さまざまな企業のアルムナイをその想いとともにご紹介していく連載「ALUbum」。今回は三井住友海上アルムナイの松尾さんにご登場いただきました!(在籍期間:2001年〜2023年)
三井住友海上に勤めていた当時の仕事内容
2001年に旧住友海上に入社をして、大阪本社の業務部というところで仕事をしていました。そして同年10月、三井海上と合併するタイミングで、会社に所属しながら社会人学生として、関西大学の社会学部に入学をしました。
当時はリーマンショックの前後で世の中がめまぐるしく変化している時期でした。社会学は、その時の流行や社会の動きを研究する学問なので世の中を広く知ったり、今後の人生を考えたりするのにぴったりだと思い、社会学部で勉強することを決めました。
大学を卒業した後はコンプライアンス部や、災害対策室で業務を行いました。災害対策室は大きな自然災害があった際に立ち上がる部門で、実際に災害地に赴いて、被災者の方々に保険金のお支払い業務や、現場でのサポート業務等を行っていました。
現在の取り組み
三井住友海上を退職後は、2023年4月から関西大学大学院社会安全研究科の元吉研究室で災害心理学を専攻し、災害自己効力感について研究を行っています。災害自己効力感とは、「災害発生時に自分が適切な対応をとって、生き延びたり、被害を最小限に抑えたりすることができる、災害後も自分自身で立ち直ることができる」と感じる力のことです。被災者の方は災害から時間が経っても、ふとしたきっかけで災害のことを思い出し、心を痛めてしまうケースが多々あります。そこからどのように自分自身で心をケアし、それを行動に移していくか、といったことを研究しています。
災害心理学を専攻しようと思ったきっかけなど
災害対策室での経験が大きいです。当時は現地に赴いて被災した方々とお話しすることがよくありました。被災されて非常に辛い境遇にいらっしゃるので、とても辛そうにしている方がいる一方、その後立ち直られて、被災者の方からお礼のお手紙をいただくこともあります。どんなきっかけがあり、こうやって辛い状況から立ち直ることができたのだろう、と当時はよく思っていました。私自身、被災された方に寄り添うだけでなくて、その方達の気持ちを温めて、前向きになっていただけるような対応って何かあるのではないかと思っていましたし、私自身もそんなことができる人間になりたいと思ったことが一番のきっかけです。
また当時の上司からの「災害に遭って大変な方に、感謝されることを求めて仕事をしてはいけない。その場に自分がいかせてもらったことに感謝しなさい。」という言葉が心に残っています。被災者の方たちは保険金の手続きをして生活の再建をしようとしている。私たちはその一役を担わせてもらえていることに感謝しなくてはいけない。三井住友海上時代に周りの方から教えていただいた考えは、大学院生として研究をする上でもとても大切にしています。
アルムナイネットワークに参加してよかったこと
昔辞めた人や関わりがあった人と再会したり、直接連絡できたりしたことですね。昔は辞めた人は裏切り者、という風潮が強く、退職した方とはなかなかコミュニケーションを取ることができませんでした。アルムナイネットワークを導入いただいたことで、いろんな方から連絡をいただいたり、皆様の活躍を知ることができたりと、昔の仲間たちと交流ができることはとても嬉しいですね。
所属企業やアルムナイの皆様にPRしたいこと
私自身、自分の研究や取り組みを通して、世の中をよくしていくことに貢献していきたい、といった気持ちがあります。それはもちろん、他のアルムナイの方も同じだと思うので、そういう方達とアルムナイネットワークを盛り上げていきたいな、と思っています。
また、私はキャリアコンサルタントの資格を保有しており、三井住友海上時代から社会活動に直結する巻き込みなどを通じて社外人脈を構築し、仕事と学業の両立をしながらパラレルキャリアの構築を進めていたり、人的資本経営の中に災害時における災害心理学を活かした人材育成も構想していたりしています。現在、人事や人のキャリアに関わる仕事をされている方とも情報交換をしてみたいので、気になった方はぜひ、お声がけください。