【人事必見記事】採用コスト削減を成功させる8つの手法

本記事では、採用コストを削減するために必要な見直し箇所を詳しく解説していきます。

「採用コスト」とは?

採用コストとは、「人材を採用するのにかかる費用のこと」です。経営幹部、正社員、業務委託、アルバイト、インターンといったあらゆる職種を採用するための費用のことを指します。

採用手法の全体を整理する

採用コスト削減のために、会社の業績、配属予定の部署などと鑑みて採用計画を再構築します。

>>採用計画の正しい立て方と見落としやすい5つのポイント

採用の年間目標
・採用の人数
・採用のための予算
・いつまでに採用が必要か
・指標と目標数(母集団形成、応募数、面接通過数、内定数など)

採用要件
・経験
・スキルや資格
・志向性、行動特性、価値観など

全体の採用計画を前提に、次の項目で採用手法を見直していきましょう。

採用コストは内部と外部に分解して考える

採用における内部コスト

内部コストとは、社内でかかる採用イベント・書類選考・面接などの人件費や工数です。具体的には以下になります。

・採用イベントの開催費
・書類選考、面接官や採用手続き担当者の人件費
・応募者や内定者への交通費
・内定者フォロー、内定懇親会などの交際費
・電話対応やメール対応などのオフィス職員の人件費
・ノベルティグッズ費

採用における外部コスト

外部コストとは、外部に支払う採用広告出稿コストや人材紹介料費用などです。具体的には以下になります。

・採用媒体への求人広告費
・人材エージェントへの人材紹介成約費
・会社説明会などの人件費や会場費
・パンフレットなど採用ツール製作費
・内定者への外部研修費

採用コスト削減のためには内部、外部コストに分けて削減できる箇所がないかを確認していくのが効率的です。

採用コスト削減のために確認すべき8つのこと

採用手法にはさまざまな方法があります。採用手法を整理することにどの辺りがコスト削減になるのかを把握しましょう。

特に注目すべき以下の8つの項目を詳しくみていきましょう。

■選考のプロセスで削減できる部分はないか?
■求人広告媒体からの採用は正しく行われているか?
■人材紹介会社の成約費用はどのくらいかかっているか?
■早期離職、採用ミスマッチが起きていないか?
■自社サイトでの採用強化
■無料で掲載可能な採用媒体の活用は進んでいるか?
■リファラル採用は周知できているか?
■アルムナイ採用は会社全体で取り組めているか?

①選考プロセスにおける採用コスト

採用計画を立て、採用するまでに以下のような選考プロセスを行います。

まずは、採用コストとして母集団形成が上手くいっているのはどの経路かを確認しましょう。

母集団形成のための手段
採用イベントの開催からの応募は潤沢か?
採用媒体への掲載からの応募は来ているか?
転職エージェントからの採用率は適正か?

有効な手段ではない場合は、別の手段に切り替えることも必要です。例えば転職エージェントからの採用率が高くない場合はもっと担当者と密にコミュニケーションを取ることで、エージェントを通して自社の魅力を数多くの人に理解してもらい応募を増やすことができます。

次に選考プロセスを精査します。それぞれの選考プロセスには人件費がかかっています。

選考プロセス
書類選考
筆記試験の実施
面接の日程調整
社内にて面接官のアサイン
面接の回数の調整
内定者フォロー

書類選考は人事が履歴書や職務経歴書を確認し、筆記試験がある場合は通過者にその依頼を送ります。

その後の面接の回数は1回〜3回、多くて5回です。1次面接や2次面接は人事や配属予定部署のマネージメントラインが担当し、経歴や実務能力の確認を行い、最終面接では配属予定部署の責任者や経営者が入社後の活躍イメージを含め、入社意欲の確認を行うことが多いです。

選考のプロセスを余分にかけてはいないか?ということを再度確認することで採用コスト削減を成功させることができます。

②求人広告媒体からの採用の適正性

広告の求人媒体からの採用率は適正かを確認することも必要です。求人サイトにより、年齢・性別・得意とする業種・職種、求職者の志向性などが異なります。大手の求人媒体は、リクナビNEXT、doda、type、マイナビ転職、エン転職などの総合求人媒体から女の転職typeやRe就活・Greenなど特化型の媒体が挙げられます。

目安の1人当たりの採用単価は、100~300万円。求人広告での平均的な1人あたりの採用単価は、約40万円です。Wantedly、ハローワークやリファラル採用などに比べるとコストはかかりますが、うまく活用することができれば転職エージェントから採用するよりもコスト削減をすることができます

求人を掲載するだけではなく、効率的に自社ターゲットへ訴求するために多くの転職サイトには「スカウトメール機能」や「サジェスト機能」があります。求人サイトに登録している求職者のレジュメを確認し、自社ターゲットにマッチした人材に対しアプローチメールを配信したり、レコメンドとしてサジェスト機能を活用することができます。

③人材紹介会社の成約費用

採用が決定した際に企業側から転職エージェントに成功報酬という形で手数料を支払います。

Webサイトや求人媒体などに募集広告を出してもたくさんの応募者の中から欲しい人材が確実に見つけてくれるとは限りません。そのため企業からすれば、条件に見合った人材の紹介を転職エージェントに依頼したほうが、より短時間、低コストで理想の人材を採用できる可能性が高いのです。

転職エージェントは、転職したい個人が登録をすると、転職相談や求人の紹介、面接のセッティング、給与などの条件交渉、さらには就職後のアフターフォローまで、転職に必要なすべてをサポートしてくれます。サポートの結果、転職が決まっても、サービスを利用した求職者個人が報酬を払う必要は一切ありません。

手数料を払ってでも、転職エージェントを利用するメリットは十分にあると判断する企業は少なくありませんし、採用が成功しているチャネルとしてかなり有効な手段であると考えられます。

④早期離職、採用ミスマッチの確認

採用しても早期に離職してしまうという採用のミスマッチは、現場と採用を担う人事の認識の乖離で発生します。早期離職、採用ミスマッチを改善することで無駄な採用コストを大幅に削減することが可能です。

人事側では活躍できる人材のペルソナを設定し採用するのですが、そのペルソナ自体が働く現場と乖離していると、自分自身はここには相応しくないのではないか?早めに退職して次を探す方がいいのではないか?という気持ちになってしまい早期退職に繋がります。

そのため人事としては新たに人材を確保しなくてはいけないため、採用するコストがかさみます。

関連記事:早期離職の原因と対策!新卒・若手社員の離職を防止する4つのコツとは

関連記事:採用ミスマッチが起きる原因と対策 | ミスマッチが起きにくい採用手法とは

⑤自社サイトでの採用強化

まずは、自社の魅力とは何か?会社のことを知ってもらいましょう。自社のサイトから応募が来てくれれば、広告媒体費用やエージェント費用を削減することができます

また社員紹介や自社の魅力、社風を自社サイトに掲載することによって応募する意向をあげることができます。入社した後の働き方が具体的に感じられますし、この会社に入社したい!一緒に働きたい!という動機を植え付けることが可能です。

⑥無料掲載可能な採用媒体の活用

無料で使える採用サイトでは、正社員、契約社員、アルバイト、有期雇用派遣労働者、無期雇用派遣労働者と幅広く掲載が可能です。国が運営しているハローワークも含め無料掲載できる媒体数は少なくありません。

<特にお勧めしたい企業>
・採用コスト削減したい企業
・従来のやり方では、応募が集まらない企業
・新しい採用手法を積極的に取り入れていきたい企業
・自社で母集団形成ノウハウをためていきたい企業

自社で求人を作成し、インターネット上に公開するので少し工数はかかりますが費用は社内の人件費のみですのでコスト削減したい場合は特にご利用をお勧めします。

⑦リファラル採用の周知状況

リファラル(referral)は、「推薦」や「紹介」という意味があり、リファラル採用とは、既存の社員から繋がりのある知人や友人などを紹介してもらう手法を指します。

業界を問わず人手不足が叫ばれる中、注目を浴びている採用手法で、リファラル採用はベンチャーを中心に取り入れる企業が増えています。

>>リファラル採用とは?メリット・デメリットと注意点を解説

⑧アルムナイ採用への取り組み

アルムナイ制度はアルムナイネットワークによって生まれる利点の一つで、一度退職したメンバーをもう一度社内に受け入れる、「出戻り制度」のようなものです。

>>アルムナイとは?人事・HR領域で注目される背景と大企業の導入事例

アルムナイネットワークは企業が退職者とのつながりを持つことで、企業と退職者、両方の価値につながるwin-winな関係を作ろうとする考え方です。アルムナイとは英語で「卒業生」を意味する言葉で、現在注目されている採用手法の一つです。

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