2024年9月16日、総合商社6社*のアルムナイが集結したイベント「総合商社アルムナイMeet-Up!」が開催されました。
総勢で約170名の各社アルムナイが参加し、パネルディスカッションやネットワーキングなどで大いに盛り上がったこちらのイベント。
当日の会場の模様や参加者の方の声など、その熱気とともにお届けします。
* 総合商社6社(順不同)
三菱商事株式会社(以下、三菱商事)
三井物産株式会社(以下、三井物産)
伊藤忠商事株式会社(以下、伊藤忠商事)
住友商事株式会社(以下、住友商事)
丸紅株式会社(以下、丸紅)
双日株式会社(以下、双日)
商社の“横のつながり”を軸に初開催
今回開催されたのは、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅・双日の6社が運営するアルムナイネットワークの横断的な交流イベント「総合商社アルムナイMeet-Up! 」。
「商社」という“横のつながり”を軸に、何か新しいことはできないだろうか──。
そんな、各社のアルムナイネットワーク幹事の発想をきっかけに、企画・開催に至ったといいます。
会場には6商社ごとにテーブルが用意され、そこで再会を喜ぶアルムナイの姿もあれば、テーブルを渡り歩きながらさっそく他社のアルムナイと交流を深める姿も。
乾杯とともに参加6社の紹介がはじまると、各テーブルからは大きな拍手が送られるなど、開会直後から大いに盛り上がりを見せていました。
商社退職後のキャリアを追う。
各社代表アルムナイによるパネルディスカッション
本イベントの目玉企画とも言えるのが、各社を代表したアルムナイによるパネルディスカッション。
「商社アルムナイの未来 〜商社中途退職者のキャリアの行方〜」と題し、そうそうたる顔ぶれによって、退職後から今日までの道のりや、商社での経験が活かされたエピソードなどが語られました。
<登壇者> ※写真左から
藤森義明氏(元・双日 / 現・日本オラクル 株式会社 取締役会長 他)
名和高司氏(元・三菱商事 / 現・一橋大学ビジネススクール客員教授)
堀義人氏(元・住友商事 / 現・グロービス経営大学院学長 他)
澤田貴司氏(元・伊藤忠商事 / 現・セルソース株式会社代表取締役社長CEO 他)
大石良氏(元・丸紅 / 現・株式会社サーバーワークス 代表取締役社長)
寺田親弘氏(元・三井物産 / 現・Sansan株式会社代表取締役社長・CEO・CPO)
「商社での経験が、その後のキャリアにどう活きているか?」というテーマでは、登壇者それぞれが商社退職後から今日までを振り返ります。
「モバイルコマース事業で起業したのち、インフラビジネスへピポットし成功。これは、商社時代にインフラビジネスの収益性の高さを学んでいたからこその視点だったと思います」と話すのは、丸紅アルムナイの大石氏。
同様に商社での経験が活きたこととして「ビジネスパーソンとしての在り方。さらにはステークホルダーを巻き込んでお金を得ていくという経験」と、住友商事アルムナイの堀氏は語ります。
また、そんなさまざまな経験と学びに感謝の意を述べるのは、伊藤忠商事退職後にファーストリテイリングへ入社した澤田氏。「小売業の楽しさを伊藤忠で実感したからこそ柳井さんと出会い、すばらしいチャレンジができた。本当に感謝しています」と振り返りました。
次に「商社退職後に感じた変化」へとテーマが移ると、起業のため三井物産を退職した寺田氏からはこんなお話が。
「退職時は『もう三井物産の看板が使えなくなる』と自分に言い聞かせながら外に飛び出していったものの、実際に外の世界へ出てみると、そうした看板よりもプロダクトづくりや地道な顧客価値の積み上げなどが大切だということに気がつきました」。
一方で双日アルムナイの藤森氏は、昨今の商社にも変化を感じているとのこと。「最近ではこれまでやってこなかったようなことにも挑戦しているし、それによって社会を変えようとする力はすばらしい」と、アルムナイならではの視点で語りました。
最後に、会場にいる方へ向け、三菱商事アルムナイの名和氏からメッセージが送られました。「さまざまな形で仲間とのつながりは続いていくと思うけれど、過去にとらわれすぎることなく、未来に向け、いかにして変わっていくかが勝負です」。
終始真剣に耳を傾ける会場のみなさん。
自身が在籍していた会社はもちろん、それ以外のアルムナイのキャリアにも触れることができ、大変貴重な時間となったようです。
ネットワーキングでお互いの“今”を知る
これからのコラボレーションにも期待!
ネットワーキングでは、それまで会社ごとに並べられていたテーブルを現職の“業界ごと”にチェンジ。出身商社に関係なく、今携わっている業界の仲間と話を弾ませている姿が見られました。
「商社出身の方はバイタリティーがあるので、いろいろな刺激をもらえそうだと感じ参加しました。ビジネスコラボレーションにも期待しています!」
と話す方もいるように、こうして横断的につながりを持つことで、今、そしてこれからの交流・協業などに期待を抱く方も多いようです。
熱気に包まれたまま、約2時間のイベントはあっという間に閉幕へ。
最後は、今回集まった約170名のアルムナイによる集合写真の撮影です。
今回のイベント開催をきっかけに、6商社のアルムナイが登録できるFacebookグループもできたとのこと。
ここで生まれた貴重な出会いをきっかけに、またひとつ新たなネットワークが広がっていきそうです!
多様なつながりへの期待と、あらためて感じるコミュニティへの感謝
~ご参加の方の声~
6商社のアルムナイが横断的に交流を図るという、これまでにはなかった本イベント。
ご参加の方にお話をうかがうと、こうして“横のつながり”を広げていくことに価値を感じると同時に、自身の在籍するコミュニティ、つまり“縦のつながり”にも誇りを抱き、あらためて感謝の意を述べる方が多くいらっしゃいました。
■ 在籍当時は“競合相手”という関係性でしたが、今こうして前向きなお付き合いができる機会を持つことができ、とてもうれしいです。
■ 商社出身の方はダイナミックな転職をする印象。その点がおもしろいと感じ、何かお話を聞ければと思い参加しました。思っていたより年次が上の方も多くいらっしゃるので、そうした先輩方と触れ合える良い機会にもなっています。
■ 商社の良いところは、社内で違う事業をやっていても連帯感があるところ。それと同じように、会社が違っても“商社”というだけで仲良くできるように感じています。
■ 「再入社をしてもいいのでは」と思えるほど、自分が在籍していた会社はすばらしいとあらためて感じています。今後はビジネスコラボレーションもできたらうれしいです!
■ 商社全体で見てもすばらしい方がたくさんいて、各社それぞれの良さもありますが、私が自身のアルムナイネットワークに感じるのは“応援力”。今でも先輩経営者の方にアドバイスをもらうなどしていて、このつながりが今の自分を作っていると言えます。
■ “横のつながり”によって他の商社がどういった取り組みをしているのか?などを知りながら、それを活かすことで“縦のつながり”を強くする。そんな循環を働かせ“横も縦も充実させる”ことを目指しています。
実行委員の方より
今回のイベントは、6社・全17名の実行委員の方によって開催が実現。そこに込められた想いや今後の活動についてなど、実行委員代表の方にお話をうかがいました。
<実行委員代表>
伊藤健吾さん・橋本久茂さん(三井物産アルムナイ )
島田大介さん(双日アルムナイ )
三井物産がアルムナイネットワークを発足したのが2011年。ここ3〜4年でようやく他の商社も足並みが揃い、このタイミングで何かができればいいな…と思ったことがきっかけで今回の開催に至りました。
商社の方々にはどこか共通項があって、会社が違っても共感し合うものがあると感じています。今日はこれだけの方が参加してくださったので、そんな“共感”が集まりお互いが触発され、新しいビジネスなどが生まれるとうれしいですね。
会場を見渡してもみなさん自由に交流を深めているし、この光景は期待値通り!
いつか2回目もやりたいとは思っていますが「毎年やらなければ」といった義務感というよりも、その時々の盛り上がりによって開催すればOKだと思っています。
最後に
今回のイベントのキーワードともなった“横のつながり”。
同業界・企業横断という初の試みによって新たなつながりを広げていくのと同時に、“縦のつながり”における魅力をあらためて実感しているみなさんの姿がとても印象的でした。
縦のつながりがあるからこそ、横との掛け合わせでネットワークは飛躍的に広がりを持つことができます。特に同じ業界であればそれぞれの特性を理解しているため、ネットワークの広がりから生まれる学びやチャンスを大きく広げることができます。
今回のイベントは、そんな“縦×横”の掛け算から生まれるさまざまなイノベーションの可能性を再認識させてくれるものとなりました。