退職者アンケートの重要性とは?エグジットサーベイで分かる退職者の本音

企業として活動していれば、避けることは難しい社員の離職。

離職は残念なことですが、離職時の対応によってはただ悲しく残念なものではなく、今後の会社の改善・発展に繋がるものとすることができます。

そのための有効な手段のひとつとなるのが、今回ご紹介する退職者アンケート(エグジットサーベイ)です。

この記事を読んで、貴社の離職をただの離職から「実りある離職」へと変えていきましょう。

退職者アンケート(エグジットサーベイ)とは

エグジットサーベイとは、Exit(建物の出口や退出すること)+Survey(調査・評価)が組み合わさった言葉です。会社における退出とは、退職のこと。つまり、退職者に対して実施するアンケート調査のことを表します。一般的にオンラインで実施されます。

終身雇用制度が機能していた従来の日本では、定年退職以外で退職者が出ることは多くありませんでした。しかし、2019年の経団連会長・中野宏明氏の「終身雇用を前提にすることが限界となっている」という発言にも代表されるように、終身雇用制度は終わりを迎えようとしています。

またインターネットの普及で、これまでは身近に経験者がいないと知ることができなかった転職体験を、気軽に知ることができるようになりました。これにより転職への心理的ハードルが下がったこともあり、人材の流動性が高まっています。こういった理由から退職が増えてきました。一方、できるだけ退職を防ぎたい企業から、退職理由を突き止める手段としてのエグジットサーベイも注目を集めているのです。

退職者アンケート(エグジットサーベイ)実施のメリット・デメリット

注目を集めるエグジットサーベイですが、一体どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ順番に見ていきましょう。

メリット

エグジットサーベイを行うメリットは大きく分けて2つあります。

退職者の本音を聞き出しやすい

まずひとつ目のメリットは、退職者の本音を引き出しやすいことです。

退職者には「できるだけいい印象を残して辞めたい」「お世話になったので、不満は言いづらい」といった心理があります。そのため顔を合わせた面談では、本音を聞くことは難しいでしょう。

しかし、オンライン上で行うエグジットサーベイの場合は、それに比べて本音を引き出しやすいのです。さらに本音を引き出しやすくするためには、「上司は閲覧しない」「閲覧するのは人事部をはじめ一部の人のみ」といったルールを決め、対象者にも共有しておくのがおすすめです。こうすることで、対象者が安心してアンケートに本音を書くことができます。

最近では、オンラインでの退職者アンケート機能がついたOfficial-alumni.comのようなアルムナイ専門のSaaSツールが大企業を中心に導入されているので、検討してみるのも選択肢の1つかもしれません。

関連記事:アルムナイとは?人事・HR領域で注目される背景と大企業の導入事例

退職者の傾向分析ができる

また、エグジットサーベイでは退職者のデータを取って分析できるのも大きなメリットです。例えば、年代や性別などの属性によって多い退職理由を見つけることもできます。SPIなどの性格テストと組み合わせれば、退職者に多い性格パターンを知ることもできます。

このように得たデータを利用して、会社改善や社員のケアなどに役立てていくことができるのです。

関連記事:データで見る退職者の動向!優秀な若手人材の「離職・転職」意識の変化とは?

デメリット

一方、エグジットサーベイには以下のようなデメリットもあります。

導入コストがかかる

エグジットサーベイのシステムを、自社で構築するとすれば人的コストが、外部に発注するとなれば金銭的コストがかかってきます。

ある一定退職者数がいる場合や離職率の低下が急務の場合は、エグジットサーベイが必要となりますが、ほとんど退職者がいない場合はコストに対して得られるリターンが見合わない場合も。一定のコストをかけても自社に本当に必要なのかを見極める必要があるでしょう

退職者アンケートを低コストでアウトソーシングしたい場合は、先ほど紹介した退職者(アルムナイ)専門ツールであるOfficial-alumni.comがおすすめです。退職者アンケートの回答結果を踏まえた離職率改善の他にも、退職者の再雇用や業務委託によってオンボーディングコスト削減や即戦力の確保、採用ブランディング強化が可能となります。

