2021年4月にアルムナイネットワークを立ち上げたAKKODiSコンサルティングは、現在アルムナイと協業した地方創生事業にも力を入れています。
今回は、2008年にAKKODiSコンサルティングを卒業し、現在マルクファミリー株式会社の代表を務める福山さんとアルムナイ事務局の玉川さんにお話を伺いました。
AKKODiSコンサルティング株式会社/玉川 博之さん (写真左)
2009年 AKKODiSコンサルティング(当時VSN)に新卒入社。エンジニア、社内講師を経験。その傍ら、アルムナイネットワークの立ち上げを担当。現在は地方創生を担当する部門に在籍。企業・行政・地域と幅広くセキュリティ啓発や強化、デジタル活用の支援に従事。住民を巻き込み、地域の未来を創るために活動中。
マルクファミリー株式会社/福山 秀仁さん(写真右)
2003年にAKKODiSコンサルティング(当時VSN)に入社。通信会社の法人サービス企画、社内の新規事業開発を手掛ける。外資系ソフトウェア会社でCRMとビッグデータ解析ソリューションのコンサルティングに従事。その後、インドで創業。インターネット会社のインド事業展開を牽引し、M&Aを成功に導く。帰国後、スタートアップ企業に参画し、採用支援、マーケティング、ブランディング、UI/UXプロジェクトを多数推進。
2017年に独立し、大企業やスタートアップ企業の新規事業開発やマーケティング支援に従事し、自治体の産業振興にも積極的に関わり、兵庫県ビジネス創出コーディネータに就任。「地方から日本を元気にする」という使命のもと、2021年に淡路島にマルクファミリー株式会社を設立。
淡路島を活性化|地方創生の第一歩に迫る
ー本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは簡単に、お二人の自己紹介をお願いします。
玉川:
私はアルムナイネットワークの立ち上げから関わっており、現在AKKODiSのアルムナイ運営事務局を担当しています。同時に地方創生事業も行っており、今回ご縁があり福山さんとともに、兵庫県洲本市(淡路島)でのイベントを協業しました。
福山:
私は2003年にVSN(AKKODiSの前身)に07期生として入社し、そこから5年間エンジニアや能力開発、研修を担当していました。その後外資系企業での勤務を経てインドへ行き、最終的に2年前に淡路島に移住しました。現在はマルクファミリー株式会社の代表として淡路島でビジネスを展開しています。
ー福山さんはなぜ、淡路島での生活を選択したのですか?
福山:
もともと大阪に家がある私からすると、淡路島はリゾート地のイメージがありました。物心ついてからの記憶では、淡路島と接点は無いものの、3年前仕事で10年ぶりに淡路島へ行きました。その際に、地方創生の観点から見てこの場所は面白いと直感で感じました。ただ移住するのではなくここでビジネスを始めてみたいなと思ったことがキッカケで、現在は淡路島を本拠地に家も会社も全て置いています。
ー直感で淡路島を選んだのですね。今回AKKODiSと協業で地方創生を行ったと聞きましたが、その背景も教えていただけますか?
福山:
玉川さんが話していた通り、AKKODiSが行っている地方創生事業の対象に、淡路島も含まれていました。イベントで協業することになったのは、今から1年前に自治体のEXPOが東京で開かれており、AKKODiSの出展を目にしたことがキッカケです。
約20拠点もの地方創生をやっていたAKKODiSですが、まさか淡路島(洲本市)は対象じゃないだろうなと思いながら見ていたものの、なんと淡路島も対象地域に含まれていました。そのときはちょうど玉川さんはいませんでしたが、受付スタッフに名刺を渡し、そこから何度かオンラインでセッションを重ね最終的にはビジネス協業へとたどり着きました。
玉川:
確か私はその時ちょうどお昼休憩で、福山さんがブースに来てくれたときにはお会いできませんでした。
現在AKKODiSでは地方創生事業を行っていますが、アルムナイと共に地方創生に取り組んだ実績は今回が初めてです。私はアルムナイ、地方創生事業どちらも担当していたため、アルムナイとともに地方創生事業を進めることは、また1つのチャレンジとして前に進めるのではないかと考えました。
福山:
ちなみに、実は私と玉川さんはAKKODiS時代、在籍期間が被っていません。私が退職した翌年に玉川さんが入社されたので、今回の協業までお互い名前も知らないところから今回の取組がスタートしました。
玉川:
在籍期間は被っていませんが、同じ会社に所属し、教育部門にも携わっていた方でした。「初めまして」ではありましたが、共通の話題もありコミュニケーション取りやすかったです。
地域の弱点を強化|苦手とする冬の集客に一石を投じる
ー実際のどのような流れでプロジェクトを進めていたのかも教えて下さい。
玉川:
本格的に動き出したのは2023年の4月からです。具体的な協業を模索している中で、淡路島でのイベント開催にあたり、助成金を利用できることは知っていました。AKKODiS社内でも地方創生において、助成金もうまく活用できないかと協議することも多かったので、福山さんからのお話は良いタイミングでした。
プロジェクトが進んでからは基本的にオンラインやSNSのチャットベースで話を進めていましたが、お互いに何度か現地を訪問し合うなど、オフラインでも会議を重ねていました。
福山:
プロジェクトの期間が約半年であることを考えると、割と高い頻度で直接会っていたと思います。コロナが落ち着いてからは、飲みに行くことも多かったですね。
ー結構な頻度でお会いしているんですね。企画自体は玉川さん、福山さんのお二人が主体で進めていたんですか?
玉川:
プロジェクトの初動は私達が進めていましたが、実際のイベント開始に向けてはAKKODiSのSIPチーム(地方創生の洲本で活動しているチーム)全体で動いていきました。
福山:
イベント当日も、玉川さんを始めAKKODiSのメンバーに多大なる協力をいただきました。
昨年11月11日、大浜公園の海岸にてサウナフェス淡路島を実施しました。サウナ以外にも飲食店やシーシャ、サップなど様々なアクティビティを用意し、淡路島はもちろん大阪など島外からの訪問も多く、イベントは成功だったと言えるでしょう。
イベントでは当社がイベントの統括として全般の統括を行いつつ、ウェブサイトの運用や参加者のチェックインなど、Web周りはAKKODiSに担当していただきました。もともと本イベントのDX化をAKKODiSに手伝ってもらっていたため、タッチポイントとして最も重要な受付周りは全てAKKODiSにお願いしました。
ーうまく役割分担を行いイベントを成功させたのですね。会場が大浜公園の海岸となると、行政とも連携を取っていたのでしょうか?
福山:
開催場所が市の管轄なので、行政とも連携していました。実際に市役所の方もサウナを利用していただいたりと、イベントは多くの参加者で賑わいました。
ーちなみに、なぜイベントでサウナを選んだか教えてもらえますか?
福山:
単純にサウナが好きだからです。去年、今年辺りから全国各地でサウナフェスが盛り上がりを見せており、サウナー(サウナ好きの通称)の中でもより人気が出ています。
さらに淡路島の課題として、夏の観光は調子が良いものの冬の誘客が弱いということもありました。だからこそあえて寒い11月に開催時期を設定し、観光資源を活かして集客を狙うために、サウナに目をつけて今回のイベントを開催しました。
申し込みベースで30人と多くの参加者が集まり、通行人たちからも声をかけられるなど、
イベントとしては上々の成果だと思います。
ー玉川さんから見て、イベント当日の様子はいかがでしたか?
玉川:
相当盛り上がっていたと思います。サウナフェスに申し込んでくださっただけあって、参加者は皆サウナ好きです。寒い中サウナに入ってから海に飛び込むなど、皆さんすごく楽しんでいました。
運営側のお話でいうとAKKODiSはチェックインシステムやホームページの制作を手掛けており、当日まで問題なく機能した点は良かったです。DX化に関しても全体を通して成功したため、ロケーションとリソース次第で他のイベントやビジネスでも取り組みを重ねていきたいと思っています。
福山:
イベントが盛り上がったことはもちろんですが、そこから新たな縁が生まれたことも私としては満足しているポイントです。サウナの中でコミュニケーションが生まれ、その中で連絡先を交換したり、ビジネスの話が発展したりと繋がりが広がっていく様子は、イベントの企画者として嬉しいですね。
ー想像以上の反響のもと成功を収められたのですね。今後もアルムナイとAKKODiSでなにか協業していく予定はありますか?
福山:
まずはこのサウナフェスを来年も実施したいと考えています。玉川さんが所属する地方創生部署との協業はもちろん、AKKODiS全体という広い視野でビジネス協業ができれば良いなと思いますし、お互いにまだまだやれることは多いと考えています。
DX化はもちろん、イベント以外にもなにか新たなビジネスを創出できると嬉しいですね。
玉川:
私も同様に、様々な連携をしてビジネスを生み出していきたいと考えています。今回のイベントを通して、アルムナイと協業できることは増えてきていると思います。
現在当社にはソーシャル・イノベーション・パートナーズという、エンジニアが地域に入り込んでビジネス展開を行うプログラムがあります。今回の取組はまさにこの方針の成功例とも言えるので、会社でその成果を報告し、次に繋がるよう動いていくことが大切です。
今まで地方創生や地元事業者との連携はありましたが、これをアルムナイと行ったことは初めてです。経営会議で共有した際も大きな反響を得られたため、この実績を元に新しい活動に展開していきたいと思っています。
アルムナイと現役社員、お互いの頑張りがお互いに還元される仕組み
ーでは最後に、アルムナイに向けてメッセージを頂けますか?
玉川:
現在アルムナイネットワークを立ち上げて約2年、参加者も100名を超えてきており、皆さんには感謝しています。
今回の福山さんもですが、こうしてインタビューに参加していただけることもありがたいです。
コロナ期間はオンラインのイベントが中心でしたが、これからはオフラインのイベントも企画しているため、積極的に参加していただけると嬉しいです。今までは会社主体の取り組みが多かったため、これからはぜひアルムナイ主体でなにかイベントを企画したり、情報を発信してもらえると、よりコミュニティも活発になると思います。
実際に福山さんとは1つイベントを成功させた実績ができたので、多くのアルムナイとこうした協業ができれば、より良いコミュニティになっていくでしょう。もしも同期にまだ参加していない人がいれば、ぜひお声掛けしてください。
福山:
アルムナイネットワークは、現役社員や会社とアルムナイの双方が頑張ることでより良い発展を見せていくと思います。アルムナイがAKKODiS出身として活躍することで、社外のAKKODiSの評判も上がります。
逆にAKKODiSがより良い会社になることで、アルムナイAKKODiS出身であることに誇りを持てます。こうした頑張りがお互いに還元されることこそが、アルムナイネットワークの一つの本質だと私は考えています。だからこそこれからマルクファミリーで様々な事業を行い、その実績でAKKODiSに恩返ししていきたいですね。
あとはビジネスの側面ではもちろん、仕事のお話関係なしに関わりを持ちたいので、ぜひアルムナイ皆さんとは気軽に飲みに行きたいです。