退社してからも度々ありがたみを感じています。

北河さん:

私も自分から応募してサポーターに就任しました。アルムナイネットワークという有効な仕組みがありながら、自分から発信するアルムナイが少ないことに気付き、活性化を図るにはまず自分が発信する必要があると感じたためです。サポーターとしてはネットワークの活性化に役立てるよう、アルムナイの皆さんが興味を持っていただけそうなセミナーを紹介したり、取り扱う商品を特別提供価格で案内したりと色々な情報を投稿しています。

ー サポーターになってみていかがですか?

斎藤さん:

サポーターという役割のおかげで、住友商事のアルムナイネットワーク内でコミュニケーションを取りやすくなりましたね。現役時代には面識が無かった他部署の方とも「実はあのプロジェクトに関わっていました」という話ができたり、私の事業のために現役社員が人を紹介してくださったこともありました。

また住友商事人事部主催のアルムナイイベントで乾杯の挨拶を頼まれたこともありましたね。残念ながらその日は通信状況が悪く、乾杯の直前にインターネットが落ちてしまったのですが…。

アルムナイ同士のつながりだけでなく、住友商事の人事関係者や他社のサポーターなどとの交流も増えたと感じています。

北河さん:

私の場合は三井住友海上との事業連携が円滑に進められていると感じます。会社を辞めた気にならないくらい、密にコミュニケーションを取っていますね(笑)。

企業の枠を超えた楽しみ方

ー お二人は以前のサポーター交流会(※)でもお話されていましたね。他社サポーターはどんな存在ですか?
※複数企業のアルムナイサポーターが集まって、ワークショップや懇談を行う交流会

斎藤さん:

他社サポーターは、様々な取り組みや事例を教えてくれるありがたい存在ですね。

もともと退職後につながりを持つという文化がなかったところから、ここ最近「アルムナイ」という言葉や概念が少しずつ盛り上がってきているように感じてます。その変化の中で、アルムナイ当事者である私自身がアルムナイネットワークを楽しみながら活動することで、この文化を定着させていけたらいいな、と思っています。その楽しみ方、活用の仕方を教えてくれる存在がサポーター仲間ですね。

北河さん:

他社のサポーターの方々は、起業家マインドを持っていたり、学びに意欲的な方が多くいらっしゃいます。そういう方と出会えることが嬉しいですね。一方的な情報の「テイク」だけではなく、「ギブ」で積極的に関わってくださる方たちだと思います。

斎藤さん:

私も北河さんに同感です。

アルムナイネットワークに参加する目的は人によって様々ですが、まずは自分から情報を発信することが、楽しむ上で必要なことかなと思っています。

以前いくつかのオンラインサロンに入っていたことがありますが、その場を楽しんでいるのは「発信している人」でした。情報がもらえる・教えてもらえると思って受け身で待っているだけでなく、小さいことでも良いので「ギブ」を繰り返すことで、ネットワークのメリットを享受でき、楽しむことができるのではないかと思います。

北河さん:

他社サポーターの方とお話してみて、業界や業種が違ってもアルムナイネットワーク活性化に向けた悩みや課題は共通点が多いことが分かったんです。他社サポーターと課題を共有したことで、私は「アルムナイとのビジネス連携」領域でのロールモデルを目指したいと考えるようになりました。実際にアルムナイ同士の事業連携で「離島の活性化」や「お寺のDX化」など面白いビジネス連携を生み出せています。そういったケースが参考になるといいなと考えています。

ー 自分から発信することにハードルは感じませんか?

斎藤さん:

私は特にないですね。そもそも所属している企業には、考え方や価値観が似ている人が集まっていると思います。そこからさらに退職する道を選ぶ人同士となると、なおさら波長が合うのではないでしょうか。そういった方々との出会いが人生の宝物だと思っているので、使命感ではなく自然にコミュニケーションを取っています。

同じ道を選んだ人と会ったり話をしたりすることは、とても面白いですよ。

アルムナイサポーターとしてのこれから

ー 今後の展望を教えてください。

北河さん:

一つ目は、事業連携をどんどん進めていきたいです。専門的なスキル・経験や、進取の気性を併せ持つ様々な企業のアルムナイメンバーとの事業連携は、お互いにとって大変有益だと感じています。

二つ目は、アルムナイと企業の事業連携のロールモデルとして、取り組みを社会にもっとアピールしていきたいです。この事業連携の事例や価値をより多くの方に知っていただき、一緒に取り組むアルムナイと企業を増やすことで、社会全体に対してポジティブな影響を与えられると信じています。

斎藤さん:

私の場合はコンシューマー向けの事業を行っているため、企業向けのビジネスを行う住友商事との事業連携はなかなか難しいのですが、アルムナイ同士のビジネス連携はぜひ進めていきたいことの一つです。

また先ほどの繰り返しになりますが、アルムナイネットワークを楽しみ、活用するために、自分から「ギブ」することをより意識していきたいと思っています。私自身がアルムナイネットワークのメンバーに挑戦を後押ししてもらった経験があるので、私も良き相談相手としてアルムナイ同士・現役社員との関係を積極的に深めていきたいです。

ー お二人のご活躍を応援しています。ありがとうございました!

編集後記

大企業を退職し、起業という道を選んだお二人。人生を主体的に切り開いていくお話はとても興味深く、あっという間にインタビューの時間が過ぎてしまいました。

企業への想い、アルムナイへの想い、現役社員への想いなど、記事には書ききれなかったエピソードがたくさんありますので、興味を持たれた方はサポーター交流会やアルムナイネットワークで直接お話を聞いてみてください。

※Official-Alumni.comユーザーに限ります