関連記事:アルムナイ経済圏は1兆円以上!企業が退職者との関係構築に取り組むべき3つの理由

退職者が回答してくれない可能性がある

オンライン上で行うアンケートのため、手軽に実施できる分、退職者の協力を得られない恐れもあります。回答を集めるためには、できるだけ質問を少なくする、簡単に答えられるようにするなどの回答者の負担を減らす工夫が必要になります。

また、何に使用するかをきちんと伝えたり、上司は閲覧しないことを伝えたりといった退職者が安心してアンケートに回答できるような状態を作ることも心がけましょう。

そして、これは日本社会全体に言えることなのですが、退職者=裏切り者というネガティブな考え方が根強く残っており、退職を機に企業と退職者の関係が切れてしまう問題があります。そうすると当然エグジットサーベイの回答率も悪くなるので、根本的な解決方法として企業側がアルムナイ制度の構築に力を入れるというものがあります。アルムナイ制度について詳細に話すと本記事の趣旨から離れてしまうので、興味のある方はこちらの記事をご覧ください。

関連記事:アルムナイ制度とは?大企業が注目する令和式「即戦力」

退職者アンケート(エグジットサーベイ)で聞くべき項目

上では退職者アンケート(エグジットサーベイ)を導入するメリットとデメリットについてお伝えしてきました。ここからは、実際に退職者アンケートを実施していくという前提でお話ししていきます。

いざエグジットサーベイを行うと決めたものの、初めて実施するとなると何を聞けばいいのかわからないということは往々にしてあります。

そこで以下では、必ず聞いておきたい質問項目を紹介します。実施する際はこれらにプラスして、自社に合わせた項目を追加するとよいでしょう。

退職理由

まず聞きたいのが退職理由です。

代表的な理由である「キャリアアップやキャリアチェンジのため」「給与を上げるため」「ワークライフバランスの改善」といった理由はあらかじめ選択肢として用意しておきましょう。こうすることで、回答者の負担が減るだけでなく、データ分析をする際にも効率的になります。

また、退職理由については択一式にするのが良いでしょう。退職を控えた時期には、あれもこれも不満だと感じている人も多く、数多くの選択肢を選んでしまい、本当の退職理由が見えにくくなってしまうことも。複数選択式とする場合も、数は3つまでにしておきましょう。

会社に対する不満点

退職理由以外の会社に対しての不満も必ず聞いておきましょう。

退職の決定的な理由とはなっていなくとも、積み重なった小さな不満が遠因となっていることは十分考えられます。また、退職者本人すら明確には自覚していないものの、真の退職理由は別の部分だったということもあります。

この質問については、「人間関係について」「業務面について」「会社の制度について」などいくつかセクションを分けた上で、当てはまるものを全て選んでもらう方式にするのがおすすめです。

また、選んだものの中で、特に大きな不満を持っていたものを更に選択してもらうのも良いでしょう。退職理由と同じく、退職を控えている場合は不満が目につきやすく、多くの項目を選んでしまいがち。すると、どれが退職に影響を与えていたのかよくわからなくなってしまいます。こういったことを防ぎ、できるだけ正確なことを知るためにも、不満の中から特に重要なものを選択してもらうのはとても良い方法と言えます。

会社の長所

退職者に向けたアンケートとなれば、不満や悪い点ばかり聞いてしまいがちですが、良い点も聞いておきましょう。

退職を前にしても、「この会社のここはいいな」と思える部分は自社の大きな強みと言えます。どんな強みがあるかを把握しておけば、それを伸ばしていくことも採用の際に訴求することもできます

採用に限って言えば、「退職者の選んだ会社のいいところ」といったコンテンツを作ることで、退職者にも好意的に捉えられている良い会社だと求職者に思ってもらえる可能性も高いです。この項目も、質問は記述式ではなくあらかじめ用意した選択肢から選んでもらう方式がおすすめです。

退職者アンケート(エグジットサーベイ)実施までの流れ

ここでは、エグジットサーベイを実施するまでの流れを紹介します。退職者にもスムーズに回答してもらえるよう、しっかりフローを構築してから実施しましょう。

①システムの用意

まず、自社でシステムを構築するのか、他社に構築を外注するのか、Official-alumni.comのような外部のアンケートシステムを使うのかを決定する必要があります。

安価ですぐに始められるのは外部のアンケートシステムですが、カスタマイズ性を重視したい場合は自社オリジナルのシステムを構築するのが良いでしょう。構築後に改修が必要になる可能性を考えると、自社にエンジニアが在籍している場合は自社で作るのがベターです。しかし、自社エンジニアのリソースの問題もあるかと思いますので、その点はエンジニアに負担がかかりすぎないよう臨機応変に対応しましょう。

②質問項目の選定

システムをどうするかが決まったら、続いて取り組むのが質問項目の選定です。

・退職理由
・会社の不満な点
・会社の良い点

先述の上記項目の他にも、聞きたい項目があれば追加しましょう。

年齢や性別、新卒入社or中途入社・在籍年数なども回答してもらうと、あとでデータ分析をする際に役立ちます。ただし、あまりにも質問項目が多くなるのはNG。回答者の負担となり、途中で回答を辞めてしまうかもしれません。5分~10分ほどで回答できるような分量としましょう。

③対象社員にURLを送付

質問が決定したら、退職者が出たタイミングで適宜実施しましょう。

オンライン上でのアンケートとなりますので、URLを共有することになります。

その際、一度送って終わりではなくリマインドメールを必ず送りましょう。エグジットサーベイだけでなく、アンケート全般にありがちなのが「あとで答えよう」と思ってそのまま忘れてしまうことです。リマインドが多すぎてもしつこく感じられてしまうため、回答期限の2日ほど前に一度だけ送るようにしましょう。

退職者アンケート(エグジットサーベイ)回答結果の活かし方

エグジットサーベイを実施したら、結果を活用していきましょう。ここで注意したいのが、実施してすぐのあまりデータが集まっていない段階で何か行動を起こさないことです。データが少ない状態で1人や2人の回答を基にして職場環境を改善したものの、実は多くの人が不満に思っていたのはそこではなかったということも起こり得ます。せっかく得た結果を有効活用するためにも、一定データが集まってから活用に乗り出しましょう。

離職率を下げるための施策立案

まず取り組みたいのが、離職率を下げるための施策です。

この時、離職者のボリュームが多い属性の離職理由を解消することから始めていくのが最も有効です。

多かった退職理由によっては、会社の制度や体制上すぐに対応するのは難しい点も多いかと思いますが、焦らずじっくりと長い時間をかけて取り組んでいきましょう。また、離職率が低いに越したことはないですが、予想されるコストをかけてでも本当に今離職率を下げる取り組みをするべきなのか、他に優先するべきことはないかという視点も忘れないようにしましょう。

関連記事:【令和式】離職率を下げる新時代の改善策8選

採用ミスマッチ防止

例えば、「思っていた仕事内容と違っていた」「入社時に考えていたキャリアプランが実現できない」といった退職理由が多い場合は、採用時点でのミスマッチも考えられます。

その場合は、自社の仕事内容やキャリアステップの伝え方をいま一度見直して、きちんと理解した上で入社してもらう必要があります。キャリアステップを多様化したり社内転職をしやすくしたりするのも一手ですが、根本原因と思われる採用時のミスマッチについて考え直す方が、今後の会社の発展のためにもよいでしょう。

退職者の再雇用に向けた取り組み

退職理由として挙げられた課題を解決していくことで、離職者に「もう一度あの会社で働いてみようかな」と感じさせ、再雇用に繋げることもできます。

また、離職したからこそ気付く前職の良さというのもあります。もう一度働きたいと思った際に離職者からも声を掛けてもらえるよう、離職後も関係を持ち続けておくのがおすすめです。弊社でも離職者との関係構築のためのサービスOfficial-alumni.comを提供しています。もしご興味のある方はまずは上のリンクから公式サービスサイトを覗いてみてください。