“生涯式場”の八芳園がアルムナイネットワークで目指す、退職者との関係性「会社を離れても、生涯にわたって関わりを持ち続けたい」

株式会社八芳園がアルムナイネットワークを立ち上げました。

八芳園は近年、ブライダル事業以外の領域にもビジネスの幅を広げています。それに伴い、求める人材も変化。「そんな時、頭に浮かんだのがアルムナイの顔だった」といいます。

※こちらは過去、八芳園に在籍していた方専用のネットワークです

株式会社八芳園
経営管理部 マネジャー 川﨑さん
経営管理部 古川さん
総務部 小杉さん

今の八芳園だったら、アルムナイと一緒に働くチャンスがある


——アルムナイネットワークを立ち上げた背景を教えてください。

川﨑:アルムナイの取り組みには、主に採用の観点から興味を持ちました。

数年前から、当社はメイン事業であるブライダル以外の領域で、新規事業の柱を立てようとしています。それに伴い、採用職種にも変化がありました。

従来は「いかにホスピタリティを提供できるか」を重視して採用をしてきましたが、新規事業を立ち上げるとなると、マネジメントや利益追求の視点など、ビジネスのマインドを持った人材が必要です。

ところが、そういった人材の新規採用は世の中全体を見ても難しくなっており、採用には苦戦しています。

そんな時、頭に浮かんだのがアルムナイの顔です。アルムナイとは個人的にSNSでつながっていることも多く、「今の八芳園だったら、あの人の仕事と共通点があるな」「今ならあの人にこのポジションを任せられたかも」など思うことが多々あったのです。

ブライダル事業は土日出勤を含むシフト制であり、ライフステージの変化に伴い辞めざるを得ない人も一定数いましたが、新規事業であれば働ける人もいるかもしれません。

そもそもブライダル事業も働き方を見直していますし、ここ数年はフリーのウェディングプランナーとして、業務委託で当社に戻ってきてくれるスタッフも出てきています。アルムナイの取り組みを通じて、そんな事例をもっと増やせるのではないかとも思いました。

——ブライダル以外のビジネスに参入した背景は何ですか?

川﨑:晩婚化や人口減の流れを考えれば、この先、ブライダルの市場は厳しくなるからです。

現在は「イベントをプロデュースする企業」という方向性への転換を図るべく、例えば企業イベントをブライダルのようにプランナーがプロデュースする、海外の方に日本文化を体験していただくイベントを自治体と組んで行うなど、新たな事業を始めています。

最近では、地方創生と関連して地方自治体と一緒にイベントを行うこともあります。まず東京のポップアップショールームで地域や商品の認知を広めてから、当社のチームが現地に赴き、自治体とともに場を作る。そこから派生して、徳島県でカフェ運営をするなど、八芳園の敷地外の事業も動き出しています。

八芳園は“生涯式場”。その想いは、アルムナイに対しても同じ

——これまでの八芳園と退職者はどのような関係性でしたか?

川﨑:個別のつながりはありましたが、会社としての交流はありませんでした。再入社してくれる人も数えるほどです。

ただ、辞めた人が八芳園で結婚式をあげる割合は高く、食事に来てくれるなど、お客さまとしてのつながりはありました。というのも、当社が嫌で辞めるケースは少数で、どちらかというとライフステージの変化や引っ越しなど、辞めざるを得ない事情があって離れる人が多かったのです。

八芳園自体、「辞めた人間だから関係ない」という雰囲気の会社ではありませんし、新規事業においてアルムナイと連携するイメージが持てたこともあり、アルムナイネットワークの検討を始めた約3カ月後には準備が整いました。タイミングもあり、自然な流れでしたね。

——2023年2月から本格的にアルムナイネットワークの運営が始まりました。アルムナイの皆さんとどのような関係性を築きたいですか?

川﨑:ビジネスで協業したい想いもありますが、何より八芳園のファンとして応援してもらえるような関係性を築けるとうれしいです。

「結婚式で終わりではなく、生涯にわたってお付き合いをしていく生涯式場」として、当社はお客さまとの長期的なお付き合いを意識して事業を行ってきました。その想いは、アルムナイに対しても同じです。

退職したとしても、一度は八芳園で一緒に働いた仲間として生涯にわたる関係性を持ちたいですし、皆さんに何か困ったことがあったとき、「アルムナイネットワークで相談してみよう」と思ってもらえるような場になれたらいいなと思います。

古川:お互いの営利目的というよりは、物心両面でWin-Winな関係が築けるようなアルムナイネットワークにしたいですね。

八芳園は人を資産として考え、大切にしている会社だと感じています。それは、「日本のお客様には、心のふるさとを。海外のお客様には、日本の文化を。」という理念によるところが大きいと思っています。そんな八芳園らしいネットワークになればとイメージしていますね。

八芳園マインドを基に、既存スタッフとアルムナイで新しいものをつくる

※過去、八芳園に在籍していた方専用のネットワークです

——具体的にはどのようなことをアルムナイネットワークで行う予定ですか?


川﨑:まずは八芳園の求人情報を共有しつつ、再び八芳園で働くチャンスがあることを伝えていきたいと考えています。

ビジネスの拠点が東京の八芳園に限らなくなったことで、「それなら働ける」というアルムナイもいると思っています。退職後、地元に戻ったり別の地域に移住したりしたアルムナイとまた一緒に働く機会はあるはず。

働き方も雇用だけではなく、業務委託やスポットでのアルバイトなどさまざま。これから働き方はより柔軟になっていくと思いますし、会社としてもその幅をもっと広げていきたいと思っています。

あとは、情報交換もできるとうれしいですね。地方でビジネスを展開するにあたり、当社の近況をお伝えしつつ、アルムナイの皆さんからは現地の採用市場や求職者のニーズ、住宅情報など、地域のリアルな状況を教えてもらえるとありがたいなとイメージしています。

古川:辞めた人を資産と考え、八芳園マインドを基に既存スタッフとアルムナイが融合するようなイメージで、一緒にやっていけたらいいですね。

ホスピタリティとビジネスマインドの両方を持ったアルムナイと、八芳園の既存の仲間をつなぎ、新しいものをつくっていく。そのためにも、まずは八芳園とアルムナイとのつながりをしっかり結んでいきたいです。

川﨑:現在の八芳園はいろいろなことにチャレンジしていますし、それに伴い働く人も多様になりました。既存スタッフも、今までのやり方を変えなければいけないという意識は多かれ少なかれ持っています。

とはいえ、八芳園が大切にしてきた「目の前のお客さまを幸せにする」というスタンスは、新規事業でも変わりません。根底の価値観はブラさずに、これまでの八芳園では手薄だったビジネスの観点を外の世界で身に付けたアルムナイの皆さんと、また一緒に関わっていきたい。まずはそういう機会があることをしっかりお伝えしたいです。

アルムナイへのメッセージ

―最後にアルムナイのみなさんへ向けてメッセージをお願いします。

小杉:私はずっと事務の仕事をしてきたので、プランナーや調理人、営業など、かつて現場にいたアルムナイの皆さんの方が八芳園のことをたくさん知っていると思います。今と比べて、以前は挙式の件数が多かったと聞くので、昔の大変さや、だからこそのやりがいなど、当時のお話を聞きたいです。

同時に、今の八方園の取り組みもこちらから発信できたらと思っています。八芳園で一緒に働いた仲間として、これからもアルムナイと八芳園との縁をつなげていきたいです。まずはぜひ気軽に登録してください。

川﨑:八芳園は今年80周年を迎えます。それに伴い、ブランディングをはじめ変わる部分もありますので、その節目をアルムナイの皆さんと一緒に迎えられると面白いことが起きるのではと思っています。イベント開催なども考えているので、お知らせを楽しみにしててください。

古川:ぜひ八芳園のサポーターになってください。アルムナイネットワークを通じて交流の場をつくりますので、一緒に楽しんでいただくとともに、これからも引き続き八芳園を盛り上げてくださるとうれしいです